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実は行われていた日本による アメリカ本土攻撃

日本によるアメリカ本土攻撃

アメリカ本土攻撃

※日本軍機によるアメリカのオレゴン州空襲を伝える朝日新聞の記事(1942年9月17日付)

太平洋戦争において主導権を得ようとした日本が、航空母艦艦載機による大規模な奇襲作戦・ハワイの真珠湾攻撃を成功させた事はよく知られていると思います。

この作戦の指揮を執った連合艦隊司令長官の山本五十六が、長期戦となれば日本に勝算はないと考えたことから、一気にアメリカの太平洋艦隊の壊滅を企図した作戦でした。

アメリカは日本本土を攻撃出来るが日本はそれは出来ないと、まあほぼ常識的に言われていますが実は日本軍はアメリカ本土への攻撃を敢行していました

そこまで大規模な軍事行動ではなく、あくまで示威行動と言えるものですがこの事実はあまり知られていないように思います。

「伊-17」号の砲撃

最初にアメリカ本土を攻撃したのは日本海軍の潜水艦「伊-17」号でした。この攻撃は真珠湾攻撃から3ケ月後の1942年(昭和17年)2月24日に行われました。
アメリカ西海岸のサンタバーバラ沖に姿を現した「伊-17」号は、沿岸部の石油の製油施設を目標として砲撃を加えました。

※巡潜乙型潜水艦

実はこれに先立つ真珠湾攻撃直後の1941年(昭和16年)12月20には、潜水艦9隻がアメリカ西海岸へと向かっており、カリフォルニア沖でアメリカのタンカーなどに対し攻撃を行っており「伊-17」号もこれに参加したうちの一隻でした。

「伊-25」号の砲撃

「伊-17」号が行った砲撃はその直接的な効果よりも、アメリカ本土が日本からの攻撃を受けたという衝撃をアメリカ国民に与え、日本が意図した通りの心理的な効果を挙げました。

アメリカ政府内でも日本軍によるアメリカ本土への空襲や、上陸作戦すら行われる恐れがあると考えられたとも伝えられています。

さらに続く同年6月21日には、「伊-25」号が西海岸のオレゴン州アストリア市のフォート・スティーブンス陸軍基地への砲撃を実施しました。

アメリカ本土への空襲

アメリカも1942年(昭和17年)4月18日に、日本本土への初空襲となるドーリットル空襲を実行しました。このため日本も航空機によるアメリカ本土への攻撃を計画しました。
この攻撃も「伊-25」号を用いたもので、搭載した水上偵察機1機を発進させて、同年9月9日の早朝にブルッキングス付近の森林に焼夷弾を2発投下しました。

この攻撃は山火事の誘発を狙ったものでしたが、火災には至りませんでした。更に同月29日には二回目のアメリカ本土爆撃が行われました。

※オレゴン州の森林部

このときも初回と同しく水上偵察機を発進させ、オレゴン州オーフォード近郊の森林へと焼夷弾を投下しましたが、ここでも大きな火災には至りませんでした。

しかし史上初の本土空襲を被ったアメリカ側の衝撃は大きく、西海岸ではシェルターなどを造る対策が行われました。

アメリカ本土が戦争において他国に攻撃されたのは歴史上初めてで、それ以降現在でも行われていないので(※9.11はテロ)最初で最後となります。

※サンフランシスコ市内に張り出されたシェルターへの避難案内と日系アメリカ人に対する強制退去命令

ソ連潜水艦を撃沈

こうして行われた潜水艦によるアメリカ本土攻撃でしたが、連合国による対潜哨戒の強化や、日本側が拡大した戦線への対応に追われたことなどから、以後実効的な成果の薄い本作戦が実行されることは無くなりました。

アメリカへ本土への史上初の空襲を行った「伊-25」号ですが、以後も太平洋でアメリカ艦船への攻撃を続け、1942年(昭和17年)10月11日にオレゴン州西方で敵潜水艦と遭遇しました。

魚雷による攻撃でこの敵潜水艦を撃沈したのですが、後にこれはソ連海軍の潜水艦だったことが分かりました。

この当時の日本はソ連とは開戦していなかったため、大きな問題になりかねない事態でしたがソ連政府が体裁を重んじたためか、追及させることはありませんでした。

 

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社会人になって「信長の野望」に嵌まり、すっかり戦国時代好きに。
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