日本史

高島藩諏訪家の菩提寺・温泉寺に行ってみた 「長野県の歴史観光スポット」

長野県の温泉寺は、歴史好きの人に是非おすすめしたい寺です。

場所が少しわかりにくく地元でもあまり知られていませんが、歴史好きにはたまらないスポットとなっています。

温泉寺とは

高島藩諏訪家の菩提寺・温泉寺に行ってみた

画像:温泉寺山門 本人撮影

温泉寺(おんせんじ)の住所は、「長野県諏訪市湯の脇1-21-1」です。

高島藩の2代目藩主・諏訪忠常が、上諏訪温泉の源泉を保護するために下諏訪にある慈雲寺から14世泰嶺玄末を開山として招き、1640年に建立されました。
それ以降は高島藩主・諏訪家の菩提寺となっている臨済宗妙心寺派の寺院です。

1870年には火災により伽藍が消失しましたが、高島城から山門や薬医門、能舞台が移築され守屋貞治による願王地蔵などがあります。

高島藩主諏訪家墓所は、初代高島藩主の墓所がある茅野市の頼岳寺とともに国の史跡に指定されています。

高島藩主・諏訪家墓所

高島藩諏訪家の菩提寺・温泉寺に行ってみた

画像:墓所説明 本人撮影

寺の脇の道を上っていくと高島藩藩主の墓地があります。

林の中にあり静かな空気が漂っていますが、墓地に上る石段部分が少し足場が悪いこともありますので、上る際には滑らないように注意が必要です。

石段正面には「天久院」という小さな建物があり、2代目藩主・忠常公の墓所となっています。

高島藩諏訪家の菩提寺・温泉寺に行ってみた

画像:諏訪忠常墓 本人撮影

その忠常公の墓所の左右に、8代目までの藩主の廟が並んでいます。

藩主の墓所というだけあって荘厳な雰囲気に包まれています。

石段下左側にパンフレットが置いてあります。

温泉寺 多宝塔

画像:温泉寺塔 本人撮影

温泉寺脇の道から撮ったのでよく見えませんが温泉寺の多宝塔です。

こちらの塔には諏訪大社上社本宮の御神体、石造りのお鉄塔が安置されています。
市指定の文化財となっており江戸時代中期に建てられたものでしたが、現在は1767年に再建されたものとなっています。

紅葉の時期に行くと、色づいた葉と多宝塔の美しい姿を見ることができます。

高島城 移築門

画像:高島城移築門 本人撮影

温泉寺の山門は高島城から移築された門です。

城内のどの門が移築されたのかは定かではないのですが大手門とする説もあります。重厚な造りです。

温泉寺 本堂

高島藩諏訪家の菩提寺・温泉寺に行ってみた

画像:温泉寺本堂外観 本人撮影

温泉寺の本堂です。

この本堂は元々高島城にあった能舞台で、本堂の中には鏡板が残されています。

温泉寺 経蔵

画像:温泉寺経蔵 本人撮影

この中には八角八面の輪蔵があり、昔文字を知らない人のために真心を込めて一回転することにより、経文を読んだのと同じ功徳があるとしたものです。

山門をくぐって右手にあります。

【和泉式部の墓】

高島藩諏訪家の菩提寺・温泉寺に行ってみた

画像:和泉式部の墓 本人撮影

温泉寺脇の道を上っていくと左手の木の下にひっそりとたたずんでいるのが平安時代の歌人「和泉式部の墓」です。

和泉式部は小倉百人一首56番の歌「あらざらむ この世の外の 思ひ出に 今ひとたびの 逢ふこともがな」の作者です。

京都で亡くなったはずの彼女の墓がなぜ諏訪にあるのかというと、和泉式部の出身地が下諏訪だという説に関係しています。

この五輪塔はよく見ると上2段しかありません。
これは和泉式部が亡くなってお墓が建てられた際に「出身地である諏訪に彼女を戻してあげるために、五輪塔の上2段だけを京都から運んできた」と伝えられています。しかし木津川出身だという説もあり、本当のところはわかっていません。

このほかにも温泉寺には1430年に作られたという梵鐘があり、これは元々長野県伊那市の安養寺にあったものですが、織田信長が甲州征伐で武田勝頼を攻めた際に、陣鍾として奪ってきたものをこの辺りに捨てていったものだと言われています。

引きずってこられたため文字は薄くなってしまっているようですが、歴史の一端にふれることができます。

終わりに

梵鐘と能舞台の鏡板は本堂の中にあるため外から見ることはできませんが、お寺さんにお願いすると見せてもらうことができます。

温泉寺は少し高台にあるため眺望もよく諏訪湖や市街地が一望できます。

駐車場も広く通常はそんなに混んでいないためゆっくりと散策ができおすすめの場所です。

参考文献
信濃毎日新聞社「信州の文化シリーズ 寺と神社」
郷土出版社「探訪信州の古寺 禅宗」
大高利一郎「街道を歩く甲州街道」揺籃社

 

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草の実堂編集部

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草の実学習塾、滝田吉一先生の弟子。
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