健康

石鹸について調べてみた【石鹸はアルカリ性だけ】

突然ですが、体を洗うのに普段から何を使われていますか?石鹸、弱酸性ソープなどが多いのではないでしょうか。
体を洗うものは全て石鹸」といったイメージがあるのですが、これからご紹介する「石鹸」と、肌に優しいと言われている「弱酸性ソープ」には、大きく原料の違いがありました。

石鹸(アルカリ性)の原料と製造方法

石鹸について調べてみた【石鹸はアルカリ性だけ】

石鹸 界面活性剤(かいめんかっせいざい)の一種です。天然の界面活性剤と言えます。そしてアルカリ性しかありません。

ここで「えっ?」と感じた方は、きっと「体を洗う弱酸性ソープは石鹸じゃないの?」と思われたのでは。

実は私もその1人、石鹸は体を洗うものの名前。弱酸性ソープも石鹸の一種と思っていました。

確かに、『弱酸性ソープ』には石鹸の文字は見当たりません。厳密にいうと石鹸とはいえないんです。弱酸性や酸性、中性の洗浄剤は何になるといわれたら、『合成洗剤』に入ります。

『石鹸』の定義とは

石鹸は動植物の油(※油脂)をアルカリ(苛性ソーダ=水酸化ナトリウムor苛性カリ=水酸化カリウム)で煮て作られたもの(石鹸素地)。だから石鹸はアルカリ性です。
また、苛性ソーダ苛性カリどちらが原料かで、固形石鹸液体石鹸とに分かれます。

さらに石鹸は、体を洗う石鹸だけではなく、洗濯用石鹸(衣料用・台所用・その他まとめて)もあります。パッケージなどに書かれた原料が、上記のものであれば『石鹸』です。
もっと分かりやすく、「石鹸素地」とか、「石鹸」と書かれていれば間違いなく石鹸です。

石鹸素地の原料油が動物性か植物性の違いで石鹸の特徴も変わってきます。(※牛脂・豚脂・綿実油・オリーブオイル・パーム核油・大豆油・ココナッツオイルなど)

石鹸の種類

ここで固形石鹸と液体石鹸の大きな違いについてまとめてみます。

固形石鹸・粉石鹸=脂肪酸ナトリウム(ソーダ石鹸)
原料…油脂+水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)で煮てできた石鹸。

固形石鹸には、純石鹸と化粧石鹸の2種類があります。
・純石鹸(無添加石鹸)は石鹸素地が98%以上の石鹸。
敏感肌やアレルギーのある方は石鹸は、純石鹸のほうが肌に優しいです。

・化粧石鹸は石鹸素地が93%以上の石鹸。残り7%に添加物。(ちなみに、粉石鹸は石鹸素地が60%ほどの石鹸。)

液体石鹸=脂肪酸カリウム(カリ石鹸)
原料…油脂+水酸化カリウム(苛性カリ)で煮てできた石鹸。
石鹸素地が30%ほど、あとは水です。これ以上の石鹸素地を混ぜると固まってしまうため、液体石鹸にはならないのです。

メリット・デメリット

石鹸について調べてみた【石鹸はアルカリ性だけ】

石鹸にも2種類あることは分かりました。
2つの種類の違いはご紹介した通りなのですが、それぞれにメリット・デメリットがあります。

固形石鹸のメリット
肌への刺激が少ない低刺激です。洗浄力も優れています。石鹸を包むのは小さな箱や薄い紙のため、低コストで済みゴミも少ないです。

固形石鹸のデメリット
泡立たせるのが液体石鹸に比べると面倒なことくらいです。
気をつけることは、固形石鹸には水に溶けやすく泡立ちやすい成分と、水に溶けにくい成分があります。石鹸が水に浸かっている状態にしたままだと、泡立て成分は溶けてなくなってしまうので、使い終わったらよく水を切ってくださいね。

液体石鹸のメリット
すぐに泡立ち楽です。

液体石鹸のデメリット
ほとんどが水のために固形石鹸に比べると洗浄力が多少落ちます。また、容器も大きなゴミになります。
気をつけることは、液体石鹸が少なくなったからといって、容器に水を入れて薄めて使わないように!容器内に雑菌がわいてしまいます。

