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障害者向け福祉サービス・就労移行支援とは?

就労移行支援とは何か?対象者は?

就労移行支援とは、社会生活上さまざまな困難を抱えた障害者のために用意されている、国の福祉サービスのひとつである。

就労移行支援を行っている事業所に通所し、そこで就労のためになる訓練を行うことができるというものだ。

利用できる上限としては最大2年まで(状況によって特別に+1年の場合あり)であり、それまでに「就労移行」できなかった場合、次の訓練場所は「就労継続支援B型」になる。

この利用対象であるのは障害者だ。障害者というと、目に見えて分かりやすい身体障害者はもちろん、知的障害や近年話題になっている発達障害、精神障害、そして難病患者の一部がそれにあたる。


何をもって「障害者」とするか。それは基本的には障害者手帳を所持していることによって認められる。

就労移行支援を利用するには、まず障害者手帳を取得する。それから役所の障害者支援課に相談し、主治医の意見書と市の審査を経て「障害福祉サービス受給者証」を発行してもらう。その後、各事業所に利用登録をして訓練が始まる。

引きこもりでも使える?

社会生活上に困難を抱えている存在として知名度が高いのは「引きこもり」と呼ばれる人々だ。
「引きこもり」は病名でもなく障害名でもない。彼らは就労移行支援を利用できないのだろうか。

実際のところ、対応は事業所ごとに変わってはくる。しかしWEBサイトやチラシなどで「障害者手帳を持っていなくてもご相談下さい」と言っている事業所は多い。

よく考えてみると、身体に異常がなく知的水準も一定以上でありながら引きこもっている、働けない状態というのは何かがおかしいと言っていい。

引きこもりのごく一部は、「働いたら負け」と思って遊んでいる者もいる。しかし多くは、働かねばと思っている。自責の念や劣等感を持ち、それでいながら就労が恐ろしくて動けなかったり、働いても続かなかったりする。「したくてもできない」「できずに困っている」という状態が数か月以上持続していたら、それは精神疾患や発達障害を持っている可能性が高いのだ。

精神科系の問題は、血液検査やCTなどでは基本的に見えない。だからこそ見過ごされ、「やる気の問題」「心理的に未熟」などと精神論で片づけられがちだが、無理をしても悪化してしまうことが多い。尻込みせず、精神科医と相談してみよう。障害者手帳を取得できれば受けられる支援が増え、一歩進めるはずだ。

事業所のかしこい利用法

障害者向け福祉サービス・就労移行支援とは?

さて、就労移行支援は障害者を支援する福祉サービスだが、実は利用者が主体的に動いていかないと思うような結果が得られないことが多い。

基本的に就労移行、つまり就職をして社会人として働くことを目標とした訓練なので、「働きたくないけど親が言うから…」「障害者だから優しくしてほしい…」という姿勢ではそもそもうまくいかないことは念頭に置いておきたい。

心構えの面だけでなく、いくつか利用するにあたってのポイントもある。それをご紹介したい。

・事業所の選び方

就労移行支援が上手くいくかどうか。それは事業所の選び方からはじまっている。
さまざまな事業所の中から自分が通う先をどう決めるか。

まず第一に「毎日無理なく通える立地かどうか」。これがポイントだ。

また、それぞれ自分の望む就職先や分野などのイメージがあると思うが、それに向けた訓練内容があるかどうかも重要な決め手だ。

・基本的なことを大切に

就労移行支援事業所では、ビジネスマナーやPCスキル等、実践的な各種のトレーニングや企業へ赴く実習などを行ったりする。そして就労することが一応のゴール地点となる。
とはいえ、障害者にとって就労自体がかなりハードルの高いものになるだろう。

最も大切なのは、ビジネスマナーを完璧に振る舞えることでもエクセルをばりばり使いこなせることでもない。毎朝起きて週5で健康に通所できる生活リズムを作ることだ。

気分が乗らないから行かない、なんとなくだるいから休む、といった言い訳をなくし、少し心身に厳しさをもっていくことが必要だ。

障害者向け福祉サービス・就労移行支援とは?

勿論、本当に体調不良のときは無理してもいけない。ただし、社会生活の基本は、決まった時間に決まったところへ行って活動することだと覚えておこう。逆にそれができれば最低ラインは合格と言っていい。

・「就労パスポート」を活用

外見から分かりにくい精神障害者は、他者に障害をうまく伝えることが難しく、職場への定着率が低いと言われている。
それを少しでもスムーズにするため、2019年11月に厚生労働省が「就労パスポート」を制作した。

これは障害者手帳のようなものではなく、完全に任意記入、利用するしないは本人の自由だ。

自分の障害名や必要な配慮事項の他、これまでに仕事経験があればそれも書き込むことができる。これをまず自分で下書きしてみて、事業所の人に見せて相談していくことで、障害についての自己理解やコミュニケーション力向上に役立つ。

口頭ではうまく伝えられなくても、時間をかけて文字にまとめ推敲していけば、「わかってくれない」「うまくいかない」を少しでも減らすことができるだろう。

就労移行支援は練習の場

就労移行支援は「支援」とついているが、受け身のままでは満足のいくサービス利用には至らない。

仕事につながるスキルの練習、コミュニケーションの練習、生活リズムを整える練習…

実際の仕事が始まったらいつまでも練習はさせてもらえない。就職という本番の前に、考えて選んだ事業所で存分に練習しておきたい。それは確かな自信につながるはずだ。

 

ニジクマノミ

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