小琉球と呼ばれる島
小琉球とは、台湾の本土から南西やく13キロメートルの場所にある、台湾で唯一の珊瑚礁でできた島である。
台湾海峡にある島で、台湾本土の屏東市東港から船に乗ること約30分ほどで到着する。
とても小さな島で、バイクで30分もあれば一周できる。
島ではバイクもレンタルすることができる。バイクがなければ移動は少し不便である。
この小さな島が世界の歴史に登場するのは、中国の宋時代の書物である。
その書物には「小琉球には400人余りの野蛮な人が住んでおり、多くの漢族が彼らによって殺された。」といった記述がある。
日本統治下には、村上直次郎という人物によって「琉球郷」と名付けられた。
小琉球にはマカタオ族(Makatao)という原住民が住んでおり、人口は1000人以上いたという。しかしマカタオ族はポーランドからの侵略者によって虐殺され、小琉球と世界の歴史からほぼ姿を消した。
その後も各地に散らばっていた可能性はあるものの、一つの民族として確立できるほどの人数を確定できないことと混血化が進んでしまったため、マカタオ族の存在は政府によっても承認されておらず、現在の小琉球には特定の原住民は住んでいない。
現在の小琉球
人口約13000人程度のこの島は、現在では観光地として賑わっている。
台湾本土からとても近いがリゾート感を味わえることから、多くの観光客に愛されている。外国からの観光客はもちろん、台湾人にも人気のスポットだ。
小琉球のランドマークは「花瓶石」と呼ばれる、波によって自然に形作られた岩である。
朝日や夕日に照らされた花瓶岩はとても美しく、人気の観光スポットである。
花瓶岩の付近では、シュノーケリングやマリンスポーツを楽しむことができる。
その他には「烏鬼洞」という場所がある。
ポーランド人が黒人の奴隷を連れてきて避難させた場所として知られており、中から奴隷を生活させるための物品が多く見つかったという。
その後はポーランド人からの攻撃から逃れるために、マカタオ族の生き残りがここに身を隠したとも言われている。
このように烏鬼洞では、小琉球の歴史を垣間見れる。
ウミガメが生息する島
小琉球の最も魅力的なところは、「身近でウミガメを見ることができる」という点だ。
沖縄でも見ることができるが、運が良ければ見かけることができるといった感じだろう。
小琉球では必ずと言っていいほど見ることができる。なぜならウミガメが小琉球付近に住んでいるからだ。彼らはそこでのんびりと海藻を食べたり、お昼寝したりしている。
筆者は5年間ほどの間に4回小琉球に行ってシュノーケリングしているが、必ずウミガメに会っている。100%の確率だ。
ちなみにシュノーケリングも格安で体験できる。日本円で1000円から1500円の間だ。
水中メガネやシュノーケルなど必要なものは全て貸してくれるので、着替えとタオルだけで体験できる。シャワーも完備されておりシャンプーやボディソープまである。
一つのグループに一人のコーチがついて連れて行ってくれる。
大体1時間くらいのコースで記念撮影までしてくれる。写真は後に公式Facebookにアップされ、そこからダウンロードすることができる。
小琉球では5種類のウミガメを見ることができる。特に多いのは緑ウミガメで、おそそ160匹が小琉球の周りに生息しているという。
午前中は海藻を食べたり活発に活動している姿を見ることができる。午後は岩場でお昼寝をしている。
シュノーケリングをしなくても、陸地からでも観察することができる。
時には群れをなして泳いでいることもあり、その光景は圧巻である。
彼らは人を警戒しないため、興味本位で自分の方から人間に近づいてくることもある。
かといってウミガメには触れてはならない。台湾政府はウミガメを保護動物と指定しており、もし故意に触れると多額の罰金が課される可能性もある。
近年SNSなどに「ウミガメに触った写真や動画を載せた」として罰金を課された者がいた。
30万台湾ドルもの罰金で、日本円でなんと約135万円である。
近づいてきたとしても、絶対に触ってはいけない。
小琉球は規模は小さいが、歴史や自然を堪能できる素晴らしい場所である。もし台湾を訪れた際には是非足を運んでみてもらいたい。
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