国際情勢

『なぜ高止まりしない?都心タワマン価格』世界各国の首都と比べた東京不動産

2026年現在、東京都心の不動産価格はかつてない領域に突入している。

不動産経済研究所の発表によれば、2025年の東京23区における新築分譲マンションの平均価格は1億3613万円を記録し、前年比で20%を超える上昇を見せた。

特に湾岸エリアや港区、千代田区といった都心部では、一戸数億円を超える「億ション」がもはや当たり前となり、一般の給与所得者には手の届かない「高嶺の花」と化している。

建築資材の高騰や人件費の上昇といったコストプッシュ要因に加え、円安を背景とした海外投資家からの熱い視線が、価格をさらに押し上げている。

もはやこの動きは一過性のバブルではなく、東京という都市が「国際金融都市」としての価値を再評価されている過程にあると見るべきだろう。

画像 : 都内タワマン イメージ public domain

ニューヨーク・ロンドン〜世界の主要都市との比較

日本の価格高騰に驚く声は多いが、視点を世界に向けるとまた違った景色が見えてくる。

ニューヨークのマンハッタンやロンドンの中心部では、日本を遥かに凌ぐ価格水準が維持されている。

たとえばニューヨークでは、セントラルパーク周辺の超高層マンションに限れば、数百万ドル(数億円)級の価格帯が並び、極めて高い水準が常態化している。

ロンドンにおいても、海外マネーの流入が厳しく制限されつつあるものの、中心地の不動産はインフレ率を上回るペースで推移している。

これら欧米のトップ都市と比較すれば、実は現在の東京は「ようやく国際標準の評価に近づいてきた」という見方もできる。

一方で、アジアに目を向ければ、シンガポールも依然として強気だ。

政府による強力な住宅購入規制があるにもかかわらず、安全資産としての需要は高く、東京のタワーマンションを、相対的に「割安」と評価する声が、アジアの富裕層の間で聞かれるようになっている。

画像 : ロンドンのマンション Suttonpubcrawl CC BY 3.0

「都心一強」は加速。2026年以降の市場予測

今後の展望として、金利上昇局面への移行が懸念されているが、富裕層や投資家の比率が高い都心のタワーマンション市場では、影響は限定的と見る向きが多い。

富裕層や投資家はローンへの依存度が低く、むしろインフレヘッジとしての現物資産需要が強まるからだ。

また、2030年に向けて、中野や金町、浦和といった準都心エリアでの再開発も加速している。

都心部が高騰しすぎた結果、需要が周辺の「セカンドベスト」な立地へと波及し、首都圏全体の底上げが続く公算が大きい。

かつてのような「土地神話」の再来ではない。
そこにあるのは、都市の利便性と希少性に冷徹な価格がつく「グローバル・スタンダード」への同調である。

日本の首都・東京の景色は、今まさに世界中の資本によって塗り替えられているのだ。

参考 :
不動産経済研究所 首都圏新築分譲マンション市場動向(2025年)
World Population Review Global city real estate / international comparison 他
文 / エックスレバン 校正 / 草の実堂編集部

  • Xをフォロー
好きなカテゴリーの記事の新着をメールでお届けします。下のボタンからフォローください。
アバター画像

エックスレバン

投稿者の記事一覧

国際社会の現在や歴史について研究し、現地に赴くなどして政治や経済、文化などを調査する。

✅ 草の実堂の記事がデジタルボイスで聴けるようになりました!(随時更新中)

Youtube で聴く
Spotify で聴く
Amazon music で聴く
Audible で聴く

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事

  1. 『日本車に25%トランプ関税炸裂』日本経済が崖っぷちに突き落とさ…
  2. 『トランプ関税』日常生活への影響はどこまで? ~4人家族の負担は…
  3. 自衛隊に迫る“最大の敵”は少子高齢化? 今後の3つの解決策とは
  4. 中国漁船は“ただの漁師”ではない? 尖閣諸島で進むグレーゾーンの…
  5. 氷が解けた北極で何が起きているのか?ロシア・中国・NATOが動く…
  6. 中国はなぜ今、日本産水産物の輸入を再開したのか? 「歩み寄り」の…
  7. 米中貿易会談は「習近平の勝利」その裏にある次のビッグディールとは…
  8. 中国で日本人が「スパイ罪」で拘束されないための3つの対策とは?

カテゴリー

新着記事

おすすめ記事

古の伝承が語る~ 体内に宿り人を操る『寄生虫』の奇怪な伝説

日本は「お魚天国」である。島国という地理的条件から、古くから魚食文化が発展し、新鮮な…

睡眠を上手に取る方法について調べてみた

睡眠の重要性(出展URL http://www.ashinari.com/2012/07…

【童謡詩人・金子みすゞ】なぜ26歳で自殺したのか? 亡くなる直前に食べた桜餅

金子みすゞといえば童謡詩人として有名です。優しく語りかけるような口調で、私たちの心を打つ詩を…

ランドセルは江戸時代から使われていた 【初めてランドセル登校したのは大正天皇】

ランドセルは日本人であるなら誰しもが使ったことがあるだろう。ランドセルの購入は小学1…

立花道雪・生涯無敗の雷神【武田信玄も対面を希望した戦の天才】

立花道雪とは大友宗麟に仕えた立花道雪(たちばなどうせつ)こと戸次鑑連(べっきあきつら)は、そ…

アーカイブ

人気記事(日間)

人気記事(月間)

人気記事(全期間)

PAGE TOP