部屋に溢れるインテリアや洋服には、人々の生活を彩る力がある。そこには人の気持ちを癒したり、楽しませる様々な「色」が存在しているからだ。
そんな視覚から入る色の情報が重要視される場面では、色に関する知識を習得した「カラーコーディネーター」の活躍が目立つ。
私たちが何気なく利用しているデパートやカフェにおいても「カラーコーディネーター」の鋭い感性が活かされており、選び抜かれた配色によって空間の心地よさが演出されている。
目次
色の知識を深める『カラーコーディネーター検定』と『色彩検定』とは!?
「カラーコーディネーター」という職業には専門的な資格取得は必要ない。しかし相手への信頼と自身の経験値を伸ばしたい「カラーコーディネーター」は、活躍できる場を広げるために資格取得に邁進する人も多い。
「カラーコーディネーター」としてのキャリアアップに繋がる資格として代表的なものが、『カラーコーディネーター検定』と『色彩検定』である。
『カラーコーディネーター検定』と『色彩検定』の大きな違いは、対応できる仕事の種類が限られる点だ。アパレルやウェブデザイン、インテリア業界に精通する知識をベースとする上で、環境や商品開発に特化した配色能力に重点を当てているのが『カラーコーディネーター検定』。
反対にファッションのスタイリングや、プレゼン資料のデザイン作成といった配色の基本ベースを抑えているのが『色彩検定』となっている。
実際にこれらの資格を取得した人々は、色の感受性を表現できるアパレル・美容業界でその実力を発揮している傾向が高い。
《参考文献》
・東京商工会議所 カラーコーディネーター検定試験
https://kentei.tokyo-cci.or.jp/color/・色彩検定 文部科学省後援
https://www.aft.or.jp
「カラーコーディネーター」の活躍が光るアパレル業界と、感化される人々
「カラーコーディネーター」の知識を身近で活かせる場所として人気なのが、『アパレルのコーディネート提案』である。
顧客の好きな色に合わせて瞬時にコーディネートを提案し、色の与える印象や影響力について解説できる能力は、マニュアルにはない生きた接客対応だ。
顧客から最も多く寄せられるコーディネートの相談において、トレンドやデザイン性を主軸とした洋服の提案も決して間違いではない。ただ「なぜ自分にこのデザインや色が似合うと思うのか」といった明確な理由がないと、納得のいく説明として顧客が受け取ってくれないケースもある。
そんな時に応用できるのが、色が織りなすイメージや配色バランスの比較という色の専門知識だ。昨今、注目を浴びている『パーソナルカラー診断』がその例である。
自分自身の肌・瞳・髪・唇の色で似合う色が診断できる『パーソナルカラー』つまり、自分に適した色を知ることで周囲に好印象を与えられる効果が期待できるというものである。
個人的に診断を受ける人も急増しており、ファッション・コスメ選びに活かせるメリットとして人気を博している。
今やトレンド・デザイン性をファッションに求めるより、自分自身が身に着けることで洋服の良さが引き立つことを重視する時代となっている。
私たちが相手の性格や年齢をイメージする際、洋服や髪の色を情報源としているように、色は人間にとって心理的な影響を与える大きな存在といえるだろう。
色がこれほどまでに人間に影響を与えているのは、視覚から入る色の情報が人間の脳から神経、ホルモン系の機能にまで直接伝わるためだ。また神経は人の精神状態にも通じていることから、色は心理的な健康を支える役割を担うとまでいわれている。
『赤は暖かい暖色系』『青は涼しい寒色系』といった色が編み出す感覚を連想できる能力も、色と感情を交えて記憶する経験を積み重ねている人間の特性からくるものではないだろうか。
心理的効果と色の力を繋ぎ合わせる「カラーコーディネーター」という職業
色のバランスを提案する職業として知られている「カラーコーディネーター」。
その完璧な配色提案を完成させるためには、人々の心理的効果へのこだわりを追求し続ける意志が重要となる。
色の特性と人間の心理状態を掛け合わせたバランス構成と演出こそが、「カラーコーディネーター」を必要とするいちばんの理由だからだ。
カフェやオフィスといった滞在時間の長い空間には、『癒し・快適さ』という個人一人一人の心理的効果を実現させ、フォーマルな服装を希望するなら『優しさ・清潔感』を漂わせる雰囲気を色に反映させていかなければならない。
たった一色だとしても、人の幸せや喜びを実感できる瞬間を表現する義務が「カラーコーディネーター」にはある。
常に人の感情と色の結びつきを意識した表現力で挑む必要性が問われてくるのが、「カラーコーディネーター」という職業の特徴なのだ。
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