海外

ベトナム人に「グエンさん」が多いのはなぜか? 【国民の40%】

イメージ画像

海外旅行で昔から人気のベトナム。訪れたことのある人も多いだろう。

そんな人気のベトナムだが、名前に「グエン」(Nguyễn)姓が多いことをご存知だろうか?

なんと国民の40%がグエン姓で、世界でも4番目に多い姓なのである。

一体なぜそうなってしまったのだろうか?

グエン朝が由来だった

王朝の祖先の墓に巡礼するグエン朝最後の皇帝 保大帝(バオダイ) 1932年11月4日 wiki c

グエン朝(阮朝)は、1802年から1945年にかけて存在したベトナムの王朝である。

しかし1887年、フランス領インドシナの一部として全土がフランスの支配下となってしまった。

結局1945年の王朝の終焉まで支配下に置かれてしまったのだが、グエン朝政府はある日、国民に対して「王と同じ姓を名乗っても良い」と布告を出したのである。

理由としては、「国民の愛国心を高めるため」「支配され続けている王朝に対する反感を減らすため」だったとされている。

こうしてベトナムでは「グエン」姓を名乗る人たちが圧倒的に多くなってしまったのである。

不便ではないのか?

例えば日本であれば、国民の名字の4割が「鈴木さん」であれば大変不便である。

しかしベトナムでは、互いに名前で呼び合う習慣が根付いているという。

こうなってしまったのも「グエン」の他に、かつて存在した王朝の姓「チャン(陳朝)、レ(黎朝)、リー(李朝)」の方が多く、昔から不便だったせいかもしれない。

もし日本で同じことが起こったら、国民の4割が「徳川さん」だったのであろうか。

参考文献 : 地理の話大全

 

草の実堂編集部

投稿者の記事一覧

草の実学習塾、滝田吉一先生の弟子。
編集、校正、ライティングでは古代中国史専門。『史記』『戦国策』『正史三国志』『漢書』『資治通鑑』など古代中国の史料をもとに史実に沿った記事を執筆。

✅ 草の実堂の記事がデジタルボイスで聴けるようになりました!(随時更新中)

Youtube で聴く
Spotify で聴く
Amazon music で聴く
Audible で聴く

コメント

    • 名無しさん
    • 2022年 6月 22日 7:15am

    姓と性をきちんと使い分けて下さい。
    ちょっとしたことで、記事の信頼性が落ちて残念です。

    0 0
    50%
    50%
      • 名無しさん
      • 2022年 6月 22日 7:27am

      記事自体は興味深かったので少し残念

      0 0
      50%
      50%
    • 修正いたしました。
      ご指摘誠にありがとうございますm(_ _)m

      0 0
      50%
      50%
  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事

  1. アジアの女性人生ドラマが支持され続ける理由 「東京タラレバ娘、3…
  2. 自由の女神はいつどうやって作られたのか?【フリーメイソンの絆】
  3. 【38人見ていたのに誰も助けなかった】 キティ・ジェノヴィーズ事…
  4. 中国が日本産水産物の輸入を再開へ ~なぜ今?背後にある3つの狙い…
  5. アメリカで「梅毒」が急増中 【1950年代以来最高値に】
  6. 条約に見る北方領土・プーチン外交でロシアの勝利か?
  7. なぜ9.11同時多発テロは起こったのか? ビンラディンが描いた「…
  8. 多くの中国人が種を食べすぎて歯が凹む 「瓜子歯」とは

カテゴリー

新着記事

おすすめ記事

やなせたかし氏の戦争体験から生まれた「アンパンマン」に込めた強い思い

アンパンマンを知らない日本人はほとんどいないだろう。お腹を空かせて泣いている子供に自分の顔を食べ…

戦国大名はどうやってお金を稼いでいたのか? 「年貢、鉱山、交易、脅しや略奪まで」

はじめに大名たちにとって過酷な生存競争が続いた戦国時代。当然ながら生活していくために…

「藤原氏の祖」となった中臣鎌足 ②【乙巳の変と大化の改新】

乙巳の変今回は前回に引き続き後編である。中臣鎌足と中大兄皇子が狙うのは、大臣とな…

軍事評論家リデル・ハートの【大戦略・間接的アプローチ】

グデーリアンに影響を与えたリデル・ハート「大戦略」はイギリス人の軍事評論家としてその名を…

『ラストエンペラー溥儀』なぜ異例の火葬に?清朝最後の皇帝の終焉とは

ラストエンペラー清朝最後の皇帝、愛新覚羅溥儀(あいしんかくら ふぎ)。その本名よ…

アーカイブ

人気記事(日間)

人気記事(週間)

人気記事(月間)

人気記事(全期間)

PAGE TOP