イベント

ブッシュドノエル 「日本でも定番になったフランスのクリスマスケーキ」

ブッシュドノエル

ひと昔前までは、クリスマスケーキの定番と言えば、真っ白なホイップクリームにデコレーションされた苺のケーキを思い浮かべる人が多かっただろう。

しかし近年は、ショコラやモンブラン、フロマージュティラミスといった様々な味のクリスマスケーキやタルトが、数多くショーケースに並ぶ。

ブッシュドノエル

中でも、薪形の見た目が特徴的な「ブッシュドノエル」も、クリスマスケーキの定番としてよく見かける。

ブッシュドノエルは、本来フランスの定番クリスマスケーキなのだが、一体どうして薪の形をしているのか?

ブッシュドノエルについていろいろ調べてみた。

日本のクリスマスケーキ

クリスマスというのは、ご存知の通り、イエスキリストの生誕を祝うお祭りだ。

今は宗教や民族の枠を越え、世界中の人々がこのクリスマスをイベントとして楽しんでいるが、三世紀頃、ローマ教会がこの生誕祭を『12月25日』としたことが始まりであるといわれている。

ちなみに、クリスマス当日の25日より、前日の24日イブの方が盛り上がりをみせるのは、かつて人々が一日を日没から日没までとカウントしていたことによるもので、現代の感覚からすると日付がずれる形となるが、その流れのまま現在に至る。

さて。キリスト教徒たちにとって大切な日に食べるクリスマスケーキは、各国各地、多種多様であるが、ここ日本はと言えば、ひと昔前まで真っ白なホイップクリームにデコレーションされた苺のケーキが定番だった。

西洋菓子 世界のあゆみ」の中で、著者の吉田菊次郎氏はその理由を「(日本は)それ(クリスマス)に伴う文化的背景がなかったため、自分たちが口にして一番おいしいと感じたものをそれに仕立てたらそこ(苺のケーキ)に行きついた」と言っている。

しかし昨今の日本では、様々なバリエーションのクリスマスケーキがショーケースに並び、世界各国の、お国柄を表すクリスマスケーキも定番となりつつある。

その中の一つが、これから紹介するフランスのクリスマスケーキ「ブッシュドノエル」だ。

フランスのクリスマスケーキ

フランスのクリスマスケーキ「ブッシュドノエル」は、薪(丸太)の形をしたケーキであり、フランス語で「クリスマスの薪」という意味。

ノーマルなタイプは、ロールケーキの表面をバタークリームで覆い、波型の筋を付け薪に見立て、切り株を作ったり、蔦を絡ませたり、メレンゲ製のキノコを飾って仕上げる。

フランスではアントルメグラッセのブッシュドノエルも人気

アントルメグラッセとは「凍らせたデコレーションケーキ」のことで、31(サーティワン)のアイスクリームケーキを想像してほしい。

フランスのパティスリーには様々なアントルメグラッセがごく普通に並んでいて、クリスマスにブッシュドノエルグラッセを選ぶ家庭も多い。

※「アントルメグラッセの新しい世界」より

薪の形やデコレーションの由来

薪の形をしている由来は、冬至を迎えるにあたり、前の年に残しておいた薪の燃え残りで火をつけたその灰が火傷の薬になったり、火事や雷除けのおまじないになったり、というリトアニアの神話からきているそうだ。薪はいわば縁起物ということであろう。

フランスでは昔、クリスマスイブから年明けまでの間、暖炉で大きな薪一本を燃やし続けなければならないという習慣があったが、それもこの神話が由来なのかもしれない。

そして飾られるキノコについてだが、昔は種もまかないのに忽然と生えてくる不思議さが、生命の誕生、神秘の象徴として、キリストの誕生になぞらえられたのだという。
今でこそ、キノコは胞子菌から作られると知られているが、当時はさぞ神秘的だったに違いない。

さいごに

日本の「おせち料理」に一つ一つ意味があるように、キリスト教圏の各国各地のクリスマスケーキには様々な云われや由来が込められている。

美味しいクリスマスケーキを食べながら、その国の文化に触れてみるのもいいかもしれない。

 

※【クリスマスケーキ】 ブッシュ・ド・ノエル 5人分 チョコレートケーキ【12/22着】神戸スイーツ


関連記事:日本のクリスマスの歴史

好きなカテゴリーの記事の新着をメールでお届けします。下のボタンからフォローください。

momora

投稿者の記事一覧

西洋史がとても好きです。

✅ 草の実堂の記事がデジタルボイスで聴けるようになりました!(随時更新中)

Youtube で聴く
Spotify で聴く
Amazon music で聴く
Audible で聴く

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事

  1. うなぎを食べると本当に精がつくのか調べてみた 【栄養、効果】
  2. 日本ではあまり知られていないクリスマスの人気者 「エルフ、トムテ…
  3. コレステロールをやっつける!フィトステロールの底力 「見逃されて…
  4. 洋食の歴史について調べてみた「日本初の西洋料理店は?」
  5. 宮崎のご当地グルメのすごいところ!【東京の宮崎料理店】
  6. 明治・大正時代の洋菓子について調べてみた
  7. 元は取れる?ドリンクバーでの賢い飲み方
  8. コーヒー文化はどのように広がっていったのか 【コーヒーハウスは女…

カテゴリー

新着記事

おすすめ記事

戦国時代の結婚や恋愛事情とは 「愛妻家だった戦国武将たち」

はじめに戦国時代、武将たちの最優先事項は自らの領国と家を守ることだった。現代とは異なり、…

新しい漫画サイト開設しました!(パラダイムシフト☆)

明けましておめでとうございます。新井キヒロです。スポンサードリンク新年早…

織田信長が最も愛した女性 「生駒吉乃とお鍋の方」とのラブロマンス

織田信長がメインキャストとして登場する大河ドラマでは、齋藤道三の娘・濃姫が注目されがちである。…

【親友・斎藤利三の遺骸を刑場から強奪】 海北友松の生涯 〜『雲龍図』を描いた槍の達人

建仁寺方丈にある8幅の襖絵 『雲龍図』京都の代表的な花街・祇園。その北側に、日本最古の禅…

実は「源氏の嫡流」じゃなかった源頼朝。それでも訴え続けた結果…【鎌倉殿の13人】

「わりといいやつだったな。やはり源氏の嫡流ともなると、言葉に重みがあるわい……」※NHK大河ドラ…

アーカイブ

人気記事(日間)

人気記事(月間)

人気記事(全期間)

PAGE TOP