2026年2月28日、世界は再び戦火の渦に叩き落とされた。
米国による「エピック・フューリー作戦(Operation Epic Fury)」と、米イスラエル共同の「ローアリング・ライオン作戦(Operation Roaring Lion)」が動き出し、イラン全土への大規模な軍事介入が開始されたのである。
作戦開始直後には、最高指導者ハメネイ師をはじめとする政権幹部の死亡が報じられ、イラン側も即座に弾道ミサイルによる反撃を開始した。
ホルムズ海峡の完全封鎖が公然と警告され、周辺諸国の米軍基地への攻撃も相次ぐなか、戦火は瞬く間に中東全域へと拡大。
原油価格の暴騰とともに世界経済はパニック状態に陥っている。
世界を揺るがす軍事介入の決断

画像 : 2025年9月29日、ホワイトハウスでガザ和平案の共同記者会見後に握手を交わすトランプ大統領とネタニヤフ首相 public domain
現在、国際社会の非難の矛先は、軍事行動を最終決定した米国のドナルド・トランプ大統領に向けられている。
トランプ氏は自身のSNSで「イランの脅威を永久に排除する」と豪語し、力による現状打破を強調している。
しかし、この戦争の背後で最も一貫して対イラン強硬路線を押し進め、トランプという「巨大な駒」を開戦へと動かした黒幕は、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相に他ならない。
一昨年秋の米国大統領選挙において、トランプ氏の勝利が確定した際、世界の指導者の中で誰よりも早く、そして熱烈な祝辞を送ったのがネタニヤフ氏であった。
対イラン外交交渉を「歴史的な過ち」と切り捨ててきた同首相にとって、強硬派のトランプ氏の帰還は、長年追い求めてきたイラン体制への決定的打撃を実現するための最大の好機だったのだ。
ネタニヤフが仕掛けた周到な罠

画像 : イスラエルのネタニヤフ首相 CC BY-SA 3.0
ネタニヤフ氏は、トランプ氏の就任前からワシントンで対イラン強硬論を押し続け、イスラエル寄りの政治基盤や安全保障ネットワークを通じて、米政権内の危機感を強めてきた。
ホワイトハウスには、イランの核開発が既に「レッドライン」を越えたとする独自の機密情報を絶え間なく送り続け、大統領の危機感を煽った。
その戦略は極めて巧妙である。
ネタニヤフ氏は、トランプ氏の最大の支持基盤がキリスト教福音派であることを熟知していた。
イスラエルとの蜜月関係を維持することが、トランプ氏自身の政治的基盤にも直結するという現実を、繰り返し突きつけたのである。
かつて「戦争を終わらせる大統領」を自称し、軍事攻撃に慎重な姿勢を見せたこともあるトランプ氏に対し、ネタニヤフ氏は「イランはディール(取引)が通用する相手ではない」と執拗に説いた。
操られる「巨大な駒」と地政学的野心

画像 : 2026年2月6日、アラビア海で編隊を組んで航行中の第3空母打撃群 public domain
結果として、トランプ氏はネタニヤフ氏が押し続けた路線の上で、史上最も激しい紛争へと踏み込むことになった。
現在進行中の作戦において、トランプ氏は自らの「勝利」を宣伝し、米国の威信を誇示している。
しかし冷静に状況を見渡せば、中東の地政学的な再編によって最も利益を得るのはイスラエルであることは明白だ。
ネタニヤフ氏は、自国の安全保障という至上命題を「米国という巨大な盾」に支えさせながら、宿敵の無力化を一気に推し進めている。
米国は再び中東の泥沼に深く引きずり込まれ、多大な戦費と兵士の命を消費することになるが、それはネタニヤフ氏の計算の範囲内であろう。
悲劇の核心にある冷徹な計算
この戦争を、単なるトランプ氏の暴走や好戦的な性格に帰結させるのは、事態の本質を見誤る行為である。
トランプ氏という予測不能な力を持つ存在を、自らの国家戦略へ結びつけてきたネタニヤフ氏の存在こそが、現在進行形の悲劇の核心である。
イスラエルの生存のために、世界経済を麻痺させ、大国を戦火に投じることも厭わない冷徹なリアリズム。
激化するイラン戦争の背後に潜む「真の演出家」の影を直視しない限り、この動乱の終わりは見えてこないだろう。
参考・The White House Operation Epic Fury: Decisive American Power to Crush Iran’s Terror Regime 他
文 / エックスレバン 校正 / 草の実堂編集部
























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