ドラマに突如現れた「ハリー・ポッター」
衝撃な展開が続く日曜劇場『VIVANT』。第7話はまさに「どんでん返し」でした。
ドラマの終盤、テントと「別班」はついに接触を果たします。
テントのノコル(二宮和也)は乃木(堺雅人)によって拘束され、身動きの取れなくなったテントのメンバーは銃を捨て降伏します。残る「別班」メンバーが、テントのメンバーを取り押さえようとすると、乃木は背後から「別班」メンバーを射撃…。
乃木が「別班」を裏切るような描き方がされ、第7話は終了しています。
多くの視聴者が唖然とするなか、放送が終了すると、ネット上では感想と考察が溢れる状況となりました。とくに多くのファンが注目したのは、物語の中で突如として登場した「ハリー・ポッター」のシーンでした。
入院中のジャミーンに野崎(阿部寛)が「ハリー・ポッター」のDVDをお見舞いとして送る、というシンプルなシーンではありますが、今後の展開を示唆する伏線ではないかと話題になっています。
今回の記事では「ハリー・ポッター」が示唆する伏線を紹介し、ついに終盤を迎えた『VIVANT』の考察をしたいと思います。
スネイプ教授とノゴーン・ベキ
ドラマの冒頭部分で、公安のメンバーを集めた野崎が「ノゴーン・ベキ」について報告するシーンがありました。このとき野崎は「ノゴーンは緑、ベキは魔術師という意味だ」と解説しています。
そしてバルカ共和国に到着した乃木が「“スネイプ社”との商談に行かなくていけない」と言います。
この「スネイプ」という名前ですが「ハリー・ポッター」ファンにはおなじみのキャラクター、セヴァルス・スネイプ教授を連想させます。
J.K.ローリングの「ハリー・ポッター」シリーズに登場する、スネイプはホグワーツ魔法魔術学校の教授です。また同時に、重要なスパイの役割も担っていました。
スネイプはかつて闇の帝王ヴォルデモートの配下でしたが、アルバス・ダンブルドアに説得されて「不死鳥の騎士団」に加入。ヴォルデモートに内通する二重スパイとなりました。
ヴォルデモートが復活した際、スネイプはダンブルドアの指示で死喰い人の中に潜入。ヴォルデモートから信頼を獲得しつつ、秘密裏に情報をダンブルドアに伝えるという、極めて重要なスパイ活動を行いました。
さらにスネイプは「スリザリン」寮の寮監としても登場します。この「スリザリン」寮のカラーは「緑」であり、寮の特性として「魔術師」の要素が強調されています。
この点は「ノゴーン・ベキ=緑の魔術師」との関連性を指摘することができます。
2人の類似点とは?
「ハリー・ポッター」シリーズの物語において、重要な役割を果たしているスネイプ教授。とくにリリー・ポッターへの深い愛情は、スネイプの原動力になっています。
彼はハリーの母であるリリーを深く愛していましたが、彼女はジェームズ・ポッターと結婚。それでもスネイプはリリーの死後も、彼女の息子であるハリーを守り続けることを決意したのです。
主人公ハリーを目の敵にしているように見えたため、最初の段階では不気味なキャラクターとして登場したスネイプも、最終的には一途な愛を貫いた人物として描かれています。
中盤から終盤に入った『VIVANT』でも「愛」が物語のメインテーマとなっていることから、スネイプと境遇が重なるノゴーン・ベキにも、同じような背景や動機が隠されている可能性を考えることができます。
今後の展開とは?
『VIVANT』第7話の放送後、SNS上はさまざまな反応と考察で盛り上がりました。
やはり「ハリー・ポッター」に関する投稿が多く、スネイプとノゴーン・ベキの関連性についての指摘が見受けられました。
「ハリー・ポッター」のDVDをプレゼントするシーン、また「スネイプ社」という言葉から「ノゴーン・ベキ」の意図や役割について、多くの視聴者はヒントを見つけ出そうとしている様子でした。
SNS上の意見をまとめると、以下のような感じです。
ノゴーン・ベキ=スネイプ説を取るならば、ノゴーン・ベキは「愛のために生き、愛のために裏切り、愛のために死んだ男」ということになる。そうなると、ノゴーン・ベキは“悪役”ではなく、最後は乃木をかばって死ぬことになるのではないか。
さらに『VIVANT』を手掛ける福澤克雄監督が「ハリー・ポッター」の大ファンであることが、ドラマの現場監督である宮崎陽平氏のSNSによって明らかになっています。
ハリーポッターはジャイさんも実は超好き(俺も大好き!!!)#VIVANT #VIVANTep7 https://t.co/jp6EMWF1AZ
— やんぴ (@ist_yohei) August 27, 2023
こうした背景から『VIVANT』で描かれた「ハリー・ポッター」要素は、ただの装飾ではなく、物語の核心に深く関わるものとして描かれるかもしれません。
最終回まで残り3話になった『VIVANT』。今後どのような展開を迎えるのでしょうか。
現時点において、すでに『VIVANT』ロスを心配してしまいますが、次の放送を楽しみにしたいと思います。
参考文献:J.K.ローリング(2020)『ハリー・ポッターと死の秘宝』(松岡祐子訳)静山社
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