国際情勢

『米軍のベネズエラ襲撃』2026年、世界は弱肉強食の時代に入ったのか?

2026年の幕開けは、平和の鐘の音ではなく、爆撃の轟音と共に訪れた。

南米の産油国ベネズエラに対し、米国がついに軍事介入へと踏み切ったのである。

この事態は、単なる一国への武力行使に留まらない。

国際法や対話による紛争抑止が大きく揺らぎ、力を持つ者が持たざる者に介入できてしまう「弱肉強食」の論理が、国際政治の前面に現れたことを告げる転換点となった。

画像 : ニコラス・マドゥーロ大統領、U.S.海軍揚陸艦 USS Iwo Jima に乗船しているとされる様子(米軍提供、2026年1月3日)public domain

自由への渇望と資源の争奪

介入の表向きの理由は、長年続くマドゥロ政権による人権侵害の是正と、民主主義の回復である。

独裁体制下で苦しむ市民の「自由への渇望」を救い出すという大義名分を掲げ、米軍は電撃的な空爆と特殊部隊の投入を開始した。

しかしその背後には、人権や民主主義とは別に、深刻化するエネルギー危機と「石油資源」をめぐる現実的な思惑が強く影を落としている。

ベネズエラは、世界最大級の原油埋蔵量を誇る。

2022年後半から続く中東情勢の不安定化により原油価格が高騰する中、米国にとってベネズエラのエネルギー動向は、自国の経済安全保障に直結する重要な要素であり、今回の軍事行動も無縁ではないと見られている。

市民の解放という美辞麗句の裏で、実際に行われているのは、冷徹なまでの資源地政学に基づく支配戦略である。

大国の思惑と瓦解する国際秩序

今回の軍事介入に対し、国際社会の反応は二分されている。

欧州諸国は米国の決定を消極的に支持しつつも、対立を深める中国やロシアは「主権侵害であり、明らかな侵略行為だ」と猛反発を強めている。

国連は、大国同士の拒否権行使によって実質的に機能不全に陥り、ただの傍観者へと成り下がった。

これが、2026年の現実である。

法の支配よりも「軍事力」と「経済力」が優先され、力を持たない国家は、大国の利益のためにその主権を蹂躙される。

ベネズエラの空を舞うミサイルは、我々が築き上げてきたはずの国際協調の幻想を粉々に打ち砕いたのだ。

混迷の時代と我々が直面するリスク

画像 : デルシー・ロドリゲス副大統領が主催した緊急会議 public domain

米国の介入により、ベネズエラ国内はさらなる混迷を極めている。

親米派の暫定政権が樹立されたものの、現地の抵抗勢力や親マドゥーロ派の武装勢力や一部の治安部隊が抵抗を続けているとされ、情勢は不安定なまま推移している。

この火種は南米全域に波及する恐れがあり、世界経済への打撃も計り知れない。

日本のような資源持たざる国にとって、この「弱肉強食」の加速は生存への脅威に直結する。

大国間のパワーゲームに翻弄され、明日はどこの国が標的になるのか。ベネズエラの悲劇は、決して海の向こうの他人事ではない。

力こそが正義とされる2026年の暗い現実を、我々は今、目の当たりにしている。

文 / エックスレバン 校正 / 草の実堂編集部

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国際社会の現在や歴史について研究し、現地に赴くなどして政治や経済、文化などを調査する。

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