天下統一までの道
前回は『三國志13』の戦闘面以外の楽しみ方を紹介したが、今回はシリーズのメインである戦闘を中心に、天下統一までの流れを紹介する。
君主になるには?
ゲームの基本的な進め方だが、ここでは自分がメインでプレーする君主として話を進める。
元から君主であればこれまで通りでいいが、君主以外の身分の武将が国を持つには、国を出て自ら旗揚げするか、在野の賊として名声を稼いでいる最中に君主から国を譲られるか、オリジナル武将を君主として空白地に配置するかの4択になる。
君主の仕事はトップとして配下に仕事を与える事だが、君主として命令を与えるのは2人だけで、後は重臣3人と仲間1人からの提案(重臣は2つ提案してくれる)を採用して進むため、非常にシンプルである。(途中から交流を結んで絆が芽生えた武将の3人に指示を出せるようになるが、1人増えるだけなら手間は大して変わらない)
義務ではないが、君主プレイは最大40人以上もコマンドを使って細かく指示を与えられる一方、どうしても手間が増えてしまう。(一人一人に指示を出すのがトップの仕事といえばその通りであるが、やる事のない終盤に40回も指示を出すのはだるい)
一方、全武将プレイで君主として遊ぶ場合、前述の通り自分から命令出来る人数は少ないが、14に比べると手間はかなり省かれるためストレスは少ないのが個人的な高評価ポイントである。
テンポ良く進む1日1ターン制
また、日時進行のシステムも1日1ターンで行われるため、10日単位でターンが進む14よりもテンポがいい。
最もありがたかったのが、在野や敵勢力の武将を登用する場合、14では使者として向かわせる武将をいちいち選び、結果は10日待たなければなければならなかったが、自身が登用するのであれば即座に終わるため、ストレスなく進行出来る。(厳密にいえば13でも開墾や警備、捜索といった任務を行う場合は10日ほど待たなければならないのだが、登用だけは自分がやればノータイムで行えるため、戦力補強の意味でも、知力ステータスの経験値を得る意味でも、登用可能な武将がいれば他人に任せず自分で行うのが鉄則である)
これは好みの問題になるが、命令を出したらいちいち10日待たなければならなかった14のシステムよりリアルタイムで進む13の方が実際に主人公として三国時代を生きている感覚が得られた。
城攻めは「雲梯ゲー」
ゲームのメインとなる戦闘だが、身分によって自分の部隊のみを率いるか、総大将として軍を率いるかという違いも出て来るが、今回は自分が全軍指揮する事を前提に進める。
戦闘は大きく分けて野戦、攻城戦、水上戦の3つに分かれており、領地拡大のためにも攻城戦の戦い方を覚えるのはマスト(must)である。
戦闘の8割を占める野戦も攻城戦も敵の陣を制圧しながら本陣を目指すという意味では同じだが、攻城戦は字の如く城攻めをしなければならない。
NPCはそこまで賢くないとはいえ、城門を開けた状態でウェルカムと待っているはずがない。
門を攻撃して耐久度0の状態にするか、城内に入って開門させるかの二択になるが、城門にダメージを与える衝車などの工場兵器を使っても、前者の場合はやはり時間が掛かる。
高難易度で通用するかは分からないが、自分の場合は攻城兵器として雲梯(うんてい)を使う。
城壁に梯子を掛けて城内への進入を目指す作戦だが、当然ながら雲梯を登った先には相手が待ち構えている。
狭く逃げ場のない梯子の先で狙い撃ちにされるリスクはあるものの、戦闘用に選んだステータスの高い武将を向かわせているため、一対一で負ける事はほとんどない。
もっというと、複数方面から雲梯を設置させて敵に的を絞らせないようにすれば何処からか進入出来るため、攻城戦は「雲梯ゲー」である。
余談だが、シリーズの楽しみの一つである一騎打ちは「万夫不当」を名乗れるといつでも行えるが、武力110まで成長したら後は時間の無駄になるので素直に敵を攻撃した方が早い。
戦闘の進め方
『三國志13』の戦闘は最大10部隊で行われるが、本陣を防衛する1人(もしくは2人)を残して陣を攻めるチームと雲梯で城壁を登るチームに分けて出撃させるのが基本パターンになる。
籠城戦に持ち込まれたら雲梯を使おうとしても全員から妨害されて面倒になりそうだが、陣を落とされたら士気が下がり、軍全体にデバフが掛かるため、必然的に外にも武将を向かわせなければならない=何処かで雲梯から入れる隙が出来る。
