慢性的な疲れは日常生活の大敵ですが、分かっていてもなかなか健康法を試す気になりません。
「どの健康法が効くのか分からない」という理由で一歩を踏み出せない人も多いと思います。私もそうですが、まずは運動よりも前にやることがありました。それが、今ある内臓脂肪をこれ以上ためないことです。
DIT って何?
内臓脂肪をためない生活に必要なキーワードは「代謝を上げること」。
そこで、意識せずに代謝を上げるためには「DIT(食事誘発性熱産生)」に注目することです。これは食事時に胃腸などが動いてエネルギーを消費する過程で熱が生まれることを意味していて、全体の消費エネルギーの1割を占める大切な働きです。
このDITを活用することで疲れないカラダを手に入れることができます。DITとは食事をするとポカポカと体が温まることに象徴される体熱産生。エネルギーの摂取量が同じでも、食べ方を変えるだけでDITを高めることが可能です。
DITを高めることを「DITブースト」と言いますが、DITブースト食に欠かせないのは、まずはタンパク質。タンパク質のみを摂取した場合は、摂取エネルギーの30%に当たる体内エネルギーが消化活動などによって消費されます。一方、糖質や脂質の場合は7%しか消費されません。
ベージュ細胞
タンパク質のDITブースト力は格段に高いので、脂質が少ない赤身肉や鶏むね肉は積極的に取り入れたいですね。摂取量の目安は、自分の体重1kgに対し、タンパク質1gです。体重50kgの場合は50gですが、あくまで目安なので「肉=DITブースト食」と覚えておきましょう。
加えて、DITをさらに高めるカギが「脂肪細胞」にあるとわかってきました。脂肪細胞は、「白色脂肪細胞」と「褐色脂肪細胞」の2つに分かれます。前者は中性脂肪を取りこみエネルギーを蓄えるための細胞。後者は代謝のときに発熱して、脂肪を燃やす役割を持っています。さらに「ベージュ細胞」と呼ばれる第3の脂肪細胞の存在も明らかになってきました。しかも、ベージュ細胞は「特定の食品を摂ることにより、増やしたり、活性化することができる」といいます。
ベージュ細胞は、特定の食品を摂ったことなどによって交感神経(活発な神経)が刺激されると白色脂肪細胞が変化して、脂肪を燃焼してくれるんです!
唐辛子や青魚を摂ろう!
交感神経を刺激して、発熱を促す食材の代表格に唐辛子があります。
例えば、みそ汁などの汁物に七味唐辛子を入れたり、普段の食事に取り入れればいいだけで、DITアップにも役立ちます。もし、辛味が苦手な人でもベージュ細胞を活性化させる食品はあります。それが、DHA・EPAといった魚油です。サバやイワシといった青魚は、タンパク質と魚油の両方を含むDITブースト食材といえるでしょう。
そうしたことを合わせて考えると、理想的なDITブースト食にタイ料理があります。ベトナム料理に比べて唐辛子を使うことも多く、ナンプラー(魚醤)はタンパク質やビタミン、ミネラルが豊富です。そのため、脂肪燃焼促進、代謝促進といった効果も期待できるんです。
そんなタイ料理の中でもオススメなのが、「ガパオ(ガパオライス)」。鶏肉のバジル炒めご飯のことで、最近では鶏ひき肉だけを加えればいい国産のペーストも販売されています。
朝食もしっかりと
さらに代謝をアップさせるためには、食事の工夫も必要です。
○白米にはじゃこを振りかけることで、代謝に必要なビタミンB1が補える。
○味噌汁にコンビニの野菜パックを入れて量を摂る。
○フルーツを簡単に摂るなら、朝食はシリアルにコンビニの冷凍果物を投入する。
こうしたちょっとした工夫で代謝がアップするほか、食べ方も意識して変えてみましょう。咀嚼(そしゃく)をしっかりすることで、消化器官が連鎖的に働いて、消化酵素がたっぷりと分泌され、DITを高めてくれます。
また、最近は朝食を食べない人も多くいますが、朝食は体温を上げる効果があります。1日の体温を高い状態で保つことができるので、体温が上がればDITも高まります。
ビタミンBの不足を避けるためには?
DITを高めるためにはタンパク質の摂取が必須ですが、それだけではありません。多くのアスリートの食事を手がけてきた管理栄養士によると「糖質や脂肪の摂り過ぎよりも、それらを代謝するための栄養素が足りていないことが問題」といいます。
栄養素は単体では機能しません。本来、糖質や脂質、タンパク質を摂取すると細胞内のミトコンドリアという部分がそれらを原料にして、体に必要なエネルギーを作ります。ここでエネルギー産生を円滑に働かせるにはビタミンやミネラルが不可欠です。これらが不足するとエネルギー産生が上手く機能せず、余った栄養素は脂肪として蓄えられやすくなります。
特に3大栄養素の代謝に関わる「ビタミンB群」の不足は避けたいところです。では、タンパク質を摂りつつ、ビタミンとミネラルを不足なく摂るには、どのような食事をすればいいのでしょうか。
その答えが「1:1:2」の法則です。
主菜(米などの炭水化物)、主菜(肉や魚のタンパク質)、副菜(野菜・海草・きのこ類)を1:1:2の割合で摂ればいいんです。細かいカロリー計算は不要で、あとは幅広い食材、調理法を取り入れればいいだけです。
まとめ
今回は、DITを高めて脂肪を燃やす方法について調べてみました。細かい理屈は抜きにしても、DITブースト食を摂ることを気を付けるだけで脂肪が消費されることは覚えておきましょう。
ただ、代謝が活発になると、色々な老化現象を引き起こす活性酸素も自然に発生するので、「スーパールイボスティー」を飲むことで活性酸素を破壊しておきたいところですね。
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