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さんま祭り
味覚の秋、おいしいものがたくさんあるなかで、日本人の一番人気はなんといっても“さんま(秋刀魚)”ではないでしょうか。
秋のさんまは脂肪分がたっぷり、塩焼きにして、カボスやスダチなどの搾り汁やポン酢、醤油などをかけ、大根おろしを添えて食べる、こたえられませんね。
そんな日本人のDNAにしみこんでいるさんま、当然のように日本各地でさんま祭りが行われています。ただ、その多くは根室、花咲、厚岸、気仙沼などの北海道や東北のサンマ漁の集積地がほとんどです、
そんな中、さんま祭りで全国的に最も有名なのは“目黒のさんま祭り“です。
なぜ、東京23区の目黒区(品川区)のお祭りがこれほど、大規模に行われるようになったのでしょうか。
さんまのトリセツ
さんまとは
さんまは 、ダツ目-ダツ上科-サンマ科-サンマ属に分類されています。
アジア各国の食材としての資源、特に日本では秋の味覚を代表する大衆魚です。
寿命は1年から2年程度で、通常2年で全長35cm程度から40cmを超える大きさに成長します。
北太平洋に広く生息し、日本近海のものは、夏はオホーツク海方面で回遊し、秋に産卵のために寒流に乗って南下します。
日本では主に、棒受網、刺し網、定置網で漁獲されています。
主な産地は北海道の釧路、厚岸、根室、岩手県の宮古、宮城県の気仙沼、女川、千葉県の銚子が有名です。
漁獲される時期により、脂肪ののりが違います。9〜10月に三陸沖から房州沖で漁獲されるものが最高品とされてます。
さんまの栄養価と調理のポイント
豊かな脂肪には動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞・糖尿病などの予防効果があるとされるEPA、DHAが豊富に含まれています。また貧血予防に良いとされるビタミンB群、カルシウムの吸収を助けるビタミンDも多く含まれています。
身や焦げた皮もおいしいのですが、もっともおいしいのは“ワタ”。独特のクセはありますがその“コク味“が、さんまの塩焼きが多くの人に好まれる理由なのです。
さんまはエサを食べてから、排せつするまでの時間が短く、豊な風味のワタはそのせいだともいわれています。塩焼きはもちろんのこと、煮付ける時も、ワタを出さずに使います。
魚のキモはフグ、アンコウ、カワハギなどが有名ですが、“大衆魚”でワタ全体を味わう魚はあまりないのではないでしょうか。
魚屋が教える「サンマのきほんのき」
【サンマの選び方】魚屋の目利きワザ
見た目でのチェックポイントは、
鮮度・品質の見分け方
・目が黒々と澄んでいるもの
・皮が張り、背の青味が鮮やかのもの
・身が固く、持ち上げたときに曲がらないもの
・身の張りがあり、特に肩が盛り上がっているもの
・口先と尾付け根の黄色が目立つもの
そして最大のポイントは
一番高いのを買うこと。
100円のさんまと150円で売られているさんま。50円の差ですが、食べるとその差は歴然!高い方を選ぶべし!高いのはそれなりに理由があるのです。
大手チェーンの安売りさんまより、高級スーパー、あるいはデパ地下の鮮魚売り場で買うのが結局お得です。
毎日さんまを食べるわけじゃないでしょ。
さんまのおいしい焼き方講座
まずは洗ったサンマの水気をよく取ります。そして両面に塩を振り、15分くらい置いておきます。
高い位置からフリ塩するとまんべんなくできます。(まあ 特に気にすることないですけど 笑)
その後、水が浮いてくるのでキッチンペーパーなどで取り除きます。
【魚焼きグリルの場合】
魚焼きグリルで「両面焼き」の場合は、まず予熱をしておきます(網にくっつきにくくなります。サラダ油を塗っておく方法もあり)中火~中強火で様子を見ながら8分くらいで焼き上がります。
「片面焼き」の場合は最初の面は6~7分、ひっくり返して5~6分を目安に焼き上げます
また、グリルの効率よく火が当たる網の両端あたりなので、2本以上焼く場合は場所を入れ替えながら焼いていくとが大切です。
【フライパンの場合】
フライパンの場合は片面ずつ6分前後、中火~中弱火で焼き色を見ながら焼いていきます。
ポイントはあまり何回もひっくりかえさないこと。大体1~2回で十分です。
また専用のフライパンシートを使うとくっつかずに焼けておすすめです。
さんまが漁れない?!
