かつては女性がひとりで海外旅行に出掛けるといった活動的な姿には、「危険」という心配の声が一番に上がっていた。
時代や人々の価値観の変化が生まれたとはいえ、現在もひとり旅と「危険」は紙一重だ。
ひとりで見知らぬ国へ出向いたからには、自分の身を自力で守る覚悟を持って行動する意識付けと、多少の語学の取得が重要となってくる。
これは、語学の習得力によって自分の置かれる環境に大差が出てくるためだ。
各国の交通機関や個人の生活水準が今日までに見直され、快適に旅行を楽しめる治安の良さを実現できている国もあれば、まだまだ課題の多い国や地域もあり、日本を含め絶対の安全は存在しない。
しかし、ひとり旅には自分だけの時間を確保できる充実感と、自分の思い描くままに旅行の予定を決められる魅力があるのも事実であり、その魅力こそが、ひとり旅への意欲を加速させていることも現実である。
目次
日本のソロ活の浸透が「ひとり旅」へのハードルを下げている!?
女性がひとり旅を積極的に行う環境が確立されつつある現状には、日本独自の『おひとりさま文化』の浸透が大きく影響している。
ひとりの時間を時間を楽しむ『ソロ活』とも呼ばれ、単身で食事やレジャーを満喫する人々が増加している。
好きな時に自分のペースで気ままに活動できる、人に合わせる必要もない、非日常の空間を独り占めできる単独行動は、有意義な時間を持つことができるという認識が強く、あえて単独で動くことで気疲れしない楽しさと、リフレッシュ効果を得られると実感している人々が多いようだ。
世界を見て回る「ひとり旅」で気づく自分の可能性
渡航先に到着してからの期待と興奮、感動を共有する相手は、全て自分自身のひとり旅。
初めて見る絶景や、街並み、聞き慣れない言語に緊張しながらも、異国の文化に触れる時間は、自分ひとりの力が通用するかの挑戦に近い感覚でもある。
ひとり旅に対して「答えの見えない自分探し」や「現実逃避」というマイナスな意見を投げかけてくる人もいる。
確かにひとり旅に出かける切っ掛けは「日常から距離を置くために環境を変えたい、違う世界を見てみたい」という気持ちから始まる場合も多いが、『人が旅をすることは、ありのままの自分の可能性を広げるためだ』と私は思っている。
好きなことも嫌いなことも含めて言葉の壁を乗り越えた自分の実力を試したいという意欲が、ひとり旅への気持ちを強くさせるのだとも思う。
異国の地で懐かしさや生きやすさに出会うことができたなら、自分は日本以外の別の場所でも精一杯生きていける可能性があるのだという自信に繋がる。
それを『ただの自己満足だ。』といわれても気にすることはないし、世界を見て回る行動だけでも他人の何倍もの勇気を出して、努力をしていることに変わりはない。
旅を仕事にする「旅ガール」の出現〜トラベルフォトライターという新たな職業〜
女性のひとり旅の魅力を伝える新境地を開き、「旅ガール」との愛称でも親しまれているトラベルフォトライターの存在も、ひとり旅の楽しさを盛り上げる理由の一つである。
自身の旅の経験や、撮影した絶景スポットを紹介する著書は、旅に憧れを持つ女性の間で瞬く間に話題となり、そこからインスピレーションを受ける人も多い。
中でも、『海外ひとり旅ガールの便利帖』の著者『たじはる』こと田島知華(たじま はるか)さんと、『死ぬまでに行きたい! 世界の絶景』の著者、詩歩(しほ)さんは「旅ガール」の先駆けとなった人物だ。
・《トラベルフォトライター・女子旅アドバイザーとして活躍する 田島知華さん》
海外の建築デザインに興味を抱いたことを機に、学生時代から単身で海外旅行を開始する。
旅先で着るファッションと、カラフルな海外の建造物とのコラボレーションを基盤に旅の楽しさを伝えている。
世界の空港ラウンジや宿泊ホテルに関する詳細も著書に綴り、海外女子ひとり旅を安心して実行できるノウハウを発信している。また、観光地を美しく撮影するためのカメラテクニックの知識にも精通している。
TAJI HARU公式ページ:http://tajiharu.main.jp
・《絶景プロデューサーとして活躍する 詩歩さん》
就職した広告代理店の新人研修の課題としてFace Book上で発信を始めた『死ぬまでに行きたい! 世界の絶景』という企画が出版社の目に止まり、書籍化を実現させる。
その後、個人宛の仕事が増加したことで、絶景プロデューサーとして自ら会社を立ち上げ独立をする。
『死ぬまでに』というインパクトのあるタイトルは、卒業旅行先のオーストラリアで交通事故に遭った自身の体験から名付けられた。
Shiho and…公式ページ:https://shiho.me
国内外の街並み、遺跡、自然を人生で一度は自分の目で確かめたい、そんな2人の生き方に刺激を受け、現地で羽を伸ばす旅行で終わらせるのではなく、自分が憧れを抱いていた現地へ足を運んだという旅の記録を残したいという新たな旅の目的を見つけ出す人も多い。
ネット社会において心掛けるべき「ひとり旅」の影響力と理解
ひとり旅の記録を共有する手段として多く使用されるのが、インスタグラムや個人ブログを始めとするSNSツールである。
いつ、どこでも発信できるネット環境が普及した現代だからこそ気を付けたいのが、こうしたリアルタイムで行うSNSの発信だ。
特にひとり旅の途中である自分の居場所を特定する発言は、必ず避けるべき行動である。
自分が計画し、憧れを抱いた現地でのひとり旅を快適に過ごすためには、母国と同じ心待ちでは通用しない現実があることへの理解も必要だ。
警戒心と周囲への目配りを忘れず、生涯の大切な記憶、思い出となる自分だけの「ひとり旅」を彩ってほしい。
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