乗り物

モナコってどんな国? 「F1グランプリで有名」

モナコ

地中海の穏やかな揺らぎに陽光が反射する。

季節の花が一年中街を彩り、温暖な気候と富の象徴がそこにはあった。

モナコ公国は南フランスの地中海に面した、イタリアとの国境に近い場所に位置する。世界で2番目に小さい国家で、国連加盟国では世界最小(非加盟国ではバチカンが最小)。面積2k㎡ほどの小さな都市国家だが、立憲君主制の立派な独立国家なのだ。

我々が普段は気にすることのないこの国は、どのような場所なのだろうか?
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モナコ公国の歴史

神聖ローマ皇帝ハインリヒ6世から1191年にこの土地を与えられたジェノヴァ共和国は、1228年に今日のモナコを建設した。地理的にもイタリアに近いのがわかる。

1297年、モナコはローマ教皇神聖ローマ皇帝をそれぞれ支持する争い「教皇派と皇帝派」の対立により、皇帝派に占拠されていた。そこにフランシスコ会の修道士姿に変装し、法衣の下に剣を隠し持ったフランソワ・グリマルディらは、要塞の潜入・占拠に成功した。

これが現公国の始まりとされている。グリマルディは、現在のモナコ公家であるグリマルディ家の始祖である。そのため、1997年にはモナコにおいてグリマンディ家統治700年を記念する行事も行われた。ヨーロッパで体制が変わることなく700年も続く国家というのも珍しい。

モナコ
※モナコの国旗

1612年、オノレ2世の治世だったときにフランス王ルイ13世の保護下に入ることで、大公の称号を得た。歴代のモナコ公は独立君主であると共に、フランス王の臣下となったのである。モナコ公国は独立国だが、国王ではなく「公(prince)」つまり、貴族が国家元首なのだ。

第二次世界大戦では、イタリア、ドイツといった枢軸軍に占領されるも、戦後はフランスとの関係を密にしながら、観光国家へと変化していった。

現在の大公はアルベール2世である。

モナコ の観光

非常に小さな国なので、観光ポイントもあまり多くない。海岸から一気に勾配のきつい丘陵部があるので、公共のエレベーターと市内バスなどを使うといい。

以前のモナコは観光よりも移住する国、またはタックス・ヘイブンのひとつとして知られていたので、国民が急勾配を歩かなくても良いように、公共のエレベーターが何基も設置されている。中には、エレベーターを乗り継いで移動する場所もあるくらいだ。

モナコ観光で外せないのは、やはりカジノだろう。モナコには4ヵ所のカジノがあり、グランカジノはパリのオペラ座を作ったガルニエという建築家によって建てられ、モナコの建築物のなかでもひときわ優雅に目立っている。

モナコ

モナコのカジノには現地の人間は入場できない。

あくまで外国人向けであり、外国人に金を落とさせるためらしい。なお、大金が賭けられているのは容易に想像できるも、ラスベガスのように派手なニュースがないのは、ここに集まる富裕層にとっては派手に騒ぐほどの額ではないためかもしれない。

大公宮殿も観光地としては有名だ。
海に突き出た岩山の上にあり、反対側の海岸から仰ぎ見るようになる。宮殿の前では、毎日11時55分に衛兵の交代式が行われる。


※モナコの衛兵

イギリスのバッキンガム宮殿のものと似ているが、モナコは事実上軍隊を保有しておらず、領域警備のための大公銃騎兵中隊がこうした交代式を行う。
無論、モナコの領土防衛はフランスが責任を持つことになっているため、事実上は儀礼隊のような存在になっているのだ。

その他にも小さな見所はいくつかあるが、外せないのはF1モナコグランプリのコース観光だろう。普段は公道なので自由に移動が出来る。なかにはフェラーリ(市販車)を使ってコースを一周するツアーなどもある。

モナコの住人と経済

モナコの人口は約3万とされているが、そのほとんどがフランスを中心とした外国籍の居住者で、モナコ国籍の人間は20%にも満たないと言われる。
これはモナコがタックス・ヘイブン(個人居住者に対して所得税を課さない)であることと、簡単にモナコ国籍が取得できないことが大きい。

そのため、住所だけをモナコに移し、実際は海外で生活するものも多い。最近は警察でもそうした実態のない居住者に対しての取り締まりも強化している。

一方、モナコ国籍を持つモナコ人は国から居住手当て、仕事紹介、商業補助、社会福祉などの恩恵を受けることができる。そのため、国籍取得の条件が厳しいのだ。モナコ人と結婚したとしても約5年間はモナコ国籍を取得できないと言われる。

富裕層が多い国だけに治安は非常に良く、治安が良いため富裕層が集まるともいえる。街の景観を損ねないように整備がされ、スリなどの犯罪もほとんどない。

F1グランプリ

F1モナコグランプリを語らずにモナコの話を終えることは出来ない。
1929年に始まったこのレースはF1にとっても、モナコにとってもシンボルともいえる名物になっている。

表立っては話に出ないが、始まりはセレブが競馬のように賭けの対象とするために開催したという。その後、難度の高いコースとそこで繰り広げられる激闘により「モナコGPの優勝は3勝分の価値がある」とドライバーに言わせるほどの人気のコースとなった。

よくモナコグランプリを「モンテカルロのコース」などと呼ぶが、モンテカルロはカジノなどがある地区の名称で、モンテカルロ市街地コースと呼ばれるためだ。公道を閉鎖して作られたコースは、ほぼガードレールだらけである。そのため、マシンのコックピットからはほぼガードレールしか見えない高さになる。実際にマシンに座れば分かるが、F1の視界は危険を感じるほど地面に近い。

その制約によってトラブルも発生するが、それもまたギャラリーにとっては祭りを盛り上げる要素なのだろう。

当然、モナコグランプリ開催中は多くの人が訪れる。ホテルの料金は軒並み跳ね上がり、一年先まで予約が埋まることもあるくらいだ。高級ホテルやマンションのバルコニー、クルーザーから観戦するセレブもいるが、なかには期間中は部屋を貸し出して海外の保養地で過ごすものもいる。

交通状況が極端に悪化するためだ。同じ理由でモナコ入りをするセレブは最寄のニースの空港からヘリでモナコに来るものまでいる。

最後に

誰もが憧れるが、簡単には移住はできそうにない。街全体が小さいため移住を待たされることもあるらしいのだ。しかし、観光で行くなら良い街である。
ニースにも近いので、南仏に行く機会があればモナコ観光もおすすめだ。特にF1好きにとっては聖地なのだから。

 

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