「開店の初期費用を抑えたい」
個人経営の飲食店などでは当然の要求です。でも、一方でクレジットカードでの支払いも増加していて、どのように対応するかが悩みでした。
少し前までは、お客も「1,000円、2,000円でカードを使うのは恥ずかしい」という感じでしたが、今ではコンビニでの買い物もカード払いが当たり前。
そこで、モバイル決済が注目されています。モバイル決済については「モバイル決済 おすすめ5選 【スマホで手軽に決済】」で詳しく調べましたが、ほとんどはSuicaなどの電子マネーには対応していませんでした。そこで今回はクレジットカード以外でもカンタンに支払いができる電子マネー決済について調べてみました。
電子マネーがアツイ!
欧米ではNFC(非接触技術)を利用した電子マネー決済の中心はApple Payでしょう。
アメリカでは2014年にサービスが開始され、日本ではiPhone 7の発売に合わせて2016年からサービスが初まっています。しかし、日本における電子マネーのモバイル決済はおサイフケータイといったAndroid Payが先行していました。一方で中国では「AIipay」「WeChat Pay」といったQRコード決済が主流となり、なかなか世界基準となるサービスがないのが現状です。
さて、ここからは日本国内に絞って見てみましょう。
現在の日本で普及している電子マネーサービスはFeliCa(Type-F)の技術を採用しています。
国内で普及している電子マネーは「楽天Edy」「nanaco」「WAON」「交通系ICカード(Suica、ICOCAなど)」があります。ここまでは有名で実際に使用している人も多いと思いますが、クレジットカードと電子マネーの中間に位置するプリペイド決済もあります。
現在ではドコモのdプリペイドカードとauのau WALLETがありますが、それぞれdポイントとau WALLETポイントが貯まる仕組みとなっており、事前にチャージをしてクレジットカードのように使えます。ただ、これらはポイントが貯まる以外での利便性は電子マネーに劣るため、あまり普及していません。
nanacoも個人経営で導入できる?
おサイフケータイのメリットは、端末内に種類の違う複数のカードや身分証、それらを守る鍵になる情報を保存し、どこでも安全に使えるところにあります。
交通系ICカードは通勤・通学などで利用する機会も多い反面「ポイントを貯める」という点では不利でした。でも、SuicaでJREポイントが貯まるように交通系ICカードにも利用のメリットが広がっています。
そうなると、主要な電子マネーを使う機会が増えてきました。
では、お店側で電子マネー決済を導入するにはどうしたらいいでしょうか。nanacoの例を見てみましょう。
nanacoといえばセブン&アイホールディングス系の店舗でしか取り扱えないように思えますが、法人窓口から申し込むことができます。あまり知られていませんが、nanacoの売り上げを管理するのは、業務提携先のJCBが行っています。nanacoでの売り上げは、セブン&アイホールディングスを通さずに直接JCBに情報が送られ、代金の支払いもJCBから行われているんです。
こうしてnanacoだけを導入したい場合はnanacoの法人向けホームページ(https://www.nanaco-net.jp/business/)に記載されている電話番号に問い合わせることで受け付けてくれます。
交通系ICカードも使える!
一方でSuicaでの決済を導入する場合は窓口が代理店になります。
その際、導入できるのはJR東日本エリアに限られますので注意してください。また、代理店も10社以上あって迷ってしまいますが、Suica決済が導入できれば、お客が使えるカードはSuica以外の交通系ICカードでもOKなので、お店にとってはかなり大きなメリットとなります。今では、全国の交通系ICカードが相互利用可能になっているので、店舗はJR東日本エリアにあっても、利用者は他のエリアのカードが使えるというわけです。
Suica電子マネー決済導入の案内 → 公式ページ
では、電子マネー決済の窓口となる代理店はどこがいいのかというと、KAZAPi(かざっぴ)がオススメです。NECグループが電子マネー各社と提供する決済サービスになります。
KAZAPi
KAZAPiはPOSシステムとの連携はありませんが、単純に電子マネー決済だけを導入したい場合には便利です。クレジットカード端末とは独立していて、コンセントがあればどこにでも設置できます。
nanaco、WAON、楽天Edy、iD、そして交通系ICマネーなどを一台の端末で利用、管理できます。工事が不要で端末を含めた初期費用も無料です。決済手数料は他の代理店が3.5%~となっているのに比べて3.8%と少しだけ高めですが、システム月額利用料は2,000円となっています。
KAZAPi → 公式ページ
もう一社は「ヤマトシステム開発」です。
こちらはヤマト運輸が提供している電子マネー決済サービスで、KAZAPiと同じく多くの電子マネーに対応。何より、ヤマト運輸というネームバリューが強いですね。KAZAPiとの違いは、POSレジと連動させることができますが、初期費用がかかる点です。
クレジット決済も合わせるには?
どちらも電子マネー決済に特化したサービスですが、クレジットカードの取り扱いと一緒に導入したいということなら、AirPAY(エアペイ)や楽天ペイがあります。
さらに楽天ペイには新しいタイプの決済手段にも対応しています。それが、専用アプリにバーコードを表示させて、それをお店側で読み取る方式です。
「楽天ペイっておサイフケータイで使えるんじゃなかったっけ?」と思うでしょうが、名前は同じでも、こちらは方式が違います。一番のメリットは楽天ポイントを決済にも利用できるところです。ポイントプログラムを楽天に絞っている人向けのサービスといえるでしょう。
まとめ
すでにクレジットカード決済用の端末を導入していて電子マネー決済もしたい、クレジットカード決済を導入するほどの金額ではないけど電子マネー決済は導入したい。そんなお店にとっては今回ご紹介した端末が役に立つでしょう。
現金以外での支払い方法が増えるなか、今後はさらに電子マネーでの支払いも増えてゆくからです。(データは2018年5月現在のものです)
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