中国人に対するイメージ
日本には多くの中国人が留学や仕事で訪れており、観光でも毎年多くの観光客が訪れている。
日本人は中国人に対してどのようなイメージを持っているだろうか?
余談だが、現在の中国人観光客の現状について述べよう。
未だ収束の見えない中国のコロナの現状の中、日本は中国人の観光での入国を制限している。日本政府は中国人の観光ビザは停止していないものの、中国人が日本に来るには旅行代理店を通す必要がある。そして代理店が受け付けているのは、年収1000万円以上の富裕層に限られているという。
日本観光へのハードルは現在高くなっており、これは日本経済への影響も大きいと見られる。
以前は「中国人観光客の爆買い」が話題となった。多くの観光地や電気店、ドラッグストアで中国語の看板があったり、中国語を話せるスタッフを配置したりしていた。激安店には多くの中国人が群がり、商品をこぞって買い求める姿があった。それが再び見られるまでにはもう少し時間がかかりそうだ。
さて話を本題に戻そう。筆者は3年間中国に住んでいた。
中国に行くまでは、中国人に対して正直マイナスのイメージしかなかった。日本の多くのメディアが報道していたのはマイナスのイメージのものばかりだったからだ。
そして実際に行ってみるとイメージ通りの中国人はやはり存在していた。
文化の違いからどうしても理解できない部分もあった。だが「これは彼らが決して悪いわけではない」という結論に至ったのである。
なぜなら、中国人には日本人にはない良いところも沢山あるからだ。
そして良くない習慣はなにも中国だけに限ったことではなく、日本にももちろん存在する。
パーフェクトな国などないのである。
それから台湾に住むことになり、さらに違う観点で中国人を見ることとなった。
台湾人は中国人のことを「大陸人」と呼ぶ。そして台湾人に嫁いできた人や中国大陸からやってきた人のことを「外省人」と呼んで区別する。
日本人からすると「どうせ同じ中国大陸からやってきたのだから同じではないか」と思ってしまうが、台湾人からするとはっきり区別があるらしい。
実際、台湾に来てから感じたことは、台湾人は日本統治時代を経ていることから、非常に日本人に似ている部分があるということだ。
今回は台湾メディアにて「台湾の学生が北京に留学した時に驚いた中国人の習慣」が取り上げられていたので、いくつか抜粋して筆者の体験も踏まえて紹介しよう。(参考 : 大陸人的生活習慣)
公共の場所を個人の空間として使用する
歩いて疲れたら、どこであろうと座り込む。
公共の場所、駅やバス、電車や公園の椅子に横たわって昼寝をしたり休憩したりするのである。
確かにこれは、筆者が中国に在住していた時にもかなりの頻度で見かけた。
そして日本では喫煙について現在かなり厳しい見方がされているが、中国では歩きタバコは当たり前だ。
トイレで用を足すときも鍵を閉めない。鍵どころか扉がないトイレも多いのである。
「秩序」や「規則」がない?
