乗り物

新幹線とその経済効果について調べてみた

新幹線 による交通網の発展

新幹線

(出展URL http://www.ashinari.com/2013/12/03-384105.php )
日本が戦後、高度経済成長を成し遂げた要因のひとつに数えられているのが高速鉄道の建設であった。1964年10月、東海道新幹線が開通すると、東京と名古屋、新大阪間をそれぞれ、2時間半と4時間で結び、以前であれば半日以上かかっていた大都市間を短時間での移動が可能となった。

この東海道新幹線を皮切りに、1972年3月には山陽新幹線、1982年6月に東北新幹線、同年の11月には上越新幹線が開業し、大都市間を速達性をもって移動できる範囲は拡大していった。近年では、九州新幹線や北海道新幹線も開業し、将来的には北は札幌から南は鹿児島まで、新幹線でつながる予定となっている。

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経済効果の試算

(出展URL http://www.ashinari.com/2009/02/08-013588.php )
開業当時の東海道新幹線でも、その速度は時速にして200㎞であり、在来線特急の倍以上の速度を出すことができた。そのためビジネス客にとっては、仕事の効率が非常に大きくなり経済効果を大幅に押し上げたとされる。実際に当時の賃金から試算された経済効果は、年間2500億円にも達していたといわれている。

新幹線網の発展により、経済効果が隅々まで渡ることが考えられる。たとえば北陸新幹線が部分開業した長野新幹線では、10年で1300億円ものGDP押し上げが試算されている。さらに、2015年3月に北陸新幹線が金沢まで開業した際には、石川県の経済効果だけで678億円にも達し、新幹線を利用した観光客数が予想を上回っていたことが分かった。

これらの経済効果の試算により、地方自治体では地域経済の活性化のもと新幹線の誘致も盛んにおこなわれている。最近では、北陸新幹線の金沢から関西方面への乗り入れルートで誘致合戦が行われていたことも記憶に新しい。

 

新幹線の経済効果

①時間短縮による効果

大都市圏間を行きかう場合には、時間短縮による経済的効果が大きい。移動時間が短縮されれば仕事や作業の効率が上がり、それによって経済効果も上昇する。

現在では、新幹線は東京~新大阪間を2時間半で結んでおり、時間短縮による経済効果は新幹線開業時に比べさらに大きくなっていると予測されている。たとえば、東京の会社に勤めている人が、翌日大阪で朝10時の会議に出席するとしよう。

新幹線開業前は、夕方には仕事を打ち切って宿泊の準備を行い、夜行列車に乗って翌朝大阪に到着。会議終了後、午後から特急列車で半日以上かけて夜東京に到着というのが一般的だった。

しかし、新幹線の開業で前日資料作りなどで時間がかかったとしても、翌日早朝の新幹線で新大阪に10時前には到着でき、会議終了後も復路の新幹線で夕方前には東京に戻ることができ、会議の報告などもその日のうちに行うことが可能になった。

このように新幹線の開業による速達性はビジネスのスタイルを変え、それに伴って経済効果も著しいものとなっている。

 

②新幹線沿線の経済効果

新幹線の沿線では、駅を中心として新たな街が形成されることも多い。これにより、地方の経済が活性化し地方創生の足掛かりになるのでは、といわれている。実際に新幹線で東京や大阪などの大都市と直結すれば、地方でのビジネスの機会が拡がり、工場や事業所の誘致なども活発に行われる。また、工場や事業所が実際に立地すれば、従業員のための宅地開発も進み、商業施設なども賑わいをみせることになる。

また、新幹線の沿線に有名な観光施設があれば、その場所を訪れる人も多くなり観光資源を中心とした経済効果が見込まれる。

 

③新幹線建設に伴う事業による効果

新幹線の建設事業を行う際には、それに伴う大規模な物資や労働力を必要とする。一般に、新幹線の建設は公共事業として行われ、労働需要を増加させ経済の発展につながるものとなる。戦前のアメリカでも、不況の際にニューディール政策を実施して乗り切ったように、特に景気が悪化している際には大きな効果となる。

また、これらの労働者は地方での労働となるため、建設地の周辺では商業施設などに労働者やその家族なども訪れ、地方経済の活性化に一役買っている。

 

④環境や資源に対する効果

新幹線は多くの旅客を一度に輸送することができる特徴を持つ。これにより、マイカーの利用者が遠距離の移動に新幹線を利用することが考えられる。マイカーを利用すれば化石燃料を消費し、温室効果ガスの放出のように地球環境に大きな影響を与えてしまう。環境悪化は経済面においても、浄化や原状回復にかかる費用などの損失が大きい。また、ガソリンの元となる原油の燃料も上昇傾向にあるので、燃料費分の出費も損失となりうる。

新幹線を利用することは、移動の時間短縮だけでなく、マイカー利用が減ることによる環境面での経済損失を減らす効果もある。また、原油価格に対するコストも下げることができ、総じて経済効果にも好影響を与えることになる。

 

まとめ

(出展URL http://www.ashinari.com/2009/01/26-012997.php )
新幹線は、その速達性だけでなく地方の経済循環、建設事業そのものの効果、環境やエネルギー問題への利点などから、経済効果が高いインフラといわれている。まだまだ不況が叫ばれる日本経済だが、新たな新幹線によって経済の持ち直しが図れる可能性はありそうだ。

 

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