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食べ合わせ とは
私たちは、栄養を摂るためにさまざまなものを食べている。
しかし身体に良い食べ物ばかりではないし、身体にいいといわれていても、一緒に食べることでその栄養や効能が失われることもある。
食材の相性が「食べ合わせ」だ。
食べ合わせの出所は江戸時代にまでさかのぼる。
貝原益軒という本草学者が著書『養生訓』にて食べ合わせの戒めをまとめた。
当時は消化吸収の悪い食べ物や脂肪の多いもの、冷蔵での保管が困難だったため鮮度の悪いものを食べたことにより、体調不良を起こしていたため、それが現在まで言い伝えられているようだ。
そのため、現在では食べ合わせても大丈夫だと証明されているものも多い。
昔から伝わる食べ合わせも含めてご紹介しよう。
身体によくない食べ合わせ
身体によくない食べ合わせのことを「合食禁」という。
・鰻と梅干し
鰻の脂と梅干しの酸味が原因となり消化不良を起こすといわれている。
しかし、「梅干しの酸味が脂の消化を助ける」という説もあり、必ずしも悪いとは言い切れない。
実際に鰻と梅干しを大量に食べる実験がされたことがあるようだが、全員無事だった。
・大根と人参
大根にはビタミンCが豊富に含まれている一方、人参にはアスコルビナーゼというビタミンCを破壊する働きがある。
熱や酸に弱いため加熱処理や酢などで調理すれば問題はない。
身体に悪いだけでなく栄養素を無効にしてしまう食べ合わせもあるのだ。
・天ぷらとすいか
油分の多い天ぷらと水分の多いすいかと一緒に食べると、すいかの水分により胃液が薄まって消化不良を起こすことがある。
胃へ負担がかかるため、胃腸が弱い人は注意が必要だ。
発がん性物質が生じるといわれる組み合わせ
単に消化に悪いとか栄養素を分解するとかいうものではなく、特定の食品を一緒に食べることで発がん性物質が発生してしまうことがある。
ニトロソアミンと呼ばれるその物質は、本来発がん性物質の含まれていない食べ物にも関わらず他の食べ物次第では体内で生成されてしまう。
野菜に含まれている硝酸は胃の中で亜硝酸に変化し、体内物質のアミンと反応してニトロソアミンに変化する。
そのニトロソアミンが細胞のがん化を誘発するという、
どのような食べ合わせが危険なのだろうか。
・ハム(ソーセージ)とレタス
・たらこと漬物
・さんまと漬物
・焼き魚と醤油
・きなことお餅
などが挙げられる。
どれも一般的な食卓で食べられるような組み合わせなのが意外である。
ニトロソアミンの生成を防ぐにはどうすればいいのだろうか。
上記の組み合わせはとても日常的なため、完全に絶つのは難しいといえるだろう。
そこで、さらに一品加えることでニトロソアミンの生成を低下させることができる。
ビタミンCを多く含むレモンやゆず、アセロラといったものだ。
ビタミンCには亜硝酸塩と結合し、抗がん剤として有名な物質・インターフェロンの生成にも有効なので、それらを一緒に食べることで発がん性物質の発生を抑えることが期待できる。次のページへ
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