ミリタリー

ローデシアについて調べてみた【傭兵たちの亡国】

世界最古の職業ともいわれる傭兵

その傭兵たちが現代においても活躍した時代があった。彼らは、金のために雇われてはいたが、ある国においては、自らの信念のために戦ったのである。

それが、1979年に終焉を迎えたアフリカ南部の国「ローデシア」だった。

ローデシア の成立


【※ローデシアの位置】

オランダ東インド会社が現在の南アフリカに設立した「ケープ植民地」は、同地において最初の欧州植民地として計画していた。

アフリカ最南端で有名な喜望峰を含むケープタウン一帯を開拓し、1795年にはイギリス領となる。

このとき、アフリカ南部に移住したオランダ系の白人を中心に、フランス、ドイツなどの宗教的自由をもとめて入植してきた「ボーア人」による国家であるトランスヴァール、オレンジ自由国への圧力を高めるために、イギリス南アフリカ会社を設立した。1889年のことだ。

イギリスは、農業を主体とした移植を南ローデシア(現・ジンバブエ)で展開し、1923年「南ローデシア自治政府を樹立、翌年には北ローデシア(現・ザンビア)を統合してローデシアはイギリスの直轄地となった。そして、1923年には北ローデシアで銅鉱山が発見され、国家として開発が進むようになる。

さらには1953年、ニヤサランド(現・マラウイ)を含めた「ローデシア・ニヤサランド連邦」が成立するも、アパルトヘイト政策への黒人側の不満により翌年には北ローデシアはザンビアとして独立した。

イギリスからの独立

ローデシア
【※ローデシアの国旗】

アフリカにおいて白人による黒人差別、そして、白人の支配からの独立を求める戦いが1960年代~70年代にはあちこちで起きている。

これは、ソ連や中国による軍事供与や指導により現地人ゲリラに力を与え、社会主義国家樹立を目論んだものであった。アジアにおいても、フランス植民地だったベトナムを独立させるために、インドシナ戦争とベトナム戦争が起こり、勝利したベトナムが社会主義国となっている。

そして、その国際的な濁流はローデシアにも流れ込む。

1961年、ソ連が支援するZAPU(ジンバブエ・アフリカ人民同盟)が支配階級の白人に対して抵抗を始め、63年には中国の支援するZANU(ジンバブエ・アフリカ同盟)が結成され、ゲリラ戦を開始した。

イギリスはローデシアに対して、黒人の人権保証政策を南ローデシアに求めたが、これを拒否したローデシアの白人政権は1965年11月11日に独立を宣言する。

国際的な批難を浴び、国内ではゲリラ戦を展開しつつ共和制「ローデシア」が誕生した。

傭兵募集


【※ローデシア軍の軽歩兵部隊の兵士。その手には英軍制式採用のライフルと同じFN FALがある】

しかし、国内では黒人とのゲリラ戦が激しくなり、白人政府側もこれを鎮圧するために傭兵を雇い入れることになる。白人政権といっても国民の割合では黒人が多数を占め、軍事力では不利な状況にあったからだ。

この時代は第二次世界大戦後から世界各地で植民地独立運動や、内戦などが続き、ゲリラ戦に精通した白人兵士が多く存在していた。もっとも、国際社会においては傭兵を公然と募集することは許されていない。戦争時の捕虜の取り扱いを取り決めたジュネーヴ条約も適応されないため、捕虜となったら殺害されても文句の言えない仕事でもあった。その代わり、報酬と待遇は良い。

ローデシアを始め、コンゴや南アフリカなど、アフリカには豊富な鉱物資源があり、そうした資金をもとに好待遇で傭兵を募集した。

例えば、アメリカの軍事専門誌「Soldier of Fortune」の広告には「ローデシア軍の傭兵募集ポスターのレプリカ、1枚13ドル」とだけ謳い、分かるものだけが志願してくるという仕組みもあった。また、すでにアフリカで実戦経験のある兵士だけではなく、ヨーロッパ各地でエージェントがスカウトをするなどして、白人傭兵は数を増したのである。

圧倒的な殺傷率

【※ローデシア軍が使用したベルギー製のFN FAL】

こうした手段で腕利きの傭兵を集め、さらにローデシアでは非常に苦しい訓練を受けて、ローデシア軍は世界でも有数の精鋭揃いとなった。

その背景にはイギリス軍やフランス外人部隊など、正規軍の訓練を受けた兵士が多く在籍したこともあり、効果的な訓練を行えた事もある。装備や戦力ではローデシア軍が劣っていたが、終始ゲリラにたいして8倍もの殺傷率を有し、特殊部隊に至っては最高50倍もの殺傷率を記録している。

また、ゲリラ部隊が実戦において人を殺すことに慣れていないこともあり、威嚇射撃などで逆に居場所を知らせてしまうような有様だった。実際、ローデシア軍は突撃することで生き延びるパターンも多い。ゲリラ部隊が主に使用していたAK-47ライフルは、連射で撃つと反動の強さから2発目以降が上を向いてしまい、背を低くして突撃してくる相手に当てるのは困難である。

一方、ローデシア軍の使うFN FALやG3といった西側のライフルも反動の強い7.62mm弾を使用していたが、実戦慣れした兵士は弾数よりも単発で撃つほうが命中率が良いことを体で覚えていたので、局地的な戦いはローデシアが有利だった。

傭兵たちの落日


【※イギリス領時代のローデシアSAS】

ローデシア軍は傭兵を中心とした部隊ながらも、正規軍に位置付けられ、陸軍には特殊部隊も存在していた。

それが「ローデシアSAS(Rhodesian Special Air Service)」である。SASはもともとイギリス陸軍の特殊部隊の名称だが、イギリス領時代に設立された同部隊は、本国のSAS 第22連隊C中隊の派生部隊として活動した。そのため、現在でも同中隊はイギリスSASでも欠番となっている。

世界最強の特殊部隊として名高いSASのDNAを受け継いだローデシアSASも、戦闘だけでなく、暗殺、誘拐、破壊工作など多岐にわたる任務を行った。しかし、戦闘そのものは優位にあったローデシア軍だったが、兵員不足に悩まされ、さらには内戦による経済の悪化、アメリカの調停などにより、ゲリラに対する態度を軟化せざるを得なくなる。

徐々に黒人の力が強まり、1979年に国名をジンバブエ・ローデシアに改称。翌80年にはジンバブエ共和国として独立を果たす。

傭兵傭兵たちが主役として活躍した国は、すでに亡くなっていた。

最後に

ワイルド・ギース」という1978年のイギリス映画がある。

実在した伝説の傭兵「マイク・ホアー」をモデルとした隊長が、金のために部下の傭兵たちと共にアフリカ某国に潜入するというストーリーだ。そのフィクションながら、かなりリアルで現在でも傭兵映画の傑作として知られている。そこには、アフリカにおける傭兵たちの姿が垣間見れるだろう。

また、Amazonでは、電動ガンやエアーガンの「FN FAL」、「AK-47」なども販売されている。コレクションに加えて思いを馳せるのもいいだろう(すべて18歳以上専用)。

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電動ガン「FAL L1A1」

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