お手軽さをとるなら液体石鹸、最近は泡で出るタイプもあるので大変便利ですね。コストと洗浄力を考えたら固形石鹸。どちらを使用しても肌への負担はほとんどかかりません。

固形石鹸も泡立ちネットなどを使うと面倒さも解消されます。泡が汚れを包み込んで落とす働きをするので、どちらを使用する時も、しっかり泡立てて体を洗うようにしてくださいね。体に塗りつけるだけとか、シャワーで流しながら洗っても汚れは落ちませんよ。

弱酸性ソープ

石鹸について調べてみた【石鹸はアルカリ性だけ】

弱酸性の石鹸やソープは、「合成界面活性剤」を配合しなければ作ることが出来ません。ですから、石鹸とは原料も違うため石鹸とはいえず「合成洗剤」の仲間になるのです。

人間の肌は弱酸性。だから弱酸性のソープで洗ったほうが刺激がなくて良いと言われますが…

弱酸性ソープに含まれている合成界面活性剤は、水で流しても落ちにくく、皮膚や食器などに残ったままだと、汚れを落とす作用が続いた状態になります。怖いのが、皮膚から体の中に浸透していく恐れがあること。また分解されにくい特徴もあり、人の体に害を及ぼす危険も心配されているのです。

酸性を中和するには、反対の性質を持つアルカリ性。つまり石鹸です。
石鹸は天然の界面活性剤で、水にふれると働きがなくなります。汚れを落としたら役割を終える、安心と言われている理由はそこにあります。
また、アルカリ性だから肌に刺激があると誤解されがちですが、酸性はアルカリ性で中和されるので、汚れをきれいに落としてくれるのです。
酸性を酸性で洗っても洗浄力は落ち、汚れが残って肌に負担をかけるといった結果が生まれてしまいます。
健康な肌は、一時はアルカリ性に傾いても、自然に弱酸性の肌に戻る力があるのです。

石鹸、弱酸性ソープどちらもその人の肌質に合うものを選んで使うのが一番です。

どちらかでないといけないと決めつけることもなく、石鹸が合うならさっぱり洗ってあとはしっかりと化粧水などでお手入れすれば良いことですし、肌が弱いなどのトラブルをお持ちなら、弱酸性ソープを使って優しく汚れを落としてきれいにすすぎを行うように注意を払っていくように自分の肌と向き合うことが大切ですね。

界面活性剤とは?

界面活性とは、混じりあうことない水と油の境界(界面)。
この間を取り持つのが『界面活性剤』で、『天然界面活性剤』と人の手により作り出された『合成界面活性剤』にわかれます。

・『天然界面活性剤』には、石鹸、サポニン(ヘチマの茎、抹茶、ヒトデ、ナマコに含まれている)、レシチン(大豆、卵黄)、牛乳(カゼイン)があります。

・『合成界面活性剤』とは主な原料が石油です。中には天然油脂を原料にしたものも出ています。。

合成界面活性剤が開発された理由には、第一次大戦中に石鹸の原料となる油脂が足りなくなったことに始まったのです。また、石鹸はヨーロッパの水(硬水)とは相性がかなり悪く、泡立ちが悪かった理由もありました。そこでこれらをクリアして、石油を原料とし開発されたのが合成界面活性剤です。
調べてみると種類も多く、専門用語や名前も役割もかなり難しい…ものでした。

一番の問題は、人体に悪影響を及ぼすものも中にはあり、それが体内に浸透してしまうことがあるかもしれないということです。
しかし、この問題を克服するために新しい技術も取り入れられ、比較的安全に使用出来るものも開発されています。

それに、界面活性剤全てが悪いものではありません。実際に、日常から身近に使用している、洗剤類、シャンプー、ソープ、歯みがき粉、コンタクトレンズ保存液などにも原料として使用されているのです。
健康被害のないように、使用には配慮されていますが、界面活性剤とはどういったものかということを知っておく必要はあると感じました。

まとめ

石鹸も界面活性剤の一種です。しかし、合成界面活性剤の入っているものとは性質も働きも違ったものでした。どちらが良くてどちらが悪いとは決められません。

どちらにもメリット・デメリットがあります。もっともと思える言葉にまどわされず、きっちりと自分の目や耳で見極めていかなければいけませんね。

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