(出典「Ancient Civilizations」http://bit.ly/1qqBdqd)
人類が地球で文明を起こしてから、どれくらい経つだろう。
西暦がはじまる以前にも文明は存在していたが、とても未熟なものであったと推測されている。
ところが、西暦以前の文明が今より高度な技術をもっていたとしたら信じられるだろうか。
「超古代文明」と呼ばれるもので、現代よりも高度な科学技術で、私たちが住んでいる地球にある物質はもちろん、それ以上のものが存在しているといわれている。
その代表的な例が「アトランティス大陸」である。
誰もが一度はその名前を耳にしたことがあるはずだが、実際どのようなものであったかは、知らない人が多いのではないだろうか。
アトランティス大陸とは
アトランティス大陸(以下アトランティス)とは、古代(西暦以前)に存在した高度な文明を持った大陸である。
ムー大陸やレムリア大陸などと並び、超古代文明の代表的な存在だ。
アトランティスは、首都アクアポリスを中心として輪の形をした運河を中心とした港湾都市のような様相をしていて、アフリカ大陸とアジア大陸を合わせた大きさがあったという。
運河は巨大船も通れるほどだったそう。そのため巨大な軍事力を有していた。
10の国家で形成された非常によく組織化された王国だったのだ。
アトランティスには、電気や水道、パソコン、電話といった現代社会で使われているインフラも当たり前のように存在していたばかりでなく、現代の科学技術をもってしても実現できない物も多かったという。
アトランティスの代名詞ともいえる「オリハルコン」という超金属が存在し、車や飛行機、軍事用としての乗り物や武器にも活用されていた。
住人も高度な知能を持ち、10の国の王に組織されたアトランティスでは5年に一度、首都アクアポリスに建設されたポセイドン宮殿にて総会が開かれるなど、組織化された政治が行われていた。
ポセイドン宮殿は、金や銀、オリハルコンで作られていたという。
一般生活も、温泉や屋外運動場など現代のレジャー施設と比較してもなんら問題のないほどの充実ぶりで、とても恵まれていたという。
軍事力も徹底されており、たくさんの兵士と近未来的な軍備がなされていた。
兵士の居住区も組織的に組み立てられており、いかなる事態にも対応できるようになっていたという。
そして、最終的には世界の3分の1を支配するほどにまで勢力を広げていったのだ。
アトランティス大陸 はなぜ消滅したのか
ここまで隆盛を誇ったアトランティスは、なぜ滅んでしまったのだろうか。
その理由には諸説あり、今となっては確実なものは存在していない。
よく耳にするのが「ゼウスの怒りに触れた」ことを原因とする、ふたつの説だ。
ひとつは前述したように、軍事力が巨大になりすぎて世界を完全に支配しようと目論んだことで神の怒りに触れたという説。
もうひとつは、アトランティスの人々はもともとアトラス王という由緒ある神の血統であったのだが、地上の「人間」とのつき合いにより、もとの血統が薄れてしまったために、神の怒りを買ったという説だ。
ほかにも「地震、津波がアトランティスを襲った」という説や、「大洪水で沈んだ」という説もある。
「小惑星アドニスが衝突した際に起きた天変地異によって沈んだ」という説も。
著名な霊能学者エドガーケイシーは霊視によって「三度の地震と津波などの天変地異によって沈んだ」と霊視している。
滅亡の説についてはいろいろあるものの、共通しているのは「巨大な国が一瞬であっけなく跡形もなく地上から姿を消してしまった」というものだ。
アトランティス大陸 が注目されたのは、なぜか
通常であれば神話や作り話として片づけられるのが普通だが、アトランティスが注目されるのは、ある理由があった。
古代ギリシアで大きな影響力をもった有名な哲学者プラトンが著書に、アトランティスについて記述したことで「真実である」と話題になったのだ。
著書のタイトルは『ティマイオス』と『クリティアス』。
このなかに「大陸ほどの大きさと権力を持った国があり、ゼウスの怒りで海に沈められた」という記述があるのだ。
さらに、アメリカの政治学者ドネリーがアトランティスのことを記した本を発表したことで、人々の興味をさらにひくことに拍車をかけた。
それに呼応するように、さまざまな分野の専門家たちによってアトランティス大陸が存在していた場所の特定も進んでいった。
1900年代には多くの発見と推論が発表され、有名なところでは地中海説(サントリーニ諸島)や大西洋説、またその逆の太平洋説、黒海説などがあり、最新ではブラジルの海底説などがある。
しかし、その説のどれもに決定打がなく、年代的なズレや記述と地形的なズレがあり、今もって“謎の大陸”のままなのである。
最後に
超古代文明といえばトンデモ歴史の代表で真実味がないというのが定説だが、アトランティスがここまで騒がれるのは、ひとえにプラトンの功績だろう。
信頼できる学者の歴史的な書物に登場したことで一気に注目を浴びたのだ。
「信頼できるから事実だ」という観点があったのである。
正史では抹殺されていて嘲笑の対象になっているが、ドイツの考古学者、ハインリヒ・シュリーマンがギリシャ神話に登場する伝説の都市トロイアやトロイア戦争の遺跡発掘をしたことにより「神話は作り話だけではない」ということが広く認識されている。
しかし、アトランティスは“幻の大陸”のまま。
さまざまな考察が発表されては否定されるという繰り返しだが、「古代には現代よりも高度な文明があったにもかかわらず、跡形もなく一瞬で消滅した」というロマンが人々を魅了する。
いつかその全貌があきらかになる日が来るのが楽しみである。
『ティマイオス/クリティアス』プラトン(著)
『アトランティスへの旅 -失われた大陸を求めて-』マーク・アダムス (著)
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