調べてみた

始皇帝の息子と妃の生前の顔がAIで復元される

歴史に名を残す始皇帝

中国の歴史において400以上の皇帝が現れては消えていった。

しかし最も話題性のある皇帝は、始皇帝であることに疑いの余地はない。
彼の行った中国統一という偉業もそうだが、更に彼を魅力的に見せているのは多くの物語や言い伝えである。まだまだ沢山の謎が残されている。

その中でも始皇帝陵は大きな謎の一つである。
中には水銀が流れているとか、大きな宮殿があるとか、多くの憶測が話題を呼んでいる。

始皇帝の遺体がそこにあるのかについても、未だに謎のままである。

始皇帝の出生

始皇帝の出生についても謎が多い。

趙国(戦国時代に存在した国)の生まれで、彼の母親は呂不韋の歌姫だった。
一説によると呂布韋が始皇帝の実父ではないか、という説がある。

趙の国で始皇帝はとても苦労したと言われている。その経験が彼を強くし自立した人間にした。皇帝になってからも苦労は絶えず、反乱や多くの裏切りを経験した。

史記の中の始皇帝

始皇帝の息子と妃の生前の顔がAIで復元される

絵で見る始皇帝

史記の中で、司馬遷が始皇帝の外見について言及している。

蜂準長目(賢く抜け目のない人の描写。冷たい印象を人に与える。蜂のように高く鋭い鼻筋を持った人物で、細く切長な目をしていた)
伨鳥膺 (胸骨が盛り上がっていた。)
豺聲(その声はまるでよく深いヤマイヌのようだ)
少恩而虎狼心 (とても残酷で貪欲な心を持っていた)
意思是他說話聲如洪鐘(彼の話し声はまるで鳴り響く大鐘のようだ)
心胸惡毒像虎狼一樣 (心の中は悪い毒で満ちていて、虎や狼のようだ)
長目刻薄(人に対してとても冷酷で無情だった)

このように描写されている。人となりに関してはとんでもない言われようである。

他の文献によると、身長は198センチの大柄で、とても威厳のある風貌をしていたと記載されている。

AIによる検証

ではこの記述に信憑性はあるのだろうか?
残念なことに、未だに始皇帝陵に入ることはできないので、本人の遺骨から生前の姿を再現することはできない。

ところが、最近になって始皇帝と共に埋葬されたであろう人物の遺骨が発掘されている。

考古学者の研究により、その中の一人の男性が始皇帝の息子の一人であると断定した。そして発掘された一人の女性の遺骨が始皇帝の妃の一人であるということも判明した。

そして息子と妃の頭蓋骨から、AIで二人の生前の姿を復元することに成功したのである。

始皇帝の息子と妃の生前の顔がAIで復元される

始皇帝の息子の一人

始皇帝の息子と妃の生前の顔がAIで復元される

始皇帝の妃の一人

息子と見られる人物は整った顔で、父親のように高く鋭い鼻筋をしていることから、妃よりも始皇帝に似ていることが推測される。

妃はとても整ったしっかりとした顔立ちで大きな瞳である。
弱々しい妃ではなく、強い意思を持ち時代を生き抜いてきたような印象である。

始皇帝の母親はとても美人であったとされている。
彼もまた整った顔立ちの男であったに違いない。

この偉大な皇帝は今もなお人々を魅了してやまない。現在も発掘や調査は進行中である。

 

草の実堂編集部

投稿者の記事一覧

草の実学習塾、滝田吉一先生の弟子。
編集、校正、ライティングでは古代中国史専門。『史記』『戦国策』『正史三国志』『漢書』『資治通鑑』など古代中国の史料をもとに史実に沿った記事を執筆。

✅ 草の実堂の記事がデジタルボイスで聴けるようになりました!(随時更新中)

Youtube で聴く
Spotify で聴く
Amazon music で聴く
Audible で聴く

コメント

    • 名無しさん
    • 2022年 5月 11日 8:39pm

    揚げ足取りの様で恐縮ですが、呂布韋ではなく呂不韋ではありませんか?
    興味深い記事だけに誤字脱字の類いは勿体なく思い、コメントいたしました。

    0 0
    50%
    50%
    • 修正させていただきました!
      ご指摘まことにありがとうございますm(_ _)m

      0 0
      50%
      50%
  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事

  1. 透視能力を持つ超能力者・御船千鶴子 「リング〜貞子の母のモデル」…
  2. 漢字の面白い成り立ち 「象形文字、指事文字、会意文字、形声文字」…
  3. ディズニーパークの城のモデル「ノイシュヴァンシュタイン城」につい…
  4. 世界で話題沸騰!未来計画ノート「バレットジャーナル」の活用方法
  5. ペストの歴史 「ヨーロッパの人口の3分の1を死に至らしめた病原体…
  6. 知られざる客室清掃業の仕事とは? 「客室の清潔さがホテルの信頼を…
  7. 本名以外で郵便配達物を受け取る方法 【クリエイター必見?】
  8. 世界最初の貨幣と古代の貨幣の歴史

カテゴリー

新着記事

おすすめ記事

【スターリンが恐れたナチスの空の魔王】 ルーデルの人間離れした伝説

ナチス・ドイツは第二次世界大戦中、祖国のために戦い功績を挙げた人物に「騎士鉄十字章」という勲…

「家康から嫌われまくっていた次男」 結城秀康の真実とは 〜後編

前編では、結城秀康の前半生における苦労と、独立した大名となった過程を解説した。今回は、大名と…

「読書教育」は童話の王国デンマークから伝わった【マッチ売りの少女、人魚姫、みにくいアヒルの子】

可愛らしい絵に合わせて、人間の感情、自然や生き物の存在を優しい言葉で語る童話や絵本には、幼い…

【古代中国】 皇帝たちの死生観 「遺体を金の鎧で包み肉体を永遠に保たせる」

生と死の距離感人は死んだらどうなるのか?人類にとって結論の出ない永遠のテーマの代…

蒋琬(しょうえん)とは 「幻の北伐計画 ~諸葛孔明亡き後の蜀の心臓」

孔明死後の蜀を支えた名臣三国志演義は、実質的なクライマックスである五丈原の戦いが終わると、姜維の…

アーカイブ

人気記事(日間)

人気記事(週間)

人気記事(月間)

人気記事(全期間)

PAGE TOP