最近の声優さんってアイドルのような人気です。
男性声優さんはイケメンだし、女性声優さんも美人ばかり。でも、そうやって表に出て活躍できるのは、ごく一部の人たちだと聞いたことがあります。
では、その「ごく一部」とはどんな声優さんなんでしょうか?
そもそも声優さんのなり方ってどんな道があるんでしょうか?
今回は、声優さんについて調べてみました。
声優の卵の卵へ!
声優としてデビューするためには、まず声優事務所に所属することが必要になります。ただ、声優事務所に入れるのは「即戦力」になる人だけです。つまり、声優としての基礎ができている人だけということになります。
では、その基礎はどこで学ぶのかというと「声優養成所」というところになります。養成所は主に声優事務所が直接運営しています。そのため、事務所へ所属するためには一番早い道といえますね。もっとも、養成所で求められる技術レベルは高いといわれます。そのため演技経験のない本当の素人の方は、声優学科のある専門学校を卒業してから、養成所に入るのが順当でしょう。
遠い道に思えますが、このレベルで諦めるようでは声優にはなれません。
看護、医療といった需要の多い業界ならいいのでしょうが、声優業界は圧倒的に供給が多いので少しでも実力を磨かないといけないんです。専門学校で「基礎の基礎」を学び、養成所に入ってさらに勉強が必要になると考えたほうがいいと思います。
スティーブン・セガールの吹き替えなどで人気のベテラン声優、大塚明夫さんは、こうしたレッスン経験もなく、声優だった父・大塚周夫(おおつかちかお)さんの紹介で声優事務所に所属できたといいます。しかし、もともと大塚明夫さんは舞台役者として活動されていたので、全くの素人というわけではありません。
ここからがプロへのスタート!
声優養成所では、入所時にオーディションがあります。志望者が多いために仕方ありませんね。そして、専門学校と大きく違うのは「ふるいにかけられる」という点です。声優になるための勉強をするのはもちろんですが、プロになれる人材を養成するため、教えられたことが実践出来ない人は進級できません。
ここからすでに「声優への競争」は始まっているといっていいでしょう。
養成所では、発声練習、演技指導、ダンスなど多くのことを勉強します。その集大成が「声の仕事」に結びつくわけです。
でも意外と知られていないのは、「超体育会系」であるということ。どういうことかというと、「礼儀」や「上下関係」が大切にされます。これは声優業界というものが確立されていなかった時代に、俳優さんが洋画や海外映画の吹き替えをしていたからでしょう。
芸能界は上下関係が厳しいのは聞いたことがありますよね?だから、挨拶からシッカリできないと、それだけで印象的にはマイナスになります。
個性を磨くのも大切な素質
養成所では定期的に事務所へ所属するためのオーディションがあります。
主には声優事務所のマネージャーが、才能ある新人を探すためにやってくるわけです。マネージャーは第一線で活躍する声優さんを多く見ています。だから、将来的に成功する可能性があるか見極める能力があるわけですね。
でも、このオーディションもなかなかクセ者なんです。
いくら演技や質疑応答が上手くても合格できない人もいます。逆に演技力に多少の難があっても合格する人もいます。その差は、ズバリ個性です。
多くの声優さんが活躍している業界で仕事をするためには、「上手い」だけではメリットにはなりません。技術的に上手い人はすでに第一線で活躍しているわけですから。そこで「この人の声質は個性的だな」とか「演技の幅が広そうだな」と思わせる+αが必要なんですね。
ギャラってどう決まるの?
さて、日頃のトレーニングの成果が実って声優デビューできたとしましょう。
そこからはさらに激しい競争が待っています。声優は月給制ではありません。お仕事をもらうためには、そのお仕事のオーディションを事務所に紹介してもらって、合格する必要があります。
最初の3年間は「ジュニアランク」といって、見習い期間としてお仕事をします。ギャラは一本で15,000円と決まっています。そのため、この期間の声優さんはほとんどバイトをしながら声優のお仕事をするわけです。
そこから経験年数によってランクは上がり、最高はAランクとなります。このときのギャラは一本45,000円。これが現在活躍中の人気声優さんのランクになるわけですね。さらにその上には「ノーランク」という交渉でギャラを決めるレジェンド級の声優さんもいます。ドラゴンボールの孫悟空の声などを担当されている野沢雅子さんなどがノーランクといわれています。
推し声優?!
現在の声優業界は、「アイドル化」が進んでいます。
昔は「裏方」「俳優の副業」といったイメージの声優さんでしたが、今はどんどん顔出しをして歌手としても有名になった人もいます。水樹奈々さんは東京ドームでライブをしたり、2009年からは6回も紅白歌合戦に出場しました。アニメ「ラブライブ!」の劇中に登場するアイドルユニット「μ’s(ミューズ)」も、メンバーを演じる声優さんが2015年の紅白歌合戦に出場しています。
このようなアイドル化については、キャラクターだけではなく、演じる声優さん個人のファンが増えていることが影響しています。ネット動画の普及で、声優さんも顔出しをするのが当たり前のようになり、声優さん個人を「推す」ファンが増えたということです。AKBの「推しメン」と同じ感覚ですね。逆に「この声優が演じるならこの作品を見てみよう!」という現象も起きるのです。
これが「ごく一部」の活躍できる声優さんなんです。競争が激しい世界だと知っているからこそ、ファンも応援したいという思うわけなんですね。
まとめ
声優さんは、「ごく一部」の人気声優になれたとしても競争は終わりません。「自分が先輩を追いかけていると思ってたら、いつの間にか自分が追われる立場になっていた」ということになるのは必然です。2017年現在、約6,300人もの声優さんがいるそうですが、それを聞いただけでも、第一線で走り続けるのがどれだけ大変かわかりますね。
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