世界遺産とは、「顕著な普遍的価値」を有する文化遺産や自然遺産などであり、1972年のユネスコ総会で採択された「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」において世界遺産リストに登録された物件をのことである。
日本では、法隆寺地域の仏教建造物や原爆ドームなど、2022年現在において計25件が世界遺産登録されている。
それでは世界遺産の第一号はなんだったのだろうか?
目次
世界遺産第一号
第一号は、1978年の第2回世界遺産委員会で登録された遺産であり、計12件となっている。
ガラパゴス諸島(エクアドル)
ガラパゴス諸島は、エクアドル本土から太平洋を隔てておよそ1000km西の赤道直下に点在する島々で、19の主な島と小さな島や岩礁からなる。
大陸と陸続きになった歴史がなく、独自の生態系で進化した生物が有名である。
2001年には、ガラパゴス海洋保護区も世界遺産として登録されている。
キト市街(エクアドル)
キト市街は、エクアドルの首都であり標高2850mにある旧市街である。
主な建造物には、1535年に建設されたフランシスコ会修道院や、ドミニコ会修道院などカトリックの宗教建造物がある。
メサ・ヴェルデ国立公園 (アメリカ)
メサ・ヴェルデは、コロラド州南西部に位置するプエブロインディアンのアナサジ族の残した断崖をくりぬいた一連の集落遺跡群で、現在国立公園になっている。
クリフ・パレスといわれる「岩窟住居」による集落が公園内最大の遺跡であり、200室ほどある。
一番高いところは4階建て相当の高さであり、現在のマンション並の高さとなっている。
イエローストーン(アメリカ)
イエローストーンはアイダホ州、モンタナ州、ワイオミング州に位置するアメリカ合衆国の国立公園である。
北アメリカ大陸最大の火山地帯であり、現在でも数百カ所から熱水を噴き上げている。
人気の観光地であるが、1890年以来、温泉や間欠泉で大火傷を負うなどして少なくとも22人が死亡している。
ランス・オ・メドー国定史跡(カナダ)
ランス・オ・メドー国定史跡は、カナダ東部、ニューファンドランド・ラブラドール州のニューファンドランド島最北端にある考古遺跡であり、北アメリカで、唯一ヴァイキングの入植地として確認されている遺跡である。
入植したヴァイキングが作った溶鉱炉や、船作りを支えた製材所などが見つかっている。
ナハニ国立公園(カナダ)
ナハニ国立公園は、カナダ・ノースウエスト準州にある国立公園である。
ヴァージニア・フォールズという滝が有名であり、水流の高さは90メートルで、この落差はナイアガラの滝の約2倍である。
ヴィエリチカ岩塩坑(ポーランド)
ヴィエリチカ岩塩坑は、ポーランド共和国マウォポルスカ県にある岩塩の採掘坑である。
13世紀以来稼働していたが、コストの問題と坑内で洪水が起きる危険性があることから1996年に商業採掘は中止され、現在は観光地となっている。
クラクフ歴史地区(ポーランド)
クラクフ歴史地区は、ポーランドで最も歴史ある都市の一つである。
17世紀初頭にワルシャワに遷都するまではクラクフがポーランド王国の首都だった。
ポーランドの工業、文化の主要な中心地でもある。
シミエン国立公園(エチオピア)
シミエン国立公園は、エチオピア北部、アムハラ州ゴンダール地区にある1969年設立の国立公園である。
エチオピア最高峰(アフリカ大陸第4位)のラス・ダシェン山(標高4620m)をはじめとする高山が続き、「アフリカの天井」とも呼ばれている。
厳しい自然環境の中で、独特の動植物たちが生息している。
ラリベラの岩窟教会群(エチオピア)
ラリベラの岩窟教会群は、凝灰岩を刳り貫いて作り上げたエチオピア正教会の教会堂群で、世界の石造建築史から見ても非常に重要な建造物である。
正確な建造年代は不明となっている。
岩窟教会群は、エチオピア正教会のキリスト教徒数百万人が訪れる聖地となっている。
ゴレ島(セネガル)
ゴレ島は、昔は奴隷貿易の拠点として栄えたセネガル領の島である。
セネガルで最古のイスラム教のモスクがあり、1815年に統治国だったフランスが廃止するまで奴隷貿易の拠点として栄えていた。
かつての奴隷収容所が今も島内に残っている。
アーヘン大聖堂(ドイツ)
アーヘン大聖堂は、ドイツのノルトライン=ウェストファーレン州のアーヘンにある大聖堂である。
この大聖堂は北部ヨーロッパでは最古のものであり、786年にカール大帝がアーヘンの宮殿教会の建設を始めたとされている。
アーヘン大聖堂は、936年から1531年にかけての約600年間で、神聖ローマ帝国皇帝30人の戴冠式が執り行われた場所でもある。
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