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『かごめかごめ』の