ナウマンゾウとは、今からおよそ65~42万年頃から2~1万5千年頃まで生息したとされている、象の一種である。
ナウマンゾウの体の特徴としては、体調はやや小型で肩高2.5m〜3mほど。牙が発達しており体毛で覆われていた。
最も個性的なのは、ベレー帽子をかぶったような隆起がある頭の形であり、これは前頭頭頂隆起(ぜんとうとうちょうりゅうき)と呼ばれている。
ナウマンゾウの名前の由来は、明治時代に日本で初めてゾウの化石を研究したドイツの地質学者・エドムント・ ナウマン博士の名前が由来となっている。
氷河期時代の日本や中国大陸の一部に生息
ナウマンゾウは氷河期時代の日本や中国大陸の一部に生息していたとされ、多くの化石が発掘されている。
かつての日本は島国ではなくユーラシア大陸と地続きであり、ナウマンゾウは南アジア方面から日本に渡って来たと考えられている。
日本では、長野県信濃町野尻湖で最も多くの化石が発見されており、長野市、上田市、中野市など他11箇所でも発掘されている。
他には千葉や北海道、神奈川など日本大陸全域に分布していたようだ。
原宿近辺でも化石発見
1971年、地下鉄千代田線の地下工事が行われた時に、原宿駅付近の神宮橋の地下21メートルあたりから、ナウマンゾウの化石がまるまる一頭分発見された。
地下鉄の明治神宮駅を作るための工事だったが、ちょうど地下鉄工事に必要な深さの地層に化石が眠っていたようである。
地層の年代は約1万5000年前であり、最初に牙が発見され、下顎、首、肋骨と最終的に全身が掘り起こされ、当時ちょっとしたニュースとなった。
都内では他にも田端駅、日本銀行本店付近など、計20箇所以上で発掘されている。
ナウマンゾウが絶滅したとされている2~15000年頃は旧石器時代にあたり、ナウマンゾウは当時の人類の狩猟の対象であったと考えられている。
原宿に訪れた際は、かつてはナウマンゾウが闊歩していたことを想像して楽しんでみるのも一興かもしれない。
参考文献 : 地理の話大全
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