記事の北京に留学した台湾の大学生によると
ʻʼ例えばエレベーターの扉がまもなく閉まってしまう時、扉の隙間が少しだとしても、5センチもあれば体をねじ込んでエレベーターに乗り込むʻʼ
そして「行列に並ぶ」「人に列を譲る」ということもないという。
筆者もスーパーでこういった場面に良く遭遇した。レジに並んでいると「1品しか買わないから、先に行かせて!」と列にわり込んでくるオバサン。
そして1人譲ると次々とやってきて、永遠に自分の番に辿りつかないのである。
結局筆者は足をしっかりと踏ん張って、自分の場所を死守する術を覚えた。
バスや電車も「降りる乗客を先に降ろしてあげてその後に乗る」という習慣はない。とにかく降りる人も乗る人も一斉に競争のように動き始める。余計乗りにくく効率が悪い気がするが、これが普通なのである。
このように秩序や規則はないが、社会はなんとなく回っている。
しかし大きな問題に発展することもさほどないのである。みんなが同じだから、それに対して反感を持つ者もいないのだ。
つまり色々言っているのは主に外から来た外国人ということになる。
観光地にて
イメージ画像 : 万里の長城に群がる観光客観光地のチケット売り場についても、注意すべきことがある。
チケット売り場の係員は毎日何万人という入場客をさばいており人が並ぶのは当たり前。一人一人のチケットをどうこうするなどしない。つまり見るからに学生でも、本人が申告しない限り一律で大人料金にされる。
払い戻してもう一度入場というなら「払い戻し不可」という説明書きを見せられて、シッシッと手で追い払われる。つまりきちんと見なかった観光客側の責任ということなのだ。
観光地のパンフレットも観光客の大群がやって来て持っていったなら、二度と補充されることはない。パンフレットのラックは永遠に空のままである。
レストランにて
レストランに入ったのは客である「あなた」だ。誰かがお願いして招き入れたのではない。
つまりお金を払うからと言って、サービスを受けられると期待してはいけない。
水やお茶が欲しい時、ウェイターに言うと「ちょっと待って」と言ったきり全然来ないこともよくある。
そしてお会計をするときは、「すぐに行く」と言ってすぐやってくる。
料理のオーダーも客の問題でウェイターの問題ではない。ウェイターが確認を怠っても、ちゃんとオーダーしなかった客の責任。
つまり全ては客の問題で「あなた次第」なのである。
交通
筆者が中国にいた時、日本人の先輩から言われたことがある。
「道を渡るときは、命懸けで行け」と。でなければ永遠に道を渡って目的地に着く事はできない。
中国の道は基本的にとてつもなく広く何車線もある。渡るときは半分ずつ渡ることとなる。
まず右から来る車がないか確認して中央線まで渡る。そこでひとまず待機する。そして左から来る車がないか確認して、ようやく向こう側に辿り着く。
車は永遠に人に道を譲らないし、人も永遠に車に道を譲らない。これが「常識」なので外国人からすると難易度が高いのである。
一つのコツとしては「中国人の大群と一緒に渡る」ことである。
歩道橋は存在するが、人が渡るためというより物を売る場所となっている。中国では少しでもスペースがあれば誰かが物を並べて売り始める。そして、それが人の迷惑になろうがなかろうが人々は群がり購入する。売り物は携帯のフィルム、果物、生活用品、焼き芋など様々だ。
このように歩道橋が使えない場合は歩道橋の下を渡ることになり、車との戦いを強いられることとなる。
物売り
画像 : 道で物を売る人物売りは、本当にどこでもいる。
筆者が良く通っていたスーパーがある。そのスーパーの駐車場には色々な物を売っている人たちがいた。
その中でも多かったのが「携帯の保護フィルム」を販売し、貼る人たちである。
その売り方が面白い。彼らはまるで小学生の写生大会のように画板を首からかけている。
その画板の上で器用にフィルムを貼るのである。
筆者は「なぜそんな不便なことをしているのか?机を置いて販売すれば良いのに」といつも思っていた。
だがある日、その謎が解けたのである。
ある日、買い物に行った時に警察が取り締まりに来ていた。するとその画板隊は一斉に走って風のように去っていったのである。
そして逃げ遅れた幾人かが捕まっていた。そこで商売をするのは違法だったのだ。
つまり机を置かずに首から画板をかけていたのは、警察から素早く逃げるための施策だったのである。
基本的に道で売っている大半のものは偽物か二束三文のものだ。
上海や北京など大都市では、格安でブランドものを売るという客引きが非常に多いが、100%偽物と考えて間違いない。
「偽物でもいいのでブランド物を持っているという気分を味わいたい」と言う人もいるかもしれないが、帰りの空港で見つかった場合、ややこしいことになるので気をつけた方がいいだろう。
今回は日本人から見て驚くような中国人の習慣について紹介した。
逆に中国人からすると日本人の習慣はどう異質に見えるのか?気になるところである。
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