つかんで、撃つ(叩く)。そのシンプルさゆえに、棍棒(こんぼう)は有史以来、人類に最も身近な武器として使われてきました。
21世紀の令和日本では、棍棒という言葉からして、あまり馴染みがありません。
※そもそも何かを攻撃する機会がないでしょうし(平和で何より)。
しかしその響きや感触に接すると、魂の奥底に眠っていた野性の魂を呼び起こしてくれる……そんな気がしないでもありません。
今回はそんな棍棒ファンに贈る、棍棒イベント「大棍棒展二〇二五 -Great KONBOU Exhibition」を紹介します。
だいこんぼうてん・にーぜろにーごー・グレート・コンボウ・エキシビション。
声に出してみると、何とも言えない太古の力?が脈打つのを感じられないでしょうか。気のせいかも知れません。
ともあれ以下「大棍棒展」、果たしてどんなイベントなのか、さっそく見ていきましょう。
見るだけじゃない!試し撃ちや購入も可能

画像:棍棒は眺めているだけじゃつまらない Public Domain
「大棍棒展」とは文字通り、棍棒の魅力にとり憑かれた者たちによる、棍棒の魅力を発信するためのイベントです。
主催は全日本棍棒協会(ZNKK/Zen-Nihon-Konbo-Kyokai)、令和7年(2025年)9月27日(土)〜10月12日(日)、大阪大阪市のアートエリアB1にて実施されるとのこと。
会場には500本超・70樹種(材質)のオリジナル棍棒がずらりと展示されます。ただ見るだけでなく、棍棒を手にとったり試し撃ちしたりも可能です。
試し撃ちブースには丸太が設置されているので、期間内で叩き折ることが出来るか、ぜひとも挑戦してみましょう。
また、棍棒の魅力にとり憑かれてしまった方のために、会場では棍棒の購入も可能です。
価格は棍棒デビューにお手ごろな3,000円〜家宝にしても良さそうな300万円まで。お財布と相談しながら、運命の出会いを果たしましょう。
体感しよう!個性的な棍棒たち

画像:棍棒には、色んな形状がある Public Domain
会場に展示される棍棒たちはすべてがオリジナル。どれ一本として、同じ棍棒は存在しません。
個性的な棍棒たちの中でも特に個性的なのが「即身棍棒」や「抗朽曝露芯材棍棒」など。
即身棍棒(そくしんこんぼう)とは文字通り?自分が棍棒の一部になれるという変わり種。
中をくり抜いた全長3m&重力600kgもの巨大棍棒の中に入り、クレーンで吊り下げてもらうようです。
また、今回デビューの抗朽曝露芯材棍棒(こうきゅうばくろしんざいこんぼう)とは、文字通り腐らず・朽ちない特殊な芯材が使われているとか。
果たして使用感にどんな違いが現れるのか、気になりますね。
今日からあなたも「棍棒の民」に!?

画像:さぁ、あなたも棍棒の民に Public Domain
会期中にはInstagram上で「第1回 木製棍棒品評会」の参加者が募集されており、受賞者には名誉と栄光、そして鉈(なた)が贈られるそうです。
山から棍棒の元材を伐り出すのに重宝することでしょう(違法伐採はダメ絶対!)。
また、ゲストとして“棍棒魁種族”棍棒ヒューマン-バババンが出現。美術家・山下雅己氏が生み出した棍棒✕人間のハイブリッド種族の約100体が、独特な世界観を演出します。
そんな目くるめく棍棒の世界に魅了されてしまった方は、何と全日本棍棒協会への当日現地&即時入会が可能です。
晴れて会員となった暁には、協会よりコードネームならぬ「棍棒ネーム」が授与されるとのこと。
今日からあなたも「棍棒の民」デビューを果たし、新しい世界の扉を開いてはいかがでしょうか。
そもそも全日本棍棒協会(ZNKK)とは?
「人生を棒に振ろう」を合言葉に、棍棒愛好を通じた里山文化の振興と、心身の健全な発達そして明るい社会を目指しています。
素朴で、野蛮で、どこか滑稽。だけどアトラクティブな魅力とエクストリームな真剣さを秘めた一本の棍棒。
棍棒の主原料となる材木を育む日本の山野森林と、そこに息づく多種多彩な生命たち。
一本の棍棒から感じられる、里山ひいては日本の豊かな風土や文化。それを愛し守り継ごうとする試みが、いま注目を集めています。
もはや世界に未知のものなど、ないのかも知れない。それでも人々は未知なる何かを探し続け、求めやまない。この手に確かなモノを掴み、生きる実感を握りしめたい。
そんな情熱を、棍棒は象徴しているのかも知れません。
自然と人間と遊びの文化を見つめ直し、野性の魂を呼び覚ますキッカケとして、一度遊びに行きたいですね!
【ZNKK・主要メンバー】
・会長:東樫(あずま かし) 1991年、大阪府富田林市出身。令和3年(2021年)から棍棒に人生を振り始める。
・主に雑用:間宮桐(まみや きり) 1990年、大阪府堺市出身。東会長の同級生。
・最終兵器:豊川蛇結茨(とよかわ じゃけついばら) 1991年、大阪府大阪市出身。怪奇文や奇声などを担当。
・デザイン:西田合歓(にしだ ねむ) 1988年、大阪府東大阪市出身。口癖は「いいよ、おれやっとく」。
イベント概要
スローガンは「まだ棍棒がある。」
それは「科学万能の21世紀に、まだ棍棒なんて野蛮なものがある」という冷笑か、あるいは「俺たちには、棍棒を振り上げ、打ち下ろす原始の意志と力が希望として残されている」のか。答えはあなたが見つけてください。
大棍棒展二〇二五 -Great KONBOU Exhibition
開催日程:令和7年(2025年)9月27日(土)~10月12日(日)
開催時間:11:00~18:00
休館日:毎週月曜日
会場:アートエリアB1
住所:大阪府大阪市北区中之島1丁目1-1 京阪電車なにわ橋駅地下1階
入場料:1,000円(高校生以下無料)
・全日本棍棒協会公式HP
・全日本棍棒協会公式Instagram
文 / 角田晶生(つのだ あきお) 校正 / 草の実堂編集部
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