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【地球とは思えない絶景】 エイリアンの惑星のように見える10の場所

まるで地球のものとは思えないような絶景が、世界には多く存在している。

今回の記事では、そんな素敵な場所を10箇所紹介する。その多くの場所は実際に行くことができる。

1. フライガイザー(Fly Geyser, Nevada)

【地球とは思えない絶景】

画像: ネバダ州ブラックロック砂漠のフライガイザー public domain

ブラックロック砂漠の真ん中に突然現れた虹色の地質学的驚異、それがフライガイザーだ。

エイリアンのような外見をしているこの間欠泉は、実は人間の手違いによって生まれたものだという。

ブラックロック砂漠は、ネバダ州の北西部にあるアメリカで最も広い砂漠で、間欠泉とは、地中から水蒸気や熱水が噴き出す地形のことだ。

特徴はその色鮮やかな姿だ。噴泉の水は、約86度と高温であるため、藻類やバクテリアなどの微生物が活発に繁殖し、赤や黄色、緑などの色を呈している。

この地域は、地熱活動が活発な地熱盆地に位置している。

3つの間欠泉があり、最初のものはウィザード間欠泉と呼ばれ、100年以上前に作られた。

当時の目的は、砂漠を農業に利用できるようにすることだった。しかし、井戸を掘っている間、労働者たちは予想外のことに遭遇した。約200度華氏の地熱水が噴出したのである。

この水は農業に適さなかったため、ウィザード間欠泉は放置された。その結果、高さ3~3.6メートルの炭酸カルシウムのクレーターが形成されたのだ。

1964年、地熱エネルギー会社がこの同じ場所で試験的に井戸を掘った。すると彼らもウィザード間欠泉と同じ地熱水に当たってしまった。
そして数十メートル離れた場所にウィザード間欠泉よりも新しく、より大きな間欠泉が現れた。そのことにより、水圧が失われたウィザード間欠泉は以前よりもはるかに活動が低下してしまった。

現在、フライガイザーとして知られるこの2番目の間欠泉は、ミネラルが砂漠の表面に堆積したことで成長している。この間欠泉は、複数のクレーターがあり、高い塚の上にある。

3番目の間欠泉はウィル間欠泉と呼ばれ、2006年に発見された。
この間欠泉は自然の産物と考えられている。この火山型の形成は、毎年15センチの速さで成長している。

複数の間欠泉噴水があるため、フライガイザーはウィザード間欠泉ほど大きなクレーターを作らず、代わりにエイリアンのような塚がどんどん成長している。

Fly Ranch – Burning Man Project
https://flyranch.burningman.org/

2. グランド・プリスマティック・スプリング(Grand Prismatic Spring, Yellowstone)

画像: イエローストーン国立公園のグランド・プリズマティック・スプリングの空中写真 [CC BY-SA 4.0 Deed]

アメリカ最大の熱水泉・グランド・プリズマティック・スプリングは、その名のとおり自然の色彩が織りなす、息を呑むような絶景だ。

イエローストーン国立公園にあるこの巨大な熱水泉は、虹色の輪の色彩が鮮やかで、まさに自然の驚異と言えるだろう。

1800年代初めに発見されたこの熱水泉は、1世紀以上にわたって人々を魅了してきた。

この池は、中央部が鮮やかな青色で、周囲は赤、黄、オレンジ、緑など、さまざまな色のリングに囲まれている。この不思議な色彩は熱湯周辺の温かくミネラル豊富な水で繁殖する、さまざまな色素細菌や微生物によって生み出される。

季節や天候によってどのタイプの細菌が繁殖するかが変わり、色の濃淡が変化する。地下から沸き上がる水の中心は、非常に高温で無菌状態になっているため、年間を通じて澄んだ青色を保ってる。

グランド・プリズマティック・スプリングは、アメリカで最も美しい景観の1つだが、その熱さは非常に危険だ。

触れると、皮膚が骨から溶け、濃い青に赤い血が混じり合う恐れがある。

Grand Prismatic Spring at Yellowstone’s Midway Geyser Basin
https://www.yellowstonepark.com/things-to-do/geysers-hot-springs/grand-prismatic-midway-geyser-basin/

3. レインボーマウンテン(Rainbow Mountain, Peru)

画像: ペルーのレインボーマウンテン(ヴィニクンカ) [CC BY-SA 4.0 Deed]

ペルーのアンデス山脈の奥深くに、ドクター・スースの絵本に出てくるような、キャンディー色の縞模様が美しい山がある。

テラコッタ色、ラベンダー色、ターコイズ色など、さまざまな色合いが織りなす風景は、この地域の高さと海洋からの隔離によって生まれた独特の景観だ。しかし、その中でも、ヴィニクンカ(別名レインボーマウンテン)ほど美しく、人々を魅了する山はないだろう。

この美しい虹色の模様の色合いは、山の鉱物成分(鉄、アルミニウム、マンガンなど)が風化し、酸化することによって生まれた。
約6000万年前に形成されたと推定されており、その長さは約10km、幅は約2kmに及ぶ。

レインボーマウンテンは、2015年に雪が溶けて発見されたばかりの新しい観光地だ。

その美しい景観から、瞬く間に世界中の人々から注目を集めるようになった。標高約5,200メートル付近にあるため、体力に自信のある方向けともいえる。

かつては頂上に到達するまでに約6日間のハイキングが必要だったが、今ではクスコから山までたくさんのバスツアーが運行されている。

山の知名度が高まったことで、あっという間にペルーで2番目に人気のある観光地になり、ピークシーズンには、1日あたり4000人もの人が訪れる。

Rainbow Mountain Peru – Official Information Website
https://www.rainbowmountainperu.com/

4. ダロル アファールゾーン 2(Dallol Afar Zone 2, Ethiopia)

【地球とは思えない絶景】

画像: エチオピア、アファール地方、ダロル火山の風景 public domain

エチオピア北部の、人間が生活する場所から何時間も離れたところに、世界中どこにもないような荒涼とした大地が広がっている。

ダナキル窪地には、硫黄泉、火山、間欠泉などがあり、塩分濃度の高い湖や、高温の泥が煮えたぎる池など、奇妙で不思議な光景が広がっている。

ダナキル窪地のダロルは、人間が立ち入ることすら困難な、沸騰する塩でできた世界だ。ダナキル窪地は、アファール窪地とも呼ばれ、世界で最も標高が低く、最も暑い場所の一つなのだ。

平均気温が34度を超えるこの地域では、ダロル自体が沸騰した温泉に囲まれており、高温の鉱物と有毒ガスの泡が表面に噴出している。この過酷な環境のため、ダロルには人が住んでいないが、その一方で、塩の形成によって独特の景観を作り出している。

低地は、錆びたオレンジ色、黄色、緑色の塩の結晶で彩られている。

ダロルは居住に非常に厳しい環境だ。しかし、この地域にはテーブル塩の堆積物が豊富にあるため、今でも多くの人が仕事のために命を懸けて危険な場所に足を踏み入れている。

ダロル付近の同じ地域には、溶岩湖を持つ煙の出る火山地形であるエルタ・アレがあり、「地獄への門」とも呼ばれている。同様に過酷な環境であり、到達が非常に困難な場所だ。

Dallol Volcano

5. ヒリアー湖、オーストラリア(Lake Hillier, Australia)

【地球とは思えない絶景】

画像: ヒリアー湖 [CC BY-SA 4.0 Deed]

オーストラリアのルシェルシュ諸島に浮かぶヒリアー湖は、遠目から見ると、まるで固形のガムピンクのような鮮やかな色をしている。近づくと、色はより水っぽく透き通ったようになるが、紛れもなくピンク色をしている。

塩分濃度は死海と同じくらいに非常に高く、水面に浮かぶことができる。飲むことはできない。

この珍しいピンク色の原因は、近くのピンク湖やセネガルのレトバ湖など、他のピンク湖とは異なり、まだ解明されていない。

さまざまな説があるが、最も有力な説は、高塩分濃度と、ドナリエラ・サリナという塩分を好む藻類と、ハロバクテリウムと呼ばれるピンクのバクテリアの存在によるものだ。

しかし、他のピンクの湖とは異なり、ヒリアー湖湖は一年中ピンク色を維持しており、温度の変化によっても色が変わらない。また、ボトルに入れてもピンク色のままであり、その神秘的な美しさを保つのだ。

この湖の水は人間にとって危険ではないようだが、湖の周囲は立ち入り禁止区域となっており、空中からしか見ることができない。

観光客は、ヘリコプターでの遊覧飛行など、上空から眺めることができる。

Lake Hillier – The Pink Lake Hillier of Australia
https://hillierlake.com/

6. クリスタルの洞窟(Cave of Crystals, Naica, Mexico)

【地球とは思えない絶景】

画像: 10m以上の巨大なセレナイト(石膏)の洞窟 [CC BY-SA 2.5 Deed ]

1910年、メキシコのナイカ鉱山で、ペノレス鉱業会社が「剣の洞窟」として知られることになる「Cueva de Las Espadas」を発見した。

この洞窟は、最大で2メートルにもおよぶ巨大なセレナイト(石膏)の結晶で満たされた80メートルの通路だった。残念ながら、地下120メートルにあるこの洞窟は探検と観光のために開放され、多くの結晶が破壊されてしまった。

90年後、地下300メートルで掘削トンネル作業をしていた2人の鉱夫が、より大きな別の洞窟を発見した。ここでは、結晶の大きさは最大で長さ12メートル以上に達し1つの結晶の重さは約55トンにもなる、それまで見つかった中で最大の結晶だった。

この洞窟は「クリスタルの洞窟」として知られるようになった。

なお、セレナイトは、月の女神「セレネー」を語源とする、美しい天然石だ。

半透明から無色透明の清らかな色合いを持つセレナイトは、一見すると水晶と見間違えてしまうことも多いが、彫刻などに使われる石膏の仲間である。

Crystal Cave of Giants – Naica, Mexico
http://www.stormchaser.ca/Caves/Naica/Naica.html

7. 世界最大の塩湖、ウユニ塩湖(Salar de Uyuni, Bolivia)

【地球とは思えない絶景】

画像 : 冠水したウユニ塩原、天空の鏡 wiki c Chechevere

1万1,000平方キロにもおよぶウユニ塩湖は、世界最大の塩の平原だ。

六角形のタイル(塩の結晶構造によってできた)が無限に広がり、そこかしこに塩のピラミッドが点在するボリビアの塩の平原は、眩惑的な景色をしている。

砂漠のような乾燥した空気、酷寒の夜間の気温、そして過酷な砂漠の日差しにも関わらず、フラミンゴ、古代のサボテン、まれなハチドリなど、ウユニ塩湖には生物が生息している。

概ね11月から4月にかけての湿季には、この塩の砂漠は巨大な塩湖に変貌を遂げる。
深さは30センチから50センチほどの浅い湖だが、ボートやトラックで横断することができる。この時期になると、湖面は空を完璧に映し出し、奇妙な無限の幻影を作り出す。

この無限に続くかのような塩湖の真ん中には、塩でできたホテル(プラヤ・ブランカ)が建っていた。※現在は汚水の問題などでホテルではなくなり、レストランや博物館になっている。

近くにあるラグナ・コロラダラグナ・ベルデも訪れる価値がある。

ラグナ・コロラダは数千羽のフラミンゴでいっぱいの赤っぽい湖で、ラグナ・ベルデは火山リカンカブールのふもとにある青緑色の塩湖だ。変化し続ける水の色は、湖に棲む銅の堆積物と微生物によるものである。

Salar de Uyuni – Official Information Website
https://www.salardeuyuni.com/

8. ソコトラ、イエメン(竜血の木)(Socotra, Yemen (dragon’s blood trees))

画像: ソコトラ島の竜血樹 [CC BY-SA 4.0 Deed]

ソコトラ島は、アラビア半島の南西に位置する、イエメンの島だ。インド洋に浮かぶ孤立した島であり、約800種の固有種を含む、多様な動植物が生息している。

ソコトラ島のシンボルとも言えるのが、竜血樹である。

竜血樹は、ソコトラ島にしか生息しない常緑広葉樹である。
樹齢は数百年から数千年にも達し、まるで静脈のようにみえる茎の形と傘のような形をしたユニークな姿が特徴だ。

竜血樹の樹皮を傷つけると、真っ赤な樹液が流れ出てくる。この樹液は、古代から薬や染料として利用されてきた。

ソコトラ島は、2008年にユネスコの世界自然遺産に登録された。しかし、近年は、気候変動や過放牧などの影響で、竜血樹を含む固有種の絶滅が危惧されている。

島には道路がほとんどなく、洞窟や難破船も数多くある。

ソコトラ島は、自然の驚異と美しさを体感できる、まさに奇跡の島といえよう。

Welcome to Socotra
https://www.welcometosocotra.com/

9. ザ・ウェーブ (The Wave Marble Canyon, Arizona)

画像: ザ・ウェーブ (アリゾナ州) [CC BY-SA 2.5 Deed ]

約1億9千万年前、世界的にも貴重な地形ができ始めた。

アメリカ・アリゾナ州に「ザ・ウェーブ」という不思議な岩場がある。海抜約1,600メートルに位置するコヨーテ渓谷という場所だ。

砂時計のような形の大きな砂岩の柱や、シナモン色をしたドーム型の地層から成る。まるで固まった波のような美しい造形をしている。これほど変化に富んだ地層ができた背景には、長い年月にわたる風と雨の浸食作用がある。

1990年代半ばまではほとんど知られていなかったが、あるドイツの旅行ガイドブックに掲載されて一気に有名になった。主にヨーロッパからの観光客で賑わうスポットだが、近年アメリカ人を中心に人気上昇中だという。

渓谷を散策する感覚を「超現実的」「高所恐怖症を感じる」などと表現する人が多い。光の入り方でいろいろな表情を見せる岩なので、カメラマンにとっては格好の被写体にもなっている。

岩は固くなっているものの、いまだに壊れやすい。渓谷への入場制限が設けられているのもそのためだ。

The Wave AZ
https://thewaveaz.com/

10. カワ・イジェン火山(Kawah Ijen volcano, East Java, Indonesia)

画像: インドネシアの東ジャワ州にあるカワ・イジェン火山は、夜間になると独特の青い輝きを放つ。 [CC BY-SA 2.5 Deed ]

インドネシア・東ジャワ州にある活火山「カワ・イジェン」では、異常なほど硫黄分が豊富なガスが噴出している。

そのガスが酸素と反応して燃えるとき、山肌を青い炎が駆け下りる光景が繰り広げられる。まるでSF映画のワンシーンのような神秘的な景色だ。

しかし実際には、溶岩そのものが青く発光しているわけではない。青く輝いているのは、燃えるガスの炎なのだ。火山ガスに含まれる硫黄化合物が、大気中の酸素と反応して青色に燃え上がることでこの現象が起きている。

ガスが冷えて液体の硫黄に変わると、今度は青い川のような形で流れ落ちる。液体の硫黄が燃焼を続けながら山を下る姿が、まるで青い溶岩が流れているようにも見えるのだ。

この幻想的な現象は、ほぼ毎晩確認することができるという。ただし昼間はごく普通の火山の景色で、何も変わったところはないといわれている。

一方で、日中、この危険な硫黄鉱山で働く人たちがいるというから驚きだ。

活火山の斜面で1日中100度を超える気温の中で働く鉱夫たちは、金属の棒で硫黄の塊を切り出し、それを売り、わずかな報酬(1日約13ドル)で生計を立てているという。

(高価な)ガスマスクをつけずに作業することが多いため、重度の喘息に似た呼吸器系の問題を引き起こすこともあるようだ。

近くにクレーター湖があるが、湖は90度の硫酸の池で生物はいない。湖から発生するガスで鳥が落ちて死ぬこともあると報告されている。

カワ・イジェンの過酷な火山地帯は、昼と夜の顔があまりにも違いすぎることに驚かされる。

Blue Flames and the Largest Highly Acidic Lake in the World
https://geology.com/volcanoes/kawah-ijen/

さいごに

今回ご紹介した、同じ地球内にあるとは思えないような場所は、地球がいかに多様で驚くべき景色に富んでいるかを物語っている。

こうした景色のほとんどは、自然の力によって数億年の時をかけて作り上げられたもので、様々な自然現象が、美しく複雑な地形を生み出しているのだ。

人間の手が加えられていない地球本来の姿。そこにあるのは圧倒されるばかりのスケールと不思議さである。

私たちの惑星は、SF作家が想像できるような、奇妙で美しい風景でいっぱいなのだ。

参考 : 15 stunning places on Earth that look like they’re from another planet | Space

 

lolonao

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フィリピン在住の50代IoTエンジニア&ライター。
antiX Linuxを愛用中。頻繁に起こる日常のトラブルに奮闘中。二女の父だがフィリピン人妻とは別居中。趣味はプチDIYとAIや暗号資産、マイクロコントローラを含むIT業界ワッチング。

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