江戸時代

桂昌院・徳川綱吉ゆかりの地「大本山 護国寺」に行ってみた

画像:護国寺 ※筆者撮影

真言宗豊山派「大本山 護国寺」は「護国寺駅」という駅名にも利用されている程、東京都文京区の地に根づいています。

3代将軍・徳川家光の側室であり、5代将軍・徳川綱吉の生母である桂昌院の祈願寺として創建されたお寺です。

「有楽町線護国寺駅」は、池袋駅・東池袋駅の次の駅ということで、アクセスも良い「大本山 護国寺(住所:東京都文京区大塚5-40-1)」をご紹介します。

真言宗豊山派の関東の総本山「護国寺」

大本山 護国寺」は、真言宗豊山(ぶざん)派の関東の総本山的な位置づけでもあります。そのため、豊山派の僧侶が定期的に足を運ぶ地にもなっています。

ちなみに「日本大学豊山高等学校・中学校」という学校名を耳にしたことがある方もいらっしゃるかと思いますが、まさに護国寺の隣りにある学校です。

都心とは思えない広大な土地を有しているお寺で、多くの木々や草花を楽しむことができるスポットとしても知られています。私自身も季節ごとに訪れているお寺の一つです。

たとえば梅の季節ですと、梅は護国寺の表門にあたる「仁王門」をくぐり抜け、階段をのぼる手前に咲いています。バックの門などとセットで撮影すると素敵な写真に仕上がります。

画像:重要文化財 ※筆者撮影

重要文化財に指定されている護国寺「本堂」「月光殿」、著名な彫刻家や設計監督により建立された「多宝塔」、平成8年に完成した「霊廟」など、見ごたえがあります。

元禄文化の粋を集めた書画・什器もあるとのことで、それらの中にも、国宝・重要文化財に指定されているものもあります。

なお、途中の階段を登ったところに「不老門」とよばれる立派な門がありますが、「不老」と書かれた二文字は徳川家達公の筆によるものでだといわれています。

名だたる方々の墓所もある「護国寺」

総理大臣も経験した大隈重信山縣有朋や、三条実美といった歴史上活躍された方々の墓所があるお寺でもあります。

ちなみに大隈重信ゆかりの早稲田大学の「大隈庭園」は下記でご紹介したことがありましたが、護国寺からも20分程足を運ぶことができます。

【過去記事:社会人でも「大学」を活用できる? ~大学の「カフェ」「学食」活用法!】
https://kusanomido.com/visited/85463/#i-3

現在も著名人の葬儀会場として利用されることが多いお寺の一つで、葬儀の際は厳しく警備されています。

様々なことで名が知られている「護国寺」

画像:緑豊かな護国寺 ※筆者撮影

コロナ前から長年、地元名士や芸能人・力士など、歳男・歳女のゲストの方が参加された上での「節分会」が行われるということで、毎年話題となっている護国寺。2022年から再開されていて、2024年も大きな話題となりました。

また、護国寺敷地内の珍しいスポットもあるため、ご紹介しましょう。「音羽富士」というところです。

文化14年(1817年)に築かれた富士塚で「江戸八富士」の一つに数えられているとのことです。やや険しい富士塚ですが、十合目を目指し、さっとのぼっていく親子の姿をよくおみかけします。

寺務所である本坊前の池では、立派な錦鯉をみることができます。こちらも近隣のお子さんたちがお散歩がてら訪れているスポットといえます。

また、護国寺の敷地に隣接して幼稚園も設置されています。護国寺の「惣門」のところに看板も出ています。

ちなみに「お受験殺人事件」「音羽お受験殺人事件」という名でも知られている「文京区幼女殺人事件」が1999年に起きたことを覚えていらっしゃいますか?「お受験」熱心な文京区の小学校受験戦争が犯行動機とされた事件です。

まさに、この護国寺目の前の通りが「音羽」と呼ばれるエリアで、この幼稚園も事件に関連しています。

護国寺の周辺の名店

護国寺エリアは「講談社」があることでも知られている街です。

また、様々な名店が集まるエリアでもあるため、併せてご紹介いたします。

群林堂(ぐんりんどう)」という和菓子のお店も護国寺駅5番出口徒歩1分のところにあります。毎日行列ができていますが、食べログ百名店に5回も選ばれている名店です。

お土産で購入して帰られることをおすすめします。

写真:オトワフジヤ 筆者撮影

その他にも、『コクリコ坂から』の由来となった洋食屋さん「コクリコ」、不二家の高級ブランドケーキを販売している「オトワフジヤ」、結婚式の二次会などでも利用される高級店「嘉ノ雅 茗渓館」 、生ハムで有名なイタリアン「タベルナアイ」、野菜倶楽部「オトノハカフェ」、女性にも人気な上品なラーメン屋さん「生粋 花のれん」なども徒歩圏内ですので、おすすめです。

セットで足を運ばれると、きっと良い思い出になると思います。

様々な歴史を感じつつ、自然にも触れながら良い散策ができるでしょう。

【参考HP】護国寺HP

アバター

草の実堂編集部

投稿者の記事一覧

草の実学習塾、滝田吉一先生の弟子。
編集、校正、ライティングでは古代中国史専門。『史記』『戦国策』『正史三国志』『漢書』『資治通鑑』など古代中国の史料をもとに史実に沿った記事を執筆。

✅ 草の実堂の記事がデジタルボイスで聴けるようになりました!(随時更新中)

Audible で聴く
Youtube で聴く
Spotify で聴く
Amazon music で聴く

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事

  1. 少女の壮絶な戦争体験記 『おあん物語』 〜血なまぐさい生首ととも…
  2. 吉原遊郭の歴史と仕組み 「江戸の異世界空間だった」
  3. 【実体験レビュー】駅ナカ×シェアオフィス=ステーションワークを利…
  4. 水野勝成 ~家康の従弟にして戦国の風来坊武将
  5. 「TUTAYA」の名前の由来となった蔦屋重三郎 【吉原から成り上…
  6. 松平定政 〜突然大名を捨てて出家し「狂気の沙汰」と呼ばれた家康の…
  7. 【祇園祭を千年以上支え続けた町衆が暮らす】 京都室町・鉾町を巡っ…
  8. ハワイ島 オーラが見える洞窟の行き方【マウナラニ】

カテゴリー

新着記事

おすすめ記事

野口英世【苦学・努力の人の印象とは少し違う実像】

知名度抜群の偉人 野口英世野口英世(のぐちひでよ)は、日本人であればその名を知らない人は…

ボウディッカ【ケルト人の自由と誇りを求めローマ帝国に立ち向かった女王】

イギリスの女王と言えば、大英帝国の栄光を象徴するエリザベス1世やヴィクトリア女王が有名ですが、その歴…

古代中国の神の木? 三星堆遺跡の「青銅神樹」とは

三星堆遺跡の神樹三星堆遺跡(さんせいたいいせき)は、1986年に中国・四川省三星堆で発見された遺…

渋野日向子選手の全英女子オープン優勝をやさしく解説

渋野日向子選手、全英女子オープン制覇!先日(最終日 8/5)行われた全英女子オープンでは…

五稜郭の星型の秘密について調べてみた「未完成の北海道最新鋭城郭」

北海道函館市にある「五稜郭」は、同地の著名な観光スポットだ。上空から見ると整った星型をしてお…

アーカイブ

PAGE TOP