恐竜と一緒に働こう!
現代に恐竜がいたら、というifはファンの間でよく議論されるネタだが、エウロパサウルスのように理論上は人間の手で飼育可能な恐竜がいるのだから、人間と一緒に働く事が出来るのではないだろうか。
元は野生だった動物を飼い慣らして、人間と一緒に仕事が出来る動物はたくさんいるのだから、恐竜の特性を利用して現場で使えば、同じく活躍してくれるはずである。
今回は、恐竜の得意分野から彼らに合った仕事を考察する。
警察恐竜ヴェロキラプトル
知能が高く、体格にも恵まれた大型犬は警察犬として日常で大活躍している。
日本警察犬協会は、ジャーマンシェパード、ドーベルマン、エアデールテリア、コリー、ボクサー、ラブラドールレトリバー、ゴールデンレトリーバーの7種を警察犬の犬種として認定しており、それぞれの犬種に合った育成やトレーニングを行っている。
知能が高い恐竜として真っ先に名前が浮かぶのは、ヴェロキラプトルだ。
サイズ的に近く、比較対象となる大型犬が身近にいて想像しやすいのもあるが、警察犬以上のスピードを持ったヴェロキラプトルに追われたら、犯人は生きた心地がしないだろう。
訓練次第では優秀な警察恐竜として、ヴェロキラプトルが街の平和を守ってくれる世界線は是非とも見てみたい。
サイズと知能を根拠にヴェロキラプトルを犬と比較しているが、警察恐竜として活躍出来るなら、盲導恐竜や番恐竜として幅広く活躍してくれただろう。
但し、自慢のシックルクロウは非常に危険であるため、固定具で使えないようにする、もしくは爪自体を抜くなどして周囲に迷惑を掛けないよう配慮する必要がある。
犬と同じように人間とヴェロキラプトルのコミュニケーションが可能という前提で考察しているが、現代でも大型犬による死亡事故が絶えないため、ヴェロキラプトルを飼育する時は大型犬以上に厳しく躾をして、自身と家族の安全を第一に考えなければならない。
ちなみに、ヴェロキラプトルを牧羊恐竜として使う時は、羊を襲って食べてしまわないよう、マズルの着用が必須であり、散歩の時もマストなアイテムである。
解体工事で大活躍
アンキロサウルスにエウオプロケファルスといった、いわゆる「鎧竜」として知られる曲竜類だが、彼らの特徴は棍棒状の尾である。
ハンマーのような尻尾を見ると、これを解体工事などの現場で使えるのではないかと考えるのは筆者だけだろうか。
頭部をスキャンして脳の大きさを割り出して計算したところ、曲竜の知能は低かったと言われているが、アンキロサウルスが言う事を聞いてくれるなら、重機に代わって建物の取り壊しに活躍してくれただろう。(曲竜の装甲は木やコンクリートが直撃してもびくともしなかったので、そういう意味でもこの仕事に適任だった)
恐竜によって家屋が破壊される映画のような光景が日常的にあるのは夢のような話だが、命の危険と隣り合わせの現場であるため、作業に於ける最優先は自分と恐竜の命である。
競恐竜は可能?
筆者が小学生の頃、グレイハウンドによるドッグレースを観戦した事がある。
世界最速の犬に恥じないスピードと、大型犬ならではの体躯に圧倒され、競馬ならぬ競犬として予想以上の迫力に驚いた記憶がある。(子供向けのテーマパークだったため、馬券ならぬ犬券の販売はなかったと思う)
そこで思ったのが、恐竜によるレース(そして人間による騎乗)は可能だろうか?ということだ。
現在、最も速いと言われているのは、オルニトミムスを中心としたオルニトミモサウルス類の恐竜である。(図鑑では「ダチョウ恐竜」と呼ばれる事もあり、ファンの間ではそちらの方が有名である)
長い後ろ脚に、いかにも速そうなフォルムを持った姿で人気のダチョウ恐竜だが、近縁種で最も研究が進んでいるガリミムスから速さを割り出したところ、60~100キロというスピードで走れるという計算結果が出た。
サイズを見ても、全長6メートル、体重400キロと馬顔負けの体格(体重だけ見たら馬よりも軽い)を持っており、理論上ガリミムスのようなダチョウ恐竜が人間を乗せて走るのは可能である。(余談だが、沖縄にある「ダチョウらんど沖縄」は今回の考察で参考にしているダチョウに乗せてくれるとの事で、沖縄在住の方や沖縄旅行の予定がある方でダチョウに乗ってみたいと興味のある方はどうぞ)
もっとも、誰もが馬に乗れる訳ではないように、ダチョウ恐竜も簡単に乗れる訳ではなく、それなりの練習が必要なのは馬も恐竜も同じだ。
また、今の日本で交通手段として馬を使っている人が皆無であるため、いわゆる軽車両のように使われる事はほぼなかったと思われるが、公営競技として競恐竜が盛んな世界線を見たかった気持ちは強い。
ただ、二本足と四本足によるバランスの違いから、人間を乗せたレースは出来ても、障害飛越は出来なかったと予想する。
恐竜は仕事が出来たのか
今回は、恐竜を人間が一緒に仕事出来るか考察したが、知能の高い獣脚類はともかく、大半の恐竜は知能が低かったため仕事で使うのは困難だった。(大型の肉食恐竜をサーカスのライオンのように扱うのは恐らく向いていない)
再三述べている通り、恐竜とのコミュニケーションが可能という前提で考えているため、ヴェロキラプトルが従順である保証もなく、犬以上に事故が起きていた可能性も否定出来ない。
それでも、恐竜がいる生活はファンにとって夢のような話であり、絶滅しているからこそ、想像する楽しさがある。
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