サンマ漁の深刻な不振が連日メディアをにぎあわせています。
気候変動や海外需要の高まりなどもあって近年の漁獲量は減少傾向にありますが、今年は特に深刻なようです。
北海道近海の水温が例年より3℃から5℃も高い状態が続いているため、サンマの群れが日本に寄りつかないのです。そこで、冷凍設備をもつ大型船が根室から500km以上離れた公海まで出ないと、サンマの群れに出会えなくなっているそうです。
しかも、それで獲れるサンマは、日本近海の豊富なプランクトンを食べていないので、小ぶりで脂がのっておらず、市場で高値がつかない状態です。
【HTBニュース】秋の味覚に異常事態 サンマ一匹も獲れない!待望のサンマ! ようやく初水揚げ でも1匹350円…例年2倍の高値。
安くておいしいサンマが戻ってきてほしいですね。
目黒さんま祭りの由来は、じつは落語なのです
天高く馬肥ゆる秋。
青い空には、いわし雲がひろがり、のどかな初秋の田舎道。江戸時代、殿様が鷹狩りで目黒を訪れ現在もその場所が茶屋坂として表示板が立ってます。
ジュウジュウ焼かれている秋刀魚にお目が留まったお殿様。
そのなんとも美味しそうな匂い。う~ん。こりゃ、どうしても食べたくなる。
お殿様は、初めて食べた秋刀魚の味が忘れられなくなってしまう。
「さんまは目黒にかぎる」でお馴染みの江戸落語『目黒の秋刀魚』。
金原亭馬生(十代目) – 目黒のさんま
目黒のさんま祭りとは
目黒さんま祭り
この落語にちなみ、商店街を盛り上げようとして始められたのが、目黒駅東口にある目黒駅前商店街(品川区)が主催する目黒さんま祭りです。
しながわ観光協会公式サイト → こちら ※2019年は9月8日でした
岩手県大船渡市から直送されたさんまが炭火で焼かれ、すだちや大根おろしとともに無料で配布されます。毎年3万人以上が訪れれ、必ずニュースに取り上げられる、人気のイベントです。
目黒のさんま寄席、ふるさと物産展やステージイベントなどの年々大規模に盛りあがってます。
目黒 2015 さんま祭り
秋の東京お宝メニュー さんまの塩焼き
目黒SUNまつり
また、もう一つは目黒駅の西側・田道広場公園で開催される「目黒SUNまつり」です。
目黒区公式サイト → こちら ※2019年は9月15日開催
目黒区側の「さんま祭り」で、宮城県気仙沼漁港の焼きさんまが無料で振る舞われます。
こちらのさんま祭りではサンマは宮城県気仙沼産で、大根おろしも宮城県産で、薬味もすだちではなく大分県臼杵産のカボスが使われます。
目黒 2015さんま祭り 区民まつり
2016目黒さんままつり
目黒のさんまのお店
目黒のさんま 菜の花 権之助坂本店
目黒では珍しいおばんざい系のお店で、美味しいサンマがいただけます。おすすめはさんまの蒲焼き丼。甘辛なタレが美味しい。かぶの浅漬けに刻み生姜が和えてあって、清涼感が良い感じです。仕入れは 三陸沖、気仙沼で、新鮮さはお墨付きです。
駒八 目黒さんまセンター
目黒駅東口にある居酒屋。店名があらわすとおり新鮮なさんま料理と築地直送の季節の魚がいただけます。人気ランチメニューは「さんま定食」(800円)。夜の人気メニューは「さんまのなめろう」、脂ののった鮮度抜群なさんまとネギバランスが抜群です。
丸冨水産 目黒店
目黒にあって、連日満員の人気居酒屋『丸冨水産 目黒店』。築地や沼津で仕入れた新鮮な魚や貝の刺身、うにイクラなど、ボリュームたっぷりでリーズナブルな海鮮料理を楽しめます。さんま祭りの日は昼前からの“特別営業“で大いににぎわいます。
だるま鮨(目黒)
目黒東口に構えて数十年の老舗寿司店です。こちらの名物が、開店以来、定番として親しまれてきた「さんまの握り」。脂ののったさんまの味は折り紙付きです。また、ご主人は「目黒のさんま祭り」の実行委員。お祭り当日は、特に力が入るそうです。
他にもある都内のさんままつり
恵比寿ビール坂祭り
なんと目黒のとなりの恵比寿にもさんま祭りが!通称「となりのサンマ祭り」(笑)。
たださんま不漁につき今年は残念ながら中止みたいです(2019年)。毎年、恵比寿ガーデンプレイス付近?で開催される「ビール坂祭り」の一環で、サンマのつみれ汁も出ます♪
昭和の時代、恵比寿にはビール工場があり(サッポロビール)小学生のわたしは、社会科(工場)見学に行った記憶があります。ビールは飲ませてもらいませんでしたが 汗
その時代にビールを運んでいたのが「ビール坂」。現在では都内屈指のグルメ坂となりました。そんなグルメな坂でグルメな屋台が出るのが「恵比寿 ビール坂祭」なのであります。
東京タワーさんままつり
2013 東京タワー さんままつり 大船渡「東京タワーさんままつり」は都内の多くの人が、秋の味覚さんまを楽しめるイベントです。
今年(2019年は不漁が問題になってますが)は秋が進むにつれ、漁獲量もさんまの質も回復していくとの予報もあります。この“さんままつり”は、炭火焼きの数はなんと、3333本(東京タワーの高さ)というこだわり。
無料配布の炭火焼のさんまのほかにも、ご当地バーガーのさんまバーガーや、さんまのすり身汁など今やメディアではあまり報じられませんが。東京の“さんま祭り“では最大規模になってきてます。
特産品の販売やスタンプラリー、特設ステージでのイベントも催されているので、ぜひチェックしてみてください。
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