上側のささら板の仮止め
今度は上側の仮止めです。後で調整しやすくするために、理由はまた説明しますが段板の角を線より少し手前に出しておくのがコツです。
全体的に線より手前に出しながら、
まずは一箇所だけどこでもいいので合わせて、仮止めします。
一箇所決めてしまえば、次からどんどん合わせやすくなります。
このようにシャコ万とバールを使って押し引きして、線と板の角を合わせていきます。
前述した「角を線の手前に出しておく」理由がこれです。手前に出しておけばシャコ万とバールで押せばよいので非常に調整しやすいのです。
同時に仮止め箇所の真上に、板とハンマーを用意しておきます。
仮止めした瞬間に、上から思いっきりひっぱたくのです。理由は隙間を埋める為です。溶接が固まる前の一瞬を狙うので、すぐに叩けるように用意しておくのがコツです。
ささら板を不安定な上に置いているだけなので、板の歪みや床の凹凸などでやはりどうしても多少隙間が出るのです。1~2ミリ程度の隙間であればハンマーでひっぱたくことでピッタリいきます。それ以上の隙間であれば無理はせずに、他の箇所からやっていきます。
そうやって他から埋めていくと、隙間が大きかった箇所も最終的には1~2ミリ程度になっていきます。それでも無理な場合は
このようにブレースで引いて仮止めします。たいていはここまではしなくてもハンマーだけでピッタリいきます。
上側が全部仮止めが終わったら
後々持ち上げたりひっくり返す時に仮止めが取れてしまわないように、全体的に仮止めをさらに補強します。
また他に隙間がある部分もどんどん焼いてひっぱたいていきます。
階段を持ち上げて下に100角を挟む
上下の仮止めが終わったら、次は足のプレートをつけやすいように、下に100角を入れて全体を100上げます。
少し上げておかないと下側の足のプレートは、はみ出してしまってつけられないのです。
何度もひっくり返したくないので、この面で溶接できるところは全部溶接を終えてしまいたいというわけです。
足のプレートの取り付け
いよいよ終盤戦です。足のプレートの取り付けです。
床のコンクリートにアンカーで固定する為のプレートです。
こんな感じにけがいて、小さい板もつけておきます。こうやって小さい板をつけておくと
こんな感じで、楽に溶接ができてしまうわけです。
小さい板なしでももちろん出来ますが、片手で重い鉄板をプルプル言わせながら線ピッタリに合わせて、なおかつ90度くらいでうまく仮止めするには、なかなか面倒で疲れます(笑)
こうやって小さい板をつけておくだけで、簡単かつ正確にきちんと溶接ができるのです。
同じ要領で下もつけたら、今度はアングルで上下のプレートがまっすぐになるよう、固定しておきます。後で本溶接をする時に、熱で寄ってしまわないようにする為です。
溶接は高熱なので、仮止めではなく本溶接となると、どんな厚みの板でも必ず焼いた方向に曲がってしまうのです。ですのでこうして固定せずそのまま本溶接をすると、プレートとプレートの距離が短くなったり90度じゃなくなってしまったりして、穴と穴の寸法が違ってしまいます。そうなると現場で取り付けをする際に、キツくなったり入らなくなったりで、現場の鳶さんや職人さんたちが苦労してしまうのです。
同じ理由で、階段の上部分も本溶接時に動いてしまわないように、アングルで固めておきます。こちらはボルト2箇所ずつの取り合いの穴になるので、精度的にはこちらの方が重要です。
いよいよ本溶接
ここまでくれば、ほぼ終ったも同然です。
仮止めも全て終わり、固定も終え、後はどんどん溶接していくだけです。溶接のコツとしては、引くというより、置いていくというか流し込んでいくといった感覚でしょうか。
両方の板をしっかり溶かし込んで、同じ幅になるように焼いていきます。リズムと角度が大切です。
こればかりは実際にそこそこやらないと中々感覚は身につかないかも知れませんが、慣れてしまえば頭や神経をさほど使わない楽な作業になります。
完成
本当はこの後に、溶接のカスをとったり、サンダーで綺麗に仕上げして、錆止め塗装をやって終了なのですが、今日の自分の仕事はここまでだったので、これにて今回は終了です。
今回はシンプルな鉄砲階段で踊り場やコンクリ用の鉄筋付けや、手摺りのプレートなどがなかったので、ちょうど一日くらいですかね。
鉄骨関係は色々なものを作りますが、大きさにさえ慣れてしまえば階段は比較的楽な部類になります。
また機会があればレポします。
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※2018/11/08
会社として新たに法人化いたしました。HPも作ったので今後、鉄工所関係の記事はこちらで更新していきますね。
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