独特なポーズにゆっくりとした呼吸法と瞑想を組み合わせたインド発祥の「ヨガ」は、日々の溜まった疲れや悩みから心を解き放すことを、いちばんの目的としている。
「ヨガ」を習慣的に行うことで精神を整えられ、自然と健康への意識も高まり、食べ物の好みや食べ方にも変化が表れてくるという。
さらに身体全体の歪みと姿勢を正す効果が期待され、筋肉のコリと柔軟性が養われるため、発汗作用が活発化する。
「ヨガ」を行う時間帯によって効果も異なり、朝は安らぎを、夜は快適さを実感することができる。空いた時間に短時間から始められる「ヨガ」は、自宅でも気軽に行える点が最大の魅力である。
「ヨガ」の原点は自分と向き合う修行だった
「ヨガ」は本来、精神を統一させ、自然の力を得る『修行』の一環であり、インドの古代の言葉で『神の力に人間を結びつける』という意味が含まれている。そのため、「ヨガ」の発祥地であるインドでは紀元前3000年頃から男性のみが「ヨガ」を行うことが多かった。
1990年以降、欧米のセレブを始めとする女性たちの間で「ヨガ」が広まったことから、現在では女性中心のエクササイズとして楽しむ「ヨガ」が浸透した。
美容やダイエット効果に「ヨガ」結びつけたことで、女性からの支持が圧倒的に多く、男性の骨格や筋肉に合わせて考えられた「ヨガ」のポーズも、女性が負担なく行えるように新しく生み出されている。そんな女性人気に影響されてか、ヨガウェアやヨガマットの女性向けデザインが次々と編み出され、いつ、どこでも、誰でも「ヨガ」に親しめる環境が一般的になった。
「ヨガ」の聖地、リシュケシュを包む自然のエネルギー
インド・ガンジス川沿いの自然に恵まれた小さな街『リシュケシュ』には、本格的なヨガ修行を実施するための宿泊施設を併設したヨガ道場『アシュラム』がある。
日頃の生活から離れ、『アシュラム』での食事、宿泊、ヨガ修行を行うことで集中力と精神力が鍛えられるとの評判である。『リシュケシュ』での生活を肌で感じることが重要とされ、世界中の「ヨガ」ファンが訪れている。
インドの都市部に比べ、静かな時間が流れる『リシュケシュ』の街は、見渡す限りガンジス川の風景が広がり、新鮮な空気で包まれたパワースポットとしても有名である。
インドでは、生活用水や家庭から出るゴミによる川の汚染が深刻化していることも事実だが、『リシュケシュ』は、ガンジス川の上流部分に位置するため、雨季以外の時期は透き通ったガンジス川を観賞することができる。
生きた技術を学んだ後は「ヨガ」を教える側へ
趣味で始めた「ヨガ」に魅了され、ヨガインストラクターを目指す人も少なくない。
「ヨガ」に関する適切な知識を学び、資格を取得するには国内のスクール講座、通信講座、オンラインレッスンそして、海外への短期ヨガ留学がある。「ヨガ」の聖地である『リシュケシュ』でも資格取得に向けた短期ヨガ留学を実施している。日本語通訳付きのコースや、日本人スタッフがいる『アシュラム』を希望することも可能で、現地での滞在期間は1週間から数ヶ月と自身が希望するプランによっても違いがある。
ヨガの技術を学べる他、生理学やヨガ哲学、解剖学の講義も受講する。日本語が話せる講師の場合、日本語と英語の両方で講義が進められるが日本語での講義には限りがあるため、ほとんどは英語での会話になる。
現地での資格取得に挑むには、海外での仕事を視野に考えている人や、英語を得意とする人が多く参加している印象が強いが、日本のヨガスクールが主催する短期ヨガ留学の場合、留学準備の段階から日本でサポートを受けることができる。
海外への渡航に不安を感じるのであれば、ヨガスクールに通いながら留学を目指すこともひとつの方法である。
「ヨガ」に込められた様々な繋がり
「ヨガ」の語源でもある『繋がり』には大きく分けて2つの要素がある。それは心身を見つめ直し自身の内面を調整する『心と身体の繋がり』と、「ヨガ」を通して出会う『新しい仲間たちとの繋がり』である。
『心と身体の繋がり』とは、心と身体の疲れを解す習慣が自然に身につくということだ。人間は気分が優れないときに背中を丸める姿勢を取ってしまったり、不安や緊張する場面では胸が窮屈になり、呼吸が浅くなるといった心の状態が身体の不調に出ることがある。「ヨガ」を日常的に取り入れることで正しい姿勢と呼吸で身体を調整した際に、これらの健康状態を肌で感じやすくなり、疲れの原因を把握しやすくなる。
世界のどこにいてもネットがあればすぐに繋がれるこの時代らしく、オンライン「ヨガ」で繋がる交流会も積極的に行われ『新しい仲間たちとの繋がり』を持つことができる。長期的な行動制限で、『人との繋がり』の重要性が再認識されている今だからこそ「ヨガ」を楽しむ気持ちを共有することができる大切な交流の場だ。
修行の一環としてインドで生まれた「ヨガ」は、心身を癒すと共に、「ヨガ」仲間の繋がりを広げる交流のひとつに役割を変え、人々に親しまれ続けている。
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