国際情勢

「このままでいいのか?」日本離島を買収する中国資本の脅威

日本の国境離島が、いま静かに、しかし確実に「浸食」されつつある。

近年、北海道から沖縄に至るまで、本来は日本の主権が及ぶはずの離島やその周辺地域で、中国系資本による土地取得や不動産買収が相次いで確認されている。

こうした動きは、表面的には民間による不動産投資に見えるかもしれない。

しかし、その多くが国境付近や戦略的価値を持つ地域に集中している点を踏まえれば、単なる経済活動として片付けることは難しい。

日本の安全保障、領土管理、さらには主権のあり方そのものを静かに揺さぶる、看過できない事態が進行していると言えるだろう。

画像 : 離島イメージ(瀬戸内海の島々) Reggaeman CC BY-SA 3.0

土地買収の裏側と国防の空白

買収の対象となっているのは、自衛隊基地に隣接する土地や、国境付近の重要な水源地、さらには島そのものだ。

2023年、沖縄県屋那覇島の土地の約半分が、中国系関係者の関与する法人によって保有されている実態が報道などで明らかになり、SNSを中心に大きな波紋を呼んだ。

なぜ彼らは、利便性が高いとは言い難い日本の離島を欲するのか。そこには戦略的な意図が透けて見える。

有事の際、これらの拠点が情報収集や工作活動の足場として利用されるリスクは極めて高い。

日本の法律では、長らく外国資本による土地取得に対する規制が緩く、いわば「買収し放題」の状態が続いてきた。

この国防の空白を突く形で、着々と「静かなる侵略」が進められてきたのである。

経済的利益と主権の危ういバランス

地元住民にとって、過疎化が進む離島の土地が高値で売れることは、短期的には経済的メリットに見えるかもしれない。

しかし、その代償はあまりに大きい。

一度外国資本の手に渡った土地は、日本の国内法によるコントロールが及びにくくなるためだ。

特に中国の場合、国家情報法によって、企業や個人は政府の要請があれば情報活動に協力する義務を負っている。

つまり、民間資本による買収であっても、実質的には中国当局の影響下にあると考えるのが自然である。

観光開発や農地利用という名目の裏で、日本の主権が骨抜きにされていく現状は、一刻の猶予も許されない。

画像 : 北京金融街 CobbleCC CC BY-SA 3.0

法整備の加速と国民の注視

こうした事態を受け、日本政府は「重要土地利用規制法」を施行し、自衛隊基地周辺や国境離島などの監視を強め始めた。

しかし、この規制には依然として穴が多い。

例えば、同法は土地の売買そのものを原則として禁止する仕組みではなく、実際の対応も事後的な調査や勧告にとどまる場合が多い。

このため、安全保障上の懸念が指摘される土地取得であっても、即座に是正措置が取られないケースが残されている。

また、中国資本はフロント企業を介して正体を隠し、巧妙に法の網をくぐり抜けようとする。

我々に求められているのは、単なる排外主義ではなく、自国の領土をいかにして守り抜くかという断固たる意志である。

メディアや国民がこの問題に高い関心を持ち続け、政府に対してより強力な法的措置を求めていくことが、日本の海と島を守る唯一の道となる。

文 / エックスレバン 校正 / 草の実堂編集部

  • Xをフォロー
  • Threadsをフォロー
好きなカテゴリーの記事の新着をメールでお届けします。下のボタンからフォローください。
アバター画像

エックスレバン

投稿者の記事一覧

国際社会の現在や歴史について研究し、現地に赴くなどして政治や経済、文化などを調査する。

✅ 草の実堂の記事がデジタルボイスで聴けるようになりました!(随時更新中)

Youtube で聴く
Spotify で聴く
Amazon music で聴く
Audible で聴く

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事

  1. 『世界激震のトランプ相互関税』カンボジアやベトナムなどASEAN…
  2. なぜ中国は北極に執着するのか?氷が解けた「新たな戦場」の正体
  3. 「中国、ロシア、北朝鮮」の軍事同盟が絶対にできない理由とは?
  4. なぜトランプはマドゥーロ大統領を拘束した?ベネズエラでは一体何が…
  5. 日本は『第二のウクライナ』となるのか? ~外交・防衛の視点から考…
  6. 今後、中国が切る「対日カード」とは 〜渡航自粛や水産物の輸入停止…
  7. 日本国内での『ロシア人スパイ』の動きとは 〜具体的な手口と実体験…
  8. 防衛省が熊本に長射程ミサイル配備へ「射程約1000km」九州が防…

カテゴリー

新着記事

おすすめ記事

平宗盛は本当に無能だったのか調べてみた

平宗盛像(『天子摂関御影』収録)偉大な父に対して、パッとしない二代目という図式は、世にはよく見…

『白村江の戦いの真の目的とは』 天智天皇は負けるとわかりながら派兵した?

唐・新羅と戦った白村江の戦いの従来説日本が律令国家へと歩みを進める大きな契機となったのが…

中世ヨーロッパの迷信的な治療法 「トレパネーション、水銀風呂、ミイラの粉」

医療は人類の歴史とともに進化してきましたが、その過程には、現代では信じられないような医療行為や治療法…

ヨーロッパピクニック事件とは【ベルリンの壁崩壊に影響を与えた亡命劇】

汎ヨーロッパピクニック事件とは汎ヨーロッパピクニック事件とは、冷戦終結前夜、1989年のハンガリ…

古代中国の皇帝はどうやって側室を選んだのか? ~多いときは一万人

皇帝の側室選びが持つ重要な意味古代中国において、皇帝の側室選びは単なる個人的な好みに留まらない、…

アーカイブ

人気記事(日間)

人気記事(月間)

人気記事(全期間)

PAGE TOP