近年話題のLGBTにボーイズラブ。
男同士の性愛関係はまだ表沙汰になるのがしく、良くも悪くも好奇の対象となっている。
最近も国会議員が新宿二丁目でトラブルを起こし話題になったが、男同士の夜の街では何が行われているのだろうか。
今回はそんなディープな世界を覗いてみたい。
ハッテン場とは
ハッテンとは、ゲイ用語で同性との出会い+αを意味することばだ。
男と男の関係を「発展」させるという意味で、主にカタカナで表記される。
性関係の事情通の人やネット文化に造詣の深い人などにはすっかり馴染みのある言葉かもしれないが、一般的なことばではないので注意が必要だ。
そしてその「ハッテン」行為を行う目的で用意されている施設が「ハッテン場」と呼ばれる。
ハッテン場は性行為をするための場所になるが、いわゆる一般の性風俗等とは異なり、ひっそりと営業されている。それは同性愛者の世界が未だメインストリームではない「サブカル」「アングラ」に属するためだと考えられる。また、営業上の法的な兼ね合いもありそうだ。
ハッテン場のある街
男が男を求める(主に肉体的な意味で)ハッテン場は、小規模ながら日本に点在するゲイエリアの中に多くある。
有名なエリアとしては言わずと知れた東京の新宿二丁目。
また、大阪の堂山町も大きい。
他には札幌市すすきの、横浜市野毛町・宮川街、名古屋市の栄、福岡市の住吉・春吉といった場所にもゲイ向け店舗が軒を連ねている。
エリア別に「系統」が分かれており、例えば東京都内では
新橋=リーマン・スーツ系
上野・浅草=老け専・でぶ専
といったものがメジャーだ。
他にも中野・池袋・渋谷といった街にひっそりと存在する。
「えっ、こんな駅の近くで男同士がセックスしているのか」と驚かれる方もいるかもしれないが、自ら調べようとしなければ基本的にそれと分かる看板は出ていないので風紀を乱してはいない。また、室内で何が行われていようと、店外の男が襲われるようなことはないので心配も無用だ。
ハッテン場は秘密クラブのようなところであって、無法地帯ではないのだ。
ちなみに、これらの「有料系」ハッテン場のほかに、掲示板等で待ち合わせの約束がされる公衆トイレ等の「無料系」ハッテン場も事実上存在する。
ひっそりと行われているとはいえ、こちらは公共の場。こういった場所でわいせつ行為を行うことは迷惑行為・違法行為となりえるため、要注意だ。現在はだいぶ取り締まりも強化されている模様。
そう考えると、ゲイ向けの界隈内で「有料系」ハッテン場だけを利用している人たちはかなり良識的だとも考えられるだろう。
有料系ハッテン場の種類
室内で性行為を行うことができる「有料系ハッテン場」にはいくつかの種類がある。それをご紹介しよう。
・ヤリ部屋:性行為ができる部屋とシャワー等がある
・サウナ・浴場:ゲイ向けのものは「会員制」というプレートが扉にあるため、事情を知らない人が入るのを防いでいる。
・ホテル型:サウナ・浴場型より更に大きく、軽食を食べるスペースやテレビのある休憩室なども併設されている。
・ビデオボックス型:通称ビデボ。ビデオを観ることのできる個室だが、壁の穴を通して触れ合ったり、部屋を移動し合ったりすることもできる。
・映画館:成人向け映画館などが事実上ハッテン場となっていることがある。
こういった様々なタイプのハッテン場が、ゲイの性欲と出会いの欲求を満たす機会を与えている。
ハッテン場「濃厚接触」のマナーと安全性
「濃厚接触」の極致ともなりうるゲイセックス。
当然、危険な感染症を防ぐためにはコンドームの徹底した使用がマナーであり命綱ともなりうる。
ゲイ業界の界隈で、事あるごとにコンドーム使用を訴えるキャンペーンが行われているのは、男性間の性行為が依然としてHIVの感染ルートとしてトップであることを意味している。
同性愛は病気でも間違いでもない。しかし、直腸の粘膜は膣粘膜のように男性器を受け入れるための強靭さを備えていないため、容易に傷がつきやすく、そこからウイルスが侵入しがちなのだ。
また、「妊娠しない」という理由上、男同士遠慮がいらないという快楽重視のために生での挿入・中での射精がされがちな傾向も無視はできないだろう。
さて、コンドームの使用を推奨し徹底したとして、コンドームは本当に完全な防御手段となりうるだろうか?
現実的には、コンドームの適正な使用によってほとんどの性感染症等を防ぐことが可能だ。
とはいえ、例外もある。
毛じらみは、コンドームと関係ない部分から伝染する。
今まさに渦中の、コロナウイルスも性器とは無関係に感染する。
また、本来コンドームで防ぎきれるはずの感染症についても、不慮の事故や不手際でコンドームの破損・脱落ということも起こりうる。
中には、性的な興奮と快楽だけを追求した結果、タチ(男役として挿入する側)が性交途中でコンドームをはずし生挿入を行ったり、場合によっては不本意なレイプ状態になることもあるかもしれない。あるいは、ネコ(女役として挿入される側)が快楽追究のプレイとして、生挿入や強引なレイプ風性交を求めてしまうこともある。
コンドームさえあれば安全というわけではないのだ。
性指向関係なく性依存症は病気
生々しい内容の記事となり恐縮だが、成人男性のすべてが風俗に通うわけではないように、ゲイといってもハッテン場通いをする人は一部だ。
同性愛傾向のある人を無節操な性行為と結びつけることはしてはいけない。
また、同性愛者は現代日本において公に関係が認められにくい性質上、出会いの場が限られてしまうという事実も忘れてはならない。ありのままに何もかもさらけ出せる場所のひとつが、ゲイスポットであり、ハッテン場だったりするというだけの話だ。成人同士、合意の性行為に他人がとやかく言うものでもない。
もちろん、安全性やモラルが吹き飛んでしまうほど重度のハッテン場通いをする人、高揚感至上主義で危険な生セックスをしてしまう人もいる。彼らはゲイだから危ない性行為にはまっているのではなく、性依存症という病気だ。
ハッテン場を利用する層でも、正常な判断力のある健全な利用者はコンドームを常時使用するセイファー・セックスを行っている。
性依存症の根本には、動物的な性欲だけでなく複雑な心の問題が横たわっている。
良くないと知りつつも「濃厚接触」をやめられない。
そんな人々に必要なのは、快楽ではなく心の癒しなのかもしれない。
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