電車の振替輸送とは?
(出展URL http://www.ashinari.com/2012/08/28-368223.php )
通勤や通学、旅行の際に鉄道を利用する人も多いだろう。しかし鉄道を利用する場合、事故や車両の故障などで電車がストップしてしまうことがある。とくに首都圏などの大都市圏では鉄道が止まってしまった場合、どのように目的地まで移動すればよいか困ることもあるだろう。
そんな時に利用できるのが、振替輸送である。
「振替輸送」とは、不通になった鉄道区間を代替する路線を使うことで目的地まで移動できる制度である。切符や定期券の区間内に不通区間を含み、かつ振替乗車可能な定められた区間内であれば、どの鉄道会社を使っても追加料金を徴収されることはない。多少の時間はかかっても目的地まで到達することは可能となる。
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振替輸送 の方法
(出展URL http://www.ashinari.com/2012/09/20-370177.php )
ある路線で不通区間が生じた場合、復旧までに相当時間がかかると判断されれば「振り替え輸送を実施する」との放送が入る。この時、振替輸送を利用した方が目的地に早くたどり着けると思われる場合は、振替輸送の手続きをとることになる。
手続きはとても簡単で、駅の窓口か改札に行き「振替乗車票」をもらうのみだ。振替時の迂回ルートが分からない場合は、駅の係員に聞けば最短ルートを教えてもらうこともできる。振替乗車票は、振替乗車を終了する駅で係員のいる有人改札で渡す。
不通区間とは
振替輸送を利用する前提となる不通区間というのは、どのように定められるのだろうか。電車の運転が不能になる原因が起こる場所は、主に駅間であることが多い。しかし、不通区間はそれより長い距離になる場合もある。また、一時的にではあるが、全線で運転をストップする場合もある。
たとえば、A、B、C、Dの4つの駅があったと仮定する。B駅とC駅の間で何らかの原因で、電車の運転ができなくなったとする。この場合、不通区間はB駅とC駅の間のみになるのだろうか。結論からいえばそうとは限らない。不通区間以外で運転を再開する場合、不通区間の末端となる駅は極一部の例外を除き、必ず折り返し運転が可能でなければならないからだ。
この例でいえば、B駅とC駅が折り返し可能である場合、不通区間はB駅とC駅の間のみになる。つまりA駅からB駅までの区間の乗車券を持ってる場合、振替輸送の対象とならないケースもありうる。ただし、首都圏など混雑の激しい区間では旅客の安全を図るため不通区間となっていなくても振替乗車を認める場合もある。
一方、B駅とC駅に折り返し設備がなく、A駅とD駅に折り返し設備がある場合、不通区間は長くなり、A駅からD駅までとなる。A駅からB駅までは、運転自体には支障はないものの折り返しの関係で電車を走らせることができないため、不通区間内とされてしまう。したがって、A駅からB駅までの有効な乗車券を持っていれば、振替乗車を利用することが可能になる。
この取り決めは、あくまで原則論なので、詳しい状況などにより鉄道会社によってケースバイケースとなる。不通区間が生じた際には、駅の放送などに注意するといだろう。
振り替え輸送の注意点
①切符と回数券
切符と回数券での振替輸送の取り扱いだが、券面に不通区間が含まれる場合は係員に乗車券を見せたうえで、振替乗車票を受け取ることができる。振替乗車区間内の他社線を利用する際には、駅係員のいる有人改札で振替乗車票を提示して入場する。
また切符の場合は、振替乗車を利用せず出発地まで戻り、旅行を中止することもできる。この場合は、乗車券を手数料なしで払い戻してもらうことができる。
②定期券(IC定期券含む)
定期券の場合も、振替輸送を受ける場合は切符と同様の方法で振替乗車票を受け取ることで、振替乗車を受けることができる。
③ICカード
ICカード利の場合、入場時の行き先が明示されていないため振替輸送は原則的に受けることができない。そのため、他社線を迂回して目的地まで利用した場合、その分の運賃は実費で払う必要がある。
関東と関西の取り扱いの違い
関東と関西では、一部振替輸送の取り扱いが違う場合がある。関東の場合、ICカードでの振替輸送は認められていないが、関西では一部の私鉄では認めているところもある。この場合、運行不能となる前にICカードで入場していれば、振替乗車票を受け取って、振替乗車を受けることができる。
一方、関西では電車が運行不能となった後に購入した乗車券では振替乗車は受けることができない。普通乗車券でも振替乗車の対象とならないので注意が必要である。ただし、購入済みの回数券や定期券の場合は、入場前でも振替乗車を受けることができる。
関東では、運行不能となった後でも乗車券を購入すれば振替乗車を受けることができる。ICカードを利用している場合、一旦下車をして下車駅から目的地まで有効な乗車券を購入すれば振替乗車を受けることができる。この場合、出発駅まで戻ることが可能であれば無賃送還を受けることもでき、出発駅で改めて目的地までの切符を購入して振替乗車を受けることもできる。
この点は、振替乗車を受ける際に大きな違いとなるので、充分に注意する必要がある。
まとめ
(出展URL http://www.ashinari.com/2016/11/16-394467.php )
振替輸送は、鉄道に支障が生じた際の代替輸送として非常に役立つシステムである。取り扱いには、鉄道会社によって異なるので、よく使う鉄道会社の「振替輸送」をチェックしておくとよいだろう。
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