相手の立場で考えたら「お手上げ」以外の言葉がないが、低難易度でやる場合の攻城戦は「雲梯ゲー」であり、出陣の際は雲梯を持たせたか確認するのが必須の作業である。
連合を組まれたら
空白地の多い南部(お勧めは地の利も人口も恵まれている襄陽)で旗揚げして、ノーリスクで近隣の都市を支配下に入れればいつの間にか最大勢力になっているのが『三國志』のあるあるだが、勢力を拡大しすぎると、周辺勢力が「連合」を組んで各地から襲い掛かって来る。
7割以上を支配して一強状態になっている終盤であれば自ら戦力を減らしに来るただのカモでしかないが、まだ独走体制の整っていない中盤に組まれると低難易度でも苦戦は免れない。(本来であれば攻めて来られたら厄介な勢力と同盟を結んで未然に進攻を防ぐのが吉だが、外交をメインにしている訳ではないのでここでは触れない)
複数の勢力が総勢10万以上の大軍勢で攻めて来る事もザラで、君主として対応に追われる事になる。
高難易度の場合は城を捨てる判断も必要になるが、低難易度の場合は1つの城も失わないで戦える。
詳しく書くと、兵士がゼロにならなければ負けにならないため、攻めて来る敵の少ない都市は周辺の都市から武将を向かわせて時間を稼いで貰い、自身は大軍がやって来る都市の迎撃に集中する。
一見すると10万(場合によっては20万)以上の大軍で、部隊を見ても1万以上の兵を持った武将がいると強そうに感じるが、NPCは最適解を知っている人間ではない。
攻城戦は雲梯ゲーと書いたが、自身が防衛の立場になると籠城せずに積極的に打って出るのが吉である。
兵士の数を見たら相手の方が倍であるのも珍しい話ではないが、武将が持っている戦法のバフ、デバフを駆使すれば一瞬で敵が溶ける事も多々あり、各個撃破しているうちに兵数が逆転している。
戦場に出られるのは10部隊までというシステムの都合上、11部隊目以降は裏で待機しているため5000人の部隊を撃破したら10000人出て来るという事もあるが、既に味方の士気は最高潮であるため、兵の数は大した問題ではなく、ここまで来たら負ける要素はない。
シリーズ特有の課題
大軍を撃退しても、戦争は終わらない。
他の城が攻められていたら救援に向かう事になり、また同じような戦闘を繰り返す事になる。
敵軍を簡単に撃破出来るため強いとは感じないが、通称「わんこそば」と呼ばれ嫌われているように次から次へと出て来る敵を撃破する作業を繰り返すのは「難しい」というよりも「面倒」という印象の方が大きい。
その面倒な作業を防ぐための外交ではあるが、相手が好戦的になって四方から攻めて来る状態にならなければ滅ぼされるのを待つ弱小勢力を倒すだけのぬるゲーになってしまう。(とはいえ烏合の衆である連合の相手をするのも面倒なだけで難しいとも言えない)
中盤以降の展開はほぼ同じで最後は単純作業になるのはシリーズを通して避けられない課題だが、作品の花形である戦闘バランスを初めとした難易度の調整は非常に難しいと感じた。
初心者の方にこそ挑戦して欲しいシリーズ最高傑作
最後に『三國志13』の評価を見ると、キャラゲーとして楽しみたい方や、自分のように難しすぎない程度に戦闘を楽しみたいライトユーザーからの評価は高いが、厳しい環境からの天下統一や縛りを課してプレーしている、いわゆる「ガチ勢」からの評価は厳しいものが目立つ。
前述の通り誰もが楽しめ、納得出来る難易度のゲームを作るのは難しい訳で、もっと難しい、ギリギリの戦闘を楽しみたいと注文を付けるなら自分でステータスオール1の武将を作って「無能武将でも乱世を生き抜けるかシリーズ」として挑戦した方がいい。(行動や経験によってステータスは成長するため最後までオール1のまま終わる事はまずないが、実際にオール1から天下統一を成し遂げた方もいるため、腕に自信のあるユーザーはネタとして挑戦するのもありだと思う)
賛否両論あるのは『三國志』シリーズの常であり、作品としての難易度も高くはないため慣れて来たら物足りないと感じるユーザーもいると思うが、初心者が『三國志』に触れる入り口として最適の作品だと思うので、今回のレビューで『三國志13』に興味を持っていただけたら幸いである。
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