核家族化・少子化が進む現代。一人っ子同士での結婚が増えるとお互いの実家のお墓を両方管理しなければならなくなっている家族も増えてきています。
永代供養?檀家?共同墓地、樹木葬、散骨、色々キーワードが漂っているけれど、情報を精査しないと何が何やら?
両親の墓、自分の時は?どう準備していいかわからない~?
ということでお墓と埋葬の歴史について調べてみました。
お墓っていつからあるの?
日本最古のお墓は、旧石器時代のもので北海道で発見されました。
縄文時代
手足を折り曲げた形で住居のそばの土中に埋葬される屈葬が主流です。
手足を折り曲げるのは死者が蘇ることを嫌ったためか、生まれる前の胎児の形を模倣して再生を願ったからとも言われています。
弥生時代
伸展葬と言われる手足を伸ばして木棺、石棺などの棺に入れて埋葬されました。
甕棺墓(かめかんぼ)と呼ばれるおわん型の土器を張り合わせてカプセル状にしたものに、屈葬で葬られる形もありました。
古墳時代
1800年ほど前に始まった古墳時代、天皇や貴族、地方の豪族などが権力の象徴として建てた古墳が造営されました。
最大級のものは大阪府堺市にある全長486mの仁徳天皇陵の前方後円墳です。クフ王のピラミッド、始皇帝陵と合わせて世界三大墳墓と呼ばれています。
この大規模な葬儀の儀礼も大化の改新の「簿葬礼」により縮小化されていくこととなります。
一般の民衆はこの時代は共同墓地に土葬されていました。
平安時代
貴族などの上流階級では石を加工したお墓が建てられました。
鎌倉・室町時代
仏教の一般庶民への浸透から火葬が広まります。結果火葬と土葬が平行して行われました。
平安時代末期からみられるようになった五輪塔が供養塔や墓石として用いられます。
五輪塔は仏教の地水火風空の五大元素を表していて、人は亡くなると五大要素に還るということを示しています。
江戸時代
江戸時代になると火葬から土葬へと時代は逆行します。これは仏教思想の輪廻転生の考え方が影響していると言われています。
死に装束で遺体を棺桶に納め土葬します。その上に土を盛り上げた土饅頭という墓の形が生まれます。
武士の間で生まれた板塔婆や石塔婆が庶民にも広がり卒塔婆や墓石という弔いの形が確立していきました。
明治時代以降
お墓は寺院管理のでしたのが、公共の墓地もできたのがこのころからです。
宗教にとらわれない墓地の造営もこれより始まります。
東京など大都市の地価の高騰から再び火葬が主流になります。
現代お墓事情
さて明治以降に現代のお墓や埋葬のスタイルが確立されてきました。
では、今お墓を建てるとしたら知っておきたいことはどんなことでしょうか?
檀家って何?入らないとだめなの?
葬祭供養の一切を特定の寺に任せる代わりに、お布施というかたちで寺を支援するのが檀家制度です。
1872年に日本初の戸籍台帳、壬申戸籍(じしんこせき)ができる前の江戸時代には、宗門人別帳(しゅもんにんべつちょう)というものがありました。これはキリシタンでないことを証明するために寺が印を押し身元を保証するというものです。檀家制度はキリシタン弾圧に端を発していたのです。
戸籍制度が確立され、先祖代々の土地に住み続けることも少なくなった現代において、離檀する人も増えています。
離檀するには、離檀料や墓の撤去費用がかかるので注意は必要です。
墓埋法とは?
法律で遺族がしなければいけないと決められていることは、どのようなことでしょうか?
昭和23年にできた法律に墓埋法というものがあります。墓地、納骨堂、火葬場の管理などについて決められた法律です。
これにより、死者を好き勝手な場所に埋葬すること、資格のない人はが勝手に埋葬業務を行うことなどが禁じられています。
また戸籍法により死亡届は義務付けられますが、墓埋法などによればお墓を建てることは義務付けられてはいません。
よく聞く永代供養とは?
死者の魂を永代に渡って供養してくれるもので、お墓を永代管理してくれるものではありません。
管理費が滞ると墓は取り払われ、無縁仏として処理されてしまうこともあります。
墓石のトレンドってあるの?
かつては加工が簡単な大谷石が主流でしたが、阪神淡路大震災の後から、壊れにくい御影石を使った墓石がトレンドとなっています。
また高さがあって倒れやすい和風墓石よりも石材量が少なくてすみ、安定した横長の形の洋風墓石も増えてきています。
埋葬方法のトレンドは?
核家族や少子化に伴い、子供や親族に迷惑をかけたくないと生前に自分で終活を行うことが流行ってきています。
先祖代々のお墓を守るもよし、お参りしやすい自宅の近所の墓地や納骨堂を利用するもよし。夫婦両家のお墓をまとめる両家墓というスタイルもあります。
散骨や樹木葬という形で墓石を持たないスタイルもありますね。
選択肢が多い現代のお墓事情、家族のスタイルに合わせてお墓を選ぶ終活をスタートしてみませんか?
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