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【謎の飛行物体X】NASAも関与する計画について調べてみた

【謎の飛行物体X】NASAも関与する計画について調べてみた
※未確認飛行物体

UFO(unidentified flying object/未確認飛行物体)という用語は本来は所属が把握できていない物体や、登録されていない物体などを指す「航空・軍事用語」であった。
それが一般的には異星人が乗る飛行物体として広まっていった。一時のUFOブームは去ったが、今でも様々な推測がなされている。

さらに、アメリカでは軍と宇宙人とで宇宙船極秘開発計画が進められているともいわれ、空軍基地の周辺では見たことのないような飛行物体や、奇妙な光などの目撃例が相次いだ。しかし、そのすべてが捏造や見間違いだとは言い切れない。

なぜなら、アメリカ軍はこれまでも極秘で飛行物体を開発してきた事実があり、一部ではNASA(アメリカ航空宇宙局)も関与しているのである。

X-37

2017年5月7日、フロリダ州のケネディ宇宙センターに着陸したその機体は、ほとんど知られていないが、史上初の記録を携えて宇宙から舞い降りてきた。
無人機ながらも1年と352日の地球周回軌道での滞在を達成したのである。スペース・シャトルの軌道滞在期間が16日だったのに対し、その機体はスペック上の270日という設計寿命を大きく超えた。

もちろん無人であるために、食料や酸素の供給が必要ないという点では違うが、大気圏外を飛行する機体は常時宇宙線にさらされ、激しい温度の変化や小物体との接触にも耐えなければならない。姿勢制御用の燃料にも限りがある。その意味では大変に意義のある記録だった。

その機体は「X-37」と呼ばれている。

1996年、NASAの主導により、先進的で低コストの再使用型宇宙往還機の技術試験機としてX-37の開発を開始した。コンペの末にボーイング社が製造することになり、X-37の本格開発は1999年より開始されている。
2004年9月に開発の主管がNASAから国防高等研究計画局に移管され、軍事プロジェクトとなった。

乗員: なし
全長: 8.9 m (29 ft 3 in)
全高: 2.9 m (9 ft 6 in)
翼幅: 4.5 m(14 ft 11 in)


※X-37B OTV

この小さくて燃料の代りに電池によって飛行する小型機のテストミッション内容は非公開であり、その素晴らしい記録とは裏腹に小さく報道されただけであった。

Xプレーン


※最初のXプレーン、ベルX-1

第二次世界大戦で航空機の重要性を再認識したアメリカ合衆国、並びにアメリカ軍は、戦後すぐに実験機・記録機の開発に着手した。そこで得た成果を量産機にフィードバックするのが目的である。名称が実験機・記録機を意味するXで始められていることから、Xプレーン(X plane: planeは飛行機の意)と呼ばれるようになった。なお、アメリカでは試作機や試作火器の名称の頭にXを付けるのが慣例となっている。

最初のXプレーンは、1946年に製作されたベルX-1である。これは、音速を突破するために造られた機体であった。これ以降もアメリカ航空宇宙局(NASA)、空軍、航空機メーカーを中心に開発されている。

第二次世界大戦ではドイツ軍がいち早く「メッサーシュミット Me262 ジェット戦闘機」を実戦配備したが、アメリカでも超音速のジェット戦闘機の開発が計画されていた。

実戦によりレシプロ(プロペラ機用)エンジンは急激に進化し、それに伴い航空機の速度も右肩上がりに増加していった。しかし航空機の速度が700km/hを超えるあたりになるとプロペラの先端や翼上面の空気流が音速(マッハ 1)に近づき、衝撃波が発生して空気の性質が激しく変化するようになる。抗力が急増すると共に、機体が異常な振動(バフェッティング)を起こし、場合によっては操縦不能、空中分解ということもあった。これがいわゆる音の壁である。

1940年代になるとジェットエンジンが開発されたことにより、音速飛行は現実味を帯びてきた。そして、1946年にはX-1の完成により、世界初の超音速機が誕生したのである。

X-29


※正面から見たX-29A

X-1以降もそれぞれの目的に特化した様々なXプレーンが製作されたが、その中でも興味深いのがX-29である。その最大の特徴は前進翼とカナード翼である。1984年にグラマン社が2機だけ生産している。主翼が前方に向く前進翼は航空機としては不安定だが、機動性ではこの不安定さが有利になるとされている。通常の機体は安定性のマージンを十分に取ってあるが、その分だけ機動性が落ちる。そこで安定性のマージンを可能な限り削り、電子制御により動作をサポートすることで、機動性を上げるのが狙いだった。

また、カナード翼は主翼が後方に配置されているため、それを補う翼の役目を持っている。現在のアメリカ軍では前進翼機開発の予定はないが、1997年9月25日、ロシアの前進翼機Su-47(当時S-37)が初飛行に成功している。

※フォーメーションフライトを行うSu-47

X-35


※X-35

ロッキード・マーティン社、アメリカ空軍、アメリカ海軍、イギリス空軍が合同で開発した機体である。統合打撃戦闘機計画(JSF:Joint Strike Fighter)計画に基づいて開発されたステルス試作実験機(概念実証機)であった。

この機体が後にF-35としてアメリカ空軍、海軍、海兵隊などに配備されるF-35に発展することになる。

近年のXプレーン


※X-57

その後もXプレーンは製作され続けており、現在(2017年5月)最新の機体がX-57である。

2016年になりその詳細が発表されたが、電気飛行機の研究用プロトタイプというものであった。X-57の特徴は翼に取り付けられた14個のモーター駆動のプロペラである。これらのプロペラは2つの大型プロペラと12個の小型プロペラから構成されている。そして離陸や着陸時には14個のプロペラすべてを使い、巡航時には2つの大型プロペラを使ってバッテリー消費を抑えるわけだ。

現時点での乗員はたった一人だが、NASAによると、時速175マイル(時速約280km)での巡航時にX-57は従来の航空機の5倍の燃費を達成すると公表している。

軍用機とはかけ離れた機体に思えるが、これが実現すればほぼ無音で敵地に潜入できる軍用機の開発も夢ではない。民間だけが期待しているのではないのは確実である。

最後に

ここに紹介したものは、わずかばかりでも写真や資料が公開されたものばかりであるXプレーンのなかには名称だけが公開され、所属、形状、目的が公開されていない機体もある。そのことから、Xプレーン以外にも軍が独自に未確認飛行物体を製造している可能性は高い。

もしかしたら、UFO目撃談のなかにはそうした機体が含まれているのかもしれない。

(F-35については「F-35(ステルス戦闘機)について調べてみた」を参照)

 

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