はじめに
「おにぎり、好きですか?」と聞かれて「嫌い!」と答える人がいるでしょうか?
もちろん嫌いな人もいらっしゃるでしょうけどおにぎり嫌いは少数派と思われます。日本人の国民食というと寿司・天ぷら・ラーメン・カレー・・・あの~おにぎりは?
やはり存在が地味すぎるのかしら?身近すぎて恋愛に発展しない男女みたいなものかしら??
などと勝手に気をもんでいたら、あるアンケートで堂々の2位になりました。
それは「最後の晩餐に食べたいものランキング」。
おにぎりさん、おめでとうございます。
最後は白飯の美味しさをかみしめたいという人やお母さんのおにぎりを食べたいという人々の声が2位にしてくれましたよ。
ちなみに1位はお寿司、同率2位は焼き肉でした。お寿司におにぎり、やはり日本人のDNAにはお米が組み込まれているのでしょうか。
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おにぎりの歴史
日本で稲作が始まったのは弥生時代、石川県ではこの時代のおにぎりの化石が見つかっています。
平安時代になると源氏物語の中に「屯食とんじき」という蒸されたもち米を固めたものの記述があり、これが現在のおにぎりのルーツとされています。
鎌倉時代に入ると武士に梅干し入りのおにぎりが配られ、戦国時代には保存や携帯に便利な「兵食」として重宝されました。
江戸時代中頃には海苔の養殖が始まり、今の海苔をまいたおにぎりのスタイルができたのです。
武士の間では大食いを競う大会が盛んに開かれ、大きな白飯のおにぎりを30個以上食べる強者もいたとか。
明治2年には明治天皇の京都への行幸に合わせ、東京の海苔店が味付けのりを開発。これがきっかけで京都を中心に味付けのりでおにぎりを作るのが流行したそうですよ。
また明治18年には日本で初めての駅弁が宇都宮駅で発売されました。
おにぎり2個(ゴマ塩と梅干し)とたくあん2切れが竹の皮で包まれて売られたそうです。
そして昭和53年、セブンイレブンがパリッとした海苔つきのおにぎりを商品化、今やコンビニを代表する商品にまで成長したおにぎりです。
さらにコンビニの海外進出のともない、それまでごはんは温かくして食べるものという外国の人々の認識も変わってきつつあり日本式おにぎりは世界でじわじわとファンを広げているのです。
おにぎりの呼び方と形
ここまで何十回もおにぎりおにぎりといっていますが、一部の地域の皆さんすみません。
米を握ったものはおにぎりではなく「おむすび」と呼ぶ、というのもまた事実でございます。有名な昔ばなしも「おむすびころりん」でしたしね。
で、このおにぎりとおむすびの差はなんであるか?
東日本はおにぎり、西日本はおむすびと呼んでいた説、いやいや丸いものはおにぎり、三角のものはおむすび説、おにぎりは江戸時代からでおむすびはそれ以前から説、などなど
これ以外にも諸説あり実際のところこれが正解というのはわからないようです。
ただ今ほど交通機関や流通が発達していなかった時代、その土地で育つお米の硬さや特性によって関東は三角、関西は俵、東北は円盤、九州は丸という形の違いはあったようですよ。
最近のある調査では日本人の9割がおにぎりと呼んでいるそうで、おむすびと呼んでいる人は中国地方に多いという結果が出ています。
しかもおにぎり・おむすび、ついでに焼きおにぎりのそれぞれが記念日を持っています。
おにぎりは化石が出た石川県鹿西町の町名からロクと米食の日(米の十と八から)から6月18日。
おむすびは阪神大震災の炊き出しへの感謝と震災を忘れないために1月17日。
焼きおにぎりはニチレイフーズさん考案、醤油がじゅ(10)わっと香ばしくパチパチ(8)の歯ざわりから10月8日。
1年に3回の記念日ってどれだけおにぎりを好きなのでしょうか、私たち。
おにぎりで日本一周
ところで皆さん、おにぎりの具はなにがお好きですか?
コンビニなどではツナマヨ、鮭、梅干しが世代を問わず人気といいますが、それこそ何を入れてもいいのがおにぎりのすごいところ。
何を入れてもいいけれどなんでも美味しいかどうかは定かではありません、念のため。また地方色が出るのもおにぎりの良さ、地域によっても様々な味を楽しめますよね。
たとえば富山ならとろろ昆布、東京なら佃煮、高知ならカツオ、福岡なら明太子、熊本なら高菜漬け…といった感じ。
特産品の数だけおにぎりがある、ということです。
一県ずつ食べ歩きしてみたいけれど47都道府県すべてはさすがに無理です。ところが47都道府県のおにぎりが勢ぞろいしているお店が東京にありました。
東京駅にある「おむすび百千」さん。(2017現在都内に4店舗)
お店のサイトには各県自慢のおむすびが一覧で紹介されていて見ているだけでお腹が鳴りそうです。
ここなら朝昼晩+おやつで1日10個食べるとして、5日で日本一周ができますよ。ご近所の人はぜひチャレンジしてみて下さいね。
最近ではおにぎりの新世代?新流派?ともいえる「おにぎらず」が話題になりましたが、
さらに新しい「スティックおにぎり」なるものが出てきました。
これはお好みの具とご飯をラップでクルクル細長く巻くだけです。おにぎりというよりお寿司?に近い気も・・・。
とにもかくにも伝統の味と新しい味と、おにぎり文化はますますにぎやかです。
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