人物

コナン・ドイル ~晩年は心霊主義に傾倒した名探偵の生みの親

シャーロック・ホームズの生みの親

コナン・ドイル

皆さんは「名探偵」と言えばどなたを思い浮かべられますか。明智小五郎、金田一耕助など日本にも「名探偵」と呼ばれる人物は多数挙げられるかと思います。
但しここで世界的に有名なという前提が加われば、多くの方がシャーロック・ホームズを思い浮かべられるのではないかと思います。このシャーロック・ホームズを生んだ作家が、アーサー・コナン・ドイル です。

ドイルはこのホームズを主人公とした推理小説でその名を後世に残した人物ですが、作家は元々は本業ではなくあくまで副業で始めたものでした。

医師から作家へ

ドイルは1859年にイギリスのスコットランドに生まれました。

日本であればちょうど幕末期にあたります。幼少の頃から学問に秀でていたドイルは医学の道に進み、1881年には医師となって開業しました。

しかし開業医としてはそこまで多くの患者を集めるには至らなかったようで、この時間を利用して小説の執筆を始めたとされています。

1884年に記念すべきシャーロック・ホームズの第一作を発表し、その後は歴史小説を著して徐々に文筆業が本業となっていき、1891年に専業作家となりました。同年にシャーロック・ホームズの短編を雑誌に連載したところ、これが大当たりとなり当代きっての人気作家の座を得ました。

シャーロック・ホームズの存在

コナン・ドイル

※シドニー・パジェットが描いた名探偵シャーロック・ホームズ

しかし大ヒットから僅か2年後の1893年には、ドイルは早くもシャーロック・ホームズを死亡させる作品を発表しました。

これは歴史小説化として名声を得たいと考えたドイルが、自ら生んだシャーロック・ホームズを卒業しようとする試みでした。

しかし以前人気を博したシャーロック・ホームズを望む声は大きく、1901年には再びシャーロック・ホームズを主人公とした作品を上梓することになりました。この作品は先のシャーロック・ホームズの死亡の前の物語という設定で書かれていましたが、1903年にはやはりシャーロック・ホームズは生きていたという設定で、再び短編の連載が行われることになりました。

このあたり一度大ヒットすると続編が作られずにはおかれないという今でも頻繁に目にする手法が、今から100年以上も前から行われていたと考えると感慨深いものがあります。

コナン・ドイルの政治的立場

コナン・ドイル

※第二次ボーア戦争

ドイルはその間の1900年のボーア戦争や、1914年の第一次世界大戦においてもイギリス政府の方針を擁護することに力を注いでいます。

殊にボーア戦争では自ら志願して軍医として従軍しました。

第一次世界大戦時には積極的にイギリスの戦争遂行に強力する立場を取り、戦意高揚のための執筆や講演を精力的に行うなど、政治的な立場も明確にしていました。

しかし第一次世界大戦を経てドイルが向ったのは、近親者の戦死などに伴う心霊主義への傾倒でした。

ドイルと心霊主義

コナン・ドイル

※コナン・ドイルの心霊写真

ドイルは1918年に心霊主義の著作を著して、先の第一次世界大戦このかた亡くなった親族に思いを馳せるうちに、死後の世界の存在を信じるようになったと言われています。

元々医師であった近代科学畑の出身であったドイルが、晩年には心霊主義・精神世界を説くようになったということも現代に通じる一面を感じさせます。

但しドイルは当初から心霊主義を信じたわけではありませんでした。当時イギリスでも大流行した交霊会に参加したことで、自身しか知り得ない情報を言い当てられたことで信じるようになったとされています。

ドイルを擁護するならば、現代の目から見て非科学的な心霊主義も、当時は名だたる科学者の中にも大勢の信奉者が存在したほど、まだ科学的に未熟な時代だったと言えました。

関連記事:
第一次世界大戦後のヨーロッパ諸国について調べてみた

アバター

swm459

投稿者の記事一覧

学生時代まではモデルガン蒐集に勤しんでいた、元ガンマニアです。
社会人になって「信長の野望」に嵌まり、すっかり戦国時代好きに。
野球はヤクルトを応援し、判官贔屓?を自称しています。

オススメ記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事

  1. トランプ大統領が”Q”である可能性に関して考察
  2. 【フリーメイソンの絆】自由の女神について調べてみた
  3. ダライ・ラマ14世の活動【チベットから世界へ】
  4. 「共産主義あるある」ネタで有名なエレバン放送のQ&Aコー…
  5. 日本初の「歌う女優&美容整形女優」松井須磨子
  6. 永世中立国の意外な側面・第二次世界大戦とスイス
  7. エンスラポイド作戦【ナチス親衛隊No.2暗殺作戦】
  8. 平壌を走るボルボ「北朝鮮問題にスウェーデンが絡む理由」


新着記事

おすすめ記事

全国各地の「お雑煮スタイル」について調べてみた

1.お雑煮についておもに、お正月に食べる日本料理ですが、そのスタイルは地域や家庭によってさまざ…

坂下門外の変【厳重な警戒の中で失敗した水戸藩士らの襲撃テロ】

桜田門外の変の二番煎じ「坂下門外の変」(さかしたもんがいのへん)は江戸城の坂下門外におい…

「石畳通り」に美容院 重伝建の高岡・金屋町

高岡市の金屋町重伝建地区(重要伝統的建造物群保存地区)で10日、空き家を活用した美容院がプレオープン…

衝撃の寺、ウサギの島、軍艦島… 広島、ポテンシャル高すぎ!瀬戸内の知られざる魅力に触れる旅

広島の<まだ見ぬ絶景>や<美味しいグルメ>、<知られざる伝統・文化>などを「ミタイケン(未体験)」と…

3万年前の航海を徹底再現!旧石器時代について調べてみた

「旧石器時代」それは、日本列島に最初に人類が住んだとされる約4万年前から、縄文時代が始まる約12…

アーカイブ

PAGE TOP