墓から発掘された驚くべき事実
古代中国において、皇帝となったのは基本的には男性である。 しかし歴史上唯一、女性が皇帝となった例がある。
それはかの有名な「武則天」である。
かなりの暴君として知られる彼女だが、女性皇帝として中国の歴史に燦然と名を輝かせている。
ところが近年、考古学者が内モンゴル自治区の遺跡内の古墓から驚くべきものを発掘した。 それは、赤い棺の中に収められた女性の遺体だった。
なんと、その女性は皇帝が着るであろう「龍袍」が着せられていたのだ。
龍袍とは皇帝の礼服のようなもので、主に朝廷で国事を扱う時や皆の前に出る時などに着用された。
彼女が着ていた龍袍は美しい金に似た色をしており、表面には9匹の龍が刺繍され、豪華絢爛なものだった。
では、この遺体は武則天なのだろうか?しかし武則天の墓は西安の西北約80キロの乾県に位置する乾陵にあり、中国北部の内モンゴル自治区とは位置が違うのである。
いずれにしても、かなり位の高い人物であった事は間違いない。
内モンゴルの遺跡
その古墓は広い長方形の敷地で、大きさは45メートル×105メート ル、広さは約5000平方メートルであった。 中には遺体と共に沢山の物品が埋葬されており、それは様々な器具(生活用品から装飾品まで)銅 像、古籍、金銀宝石などであった。
この古墓は2003年に始まった工事で偶然に発見されたものだった。建築物の基礎を据えるために掘り起こしていたところ、何かの壁を掘り当てたのである。
初めは「大きな一枚の岩」と思われたが、故意に切り取られ整然と並んでいたことから「何らかの建築物ではないか」という憶測がなされた。
その後、慎重に発掘を進めていくと墓のようなものが現れた。
その段階で建築業者は考古学部門に報告し、本格的な発掘調査が始まったのである。
伝説の墓?
実はその土地では、古くから古墓の言い伝えがあった。
しかし、その墓は場所はおろか、どの時代のもので本当に存在するかどうかも不明だったという。
ただ、その土地では有名な言い伝えだったのである。
考古学者たちは「この墓こそが言い伝えの墓なのではないか」という仮説を立て、発掘調査が本格的に開始された。
そしてついに墓の本丸、棺が発掘されることとなった。
紅の棺
ついに棺が発掘されると、現れたのは紅の棺であった。
そして中には非常に貴重な多くの文献が、物品と共に埋葬されていた。
紅の棺の保存状態は非常に良く、棺の蓋には美しい花の模様が施されていた。
考古学者たちは「この紅の棺の主人は非常に高い身分であった」という結論に達した。
そして発見された文献から、この墓は契丹(きったん)と呼ばれる、モンゴル地域に4世紀頃から居住していた北東アジア遊牧民の墓であるということがわかった。
紅の棺の主人
中には女性の遺体が葬られていた。
彼女は前述したように、皇帝が着用したとされる龍袍を身に纏っており、金色の髪飾り(カチューシャの様な装飾品)を着けていた。
顔はベールの様なもので覆われており、神秘的な様子を醸しだしていた。 そして、その女性を慎重に調べていたその時だった。
「謎の液体」が、女性の遺体から流れ出てきたのである。
それは多くの考古学者や専門家を驚かせた。ミイラ化した遺体から流れ出たものであると予想されるが、その詳しい情報についてはまだ明らかにされていない。しかし、ミイラの状態は非常に良いものであったという。
この女性は一体誰なのか、なぜ女性でありながら皇帝の着る衣服を着用していたのか?
まだ研究の結論は出ていないが、その墓から多くの文献も発見されていることから、解明される日もそう遠くないと思われる。
参考 : 考古挖出巨大红棺,棺中有一具女尸 | 搜狐
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