連日報道される新型コロナウイルス関連のニュース。
有名人の感染や死亡が報じられ、これまでは自分事として捉えていなかった層にとってもいよいよ新型ウイルスの驚異が実感できるようになってきた。
新型コロナで高まる体温計需要と追いつかぬ供給
ウイルス対策を講じよう。
手洗い、マスク、三密避け…
とはいえ100%ウイルスを避けることはできない。
見えないウイルスはどこで付着し、どこで吸引してしまうか分からない。
もし、ウイルスを身体に入れてしまったら?
もう既にウイルスを保菌してしまっていたら?
そういえば、少し咳が出る。
家に体温計がないから買いに行こう…
ドラッグストアに体温計が売られていない!売り切れだ!
役所のコロナウイルス窓口に電話するも、高熱が4日以上続いていると分からないと相手にしてもくれない。
ネットショップで体温計を探すも、普通のものは軒並み売り切れ・入荷待ちの状況だ。
誰しも考えることは同じ。大ニュースになってから動いては遅すぎたのだ。
婦人(女性)体温計 に望みをかけて
体温が測れないまま感染・発症し、たらいまわしにされた挙句重症化してしまったら…? 恐怖がよぎる。
そういえば。体温計売り場に女性用のピンクの体温計はあったような…
自分は男であり、女性用の体温計を手に取ることにためらいはある。
とはいえ、背に腹は代えられない。
体温計というのだから、熱があるかどうかぐらいは測れるだろう。
勇気を出してピンクの婦人体温計を手に取り、薬剤師の男性に話かけた。
「この婦人体温計って、普通に男が熱を測るのにも使えるんでしょうか?」
「使えますよ」
その一言は、天使の一声のようにも聞こえた。
普通の体温計との違い
「普通の体温計とこの体温計は何が違うんでしょうか?」
「これは、女性が普段の体調管理に利用する目的の体温計なのでより細かい数値で体温が測れますが、普通の体温計としても勿論使えます。ただ、少し割高ですが」
「割高とはいっても、普通の体温計もう無いですもんね。頂きます」
かくして筆者は、婦人体温計を手に入れた。
もし手元に体温計がない読者の方がおられたら、ドラッグストア等で婦人体温計がないか探してみることをおすすめする。
自分の健康と生活のため、そして何よりも、知らずに人に感染させることを避けるため、体温を測る手段は手に入れておいたほうがよい。
そして女性の方はこれを機に、婦人体温計を習慣的に使って基礎体温を記録し、生理や排卵などのリズムをつかんでみても有用かもしれない。
コロナウイルスと体温
さて、そこまで体温計測がマストとなっている新型コロナウイルス感染症だが、どうして体温計測がそこまで重要なのだろうか。
現在、厚生労働省の方針により、コロナウイルス専用窓口(帰国者・接触者相談センター)に相談をするためには以下の条件が求められている。
・風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く方
・強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある方
また、同省によれば、「現時点では新型コロナウイルス感染症以外の病気の方が圧倒的に多い状況であり、インフルエンザ等の心配があるときには、通常と同様に、かかりつけ医等に御相談ください」とのこと。
過剰なPCR検査は医療現場の混乱を生む。
また、仮にコロナウイルスに感染している人であっても軽症者より重症者を優先的に受け入れなければいけない。
決して完璧とは言い難いが、限られた医療リソースを最大限活用するためには私たちがまず体温計で自己診察し、一定の基準を超えた場合にのみ連絡するのが現時点での最適解なのだろう。
正しい測り方
通常、体温計といえば腋下、つまりワキの下にはさんで計測するものだ。
しかし婦人体温計は口中で計測する仕様になっている。
この理由としては、婦人体温計は微細な体温も正確に測る必要があるため、ワキの下よりもより実際の体温が検知できる口の中で測るように決められている。
口で体温を測るというと、口にパクッとくわえて測るイメージがあるかもしれないが、それは正確ではない。
体温計の測温部(先端)をどこに当てればいいか。
舌の下、である。
正確には、舌を持ち上げると中央にスジ(舌小帯)が見える。その脇に密着させて測るのだ。
ベロの裏の一番奥に体温計を当てたら、舌を下ろし、口を軽く閉じ、静かに鼻呼吸をしながら電子音が鳴るのを待つ。
こうすれば、女性用の体温計であっても関係なく、正しく体温を測ることができる。一安心だ。
手入れ方法
もし家族や親しい人と共有する場合には、しっかりと水で丸洗いし清潔なタオルでふき取った後、消毒用アルコールを含ませたティッシュ等でしっかりと消毒する必要がある。
口中計測する以上、他者と共有する場合には完璧な消毒が必須だが、体温計は精密機器のため、以下のような消毒法は故障を招く。
薬剤:有機溶剤、ポビドンヨード、クレゾール
消毒液に浸す
熱湯やドライヤーの熱で乾燥を試みる
超音波洗浄にかける
この4つは協力な消毒方法だが、体温計の手入れ方法としては不適当だ。
コロナウイルスは十分な水洗いとアルコール消毒で簡単に死滅させることができる。先端だけでなく持ち手を含めた全体を拭き上げ、適切な手入れ方法を行おう。
熱がない=コロナではない は大きな間違い
婦人体温計を利用し、平熱を保っている。熱はない。
これで一安心するかもしれないが、少し考えよう。
熱はあくまで身体がウイルスと戦い、抑え込もうとしている印だ。
現在、無症状で感染を広げている人々の数は正確に把握しきれていない。
熱を測って記録するとともに、引き続き「うつらない、うつさない」を念頭にうがい手洗い栄養睡眠を行い、ウイルスとの戦いに勝利していくことが求められている。
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