飲食

ステイホームのお供にいかが?豆板醤づくりに挑戦してみた【初心者でも簡単】

梅雨の時期を前に、そら豆が手に入ったので、かねて念願だった豆板醤(トウバンジャン)の手づくりに挑戦してみることにしました。

やってみたら意外と簡単。市販品と比べてみたい。

レシピをネットで調べてみたら、初心者でも簡単に作れそうです。実際にやってみたので、皆さんもやってみると楽しいかと思います。

※以下に紹介するのはあくまでも一例です。レシピはたくさん出回っているので、色んなパターンで試したり、慣れてきたら自己流アレンジを加えたりしても楽しそうですね!

初心者でもカンタン!手づくり豆板醤のレシピと手順

手づくり豆板醤

買ってきたそら豆。これで300gちょっとあった。

【材料】
1.そら豆(鞘つきの状態)…100g
2.(普通の食塩で大丈夫だけど、こだわってもよさげ)…20g
3.唐辛子粉(鷹の爪を砕いてもよさげ)…15g
4.米麹(こめこうじ。乾燥しているタイプが便利)…10g
5.自家製味噌(あれば)…大さじ1
※そら豆の分量に応じて、他の材料も調整して下さい。また、お好みで鷹の爪を数本入れても風味が増しますが、唐辛子だけでも十分に辛いです。

【道具】
1.(豆を茹でる、ビンを煮沸する用)
2.ビン(豆板醤を詰める用、煮沸したもの)
3.豆を潰すもの(すり鉢、フードプロセッサー、袋、手袋など適宜)

【作り方】

鞘をむいたそら豆たち。かわいい。

1.そら豆を鞘からむいて茹でます(蒸してもOK)。茹で上がりの目安は、串を刺して豆の自重で落ちるor指で豆をつぶせる程度がいいでしょう。
※この時、部屋じゅうにそら豆の青々しい香りが充満します。筆者は大好きですが、苦手な方は換気を十分にするのがおすすめです。
2.茹で上がったそら豆の薄皮をむきます。多くのサイトでは表面に切れ込みを入れて、丁寧にむいているようですが、どうせ後でマッシュするので、片端から指でつぶすように押し出してしまうのが楽でしょう。
※薄皮は捨ててもいいのですが、もったいないので筆者は食べます。お好みで塩などちょっとつけても美味しいですね。
3.薄皮を向いたそら豆とその他の材料をすべて混ぜます。そら豆の粒がこなれるくらいまで頑張ります。
※袋に入れてもみ潰してもいいですし、すり鉢やフードプロセッサーなどを使ってもいいでしょう。指で地道に潰してもいいのですが、唐辛子の刺激が強すぎるため、素手はやめておいた方がいいでしょう。

すり鉢でそら豆たちをマッシュ中。気が済むまでお楽しみください。

4.気が済んだら(すべての素材が十分になじんだら)、煮沸消毒しておいた容器(ビンなど)に詰め込みます。
※なるべく空気が入らないよう、気泡を押し出すようにギュウギュウ詰めていきましょう。
5.これで仕込みは完了、このまま冷暗所(常温で可)において約半年以上熟成させれば食べられるようになります。
※カビが生えないよう、ラップで表面を密封する方法や、中には表面にワサビを一滴盛る方法も紹介されていましたが、なるべく空気に触れさせないのがいいようです。
※また、夏を越える辺りで味噌のように天地返し(※全体が均質になるよう、かき混ぜる工程)をしている方もいましたが、少ない量であればor面倒ならばしなくても特に支障はないとのこと。

以上、筆者の場合はだいたい1時間くらいで完成しました。ちょっとビンに入りきらなかった分で麻婆豆腐を作ってもらったところ、まだ(当然ながら)そら豆の青さが残るものの、唐辛子のコクが濃厚な味わいを楽しめました。

豆板醤の語源は「豆+板+醤」ではなく「豆板+醤」

ビンに詰めた状態。そら豆の青い欠片と、米麹の白い粒が見える。これから半年以上かけて融合していく。

ところで、豆板醤ってどうして豆板醤って言うのでしょうか。

そら豆を使う発酵食品(醤)だから「豆」と「醤」は判りますが、豆を「板」にする醤とは?と思って調べたところ、どうやら「板」は単体の言葉ではなく、「豆板(豆瓣)」という単語があるようです。

その豆瓣とは「発芽した豆」を意味するそうで、本場・中国での伝統的な作り方として、そら豆を発芽させて硬い皮を破らせたことが名前の由来と言われています。

発芽したそら豆の皮をむいて麹(こうじ)菌と塩に漬けて半年ほど発酵させ、さらに唐辛子などの香辛料を加えて数年熟成させるのですが、厳密には唐辛子を加えないそら豆だけの状態のものを「豆板醤」、香辛料を加えて辛くしたものを豆板辣醤(トウバンラージャン)と呼ぶそうです。

※もっとも、現代ではどっちも(辛くしたものがほとんど)豆板醤と呼ばれ、四川料理はもちろんのこと、中華料理には欠かせない調味料の一つとして人々に愛好されています。

唐辛子をふんだんに使っているので、作っている最中はもちろん、食べても汗がふき出して身体が暖まって来ます。冬の料理に使うと、冷え性の予防などによさそうです。

辛いけど、とても美味しいのでおすすめ。

麻婆豆腐(マーボーどうふ)や担々麺(タンタンめん)、乾焼蝦仁(カンシャオシャーレン。海老チリ)など、豆板醤を使う料理はたくさんあるので、今年の冬は大活躍してもらおうと楽しみにしています。

また、チャンスがあれば他の発酵食品も仕込んでみたいと思っており、せっかくのステイホームを有効に活用したいものですね。

※参考文献:
荻野恭子『手づくり調味料のある暮らし』暮しの手帖社、2020年3月
那須正則『醤から手作り!「白金劉安」の美肌料理』新潮社、2013年10月

角田晶生(つのだ あきお)

角田晶生(つのだ あきお)

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フリーライター。日本の歴史文化をメインに、時代の行間に血を通わせる文章を心がけております。(ほか政治経済・安全保障・人材育成など)※お仕事相談は tsunodaakio☆gmail.com ☆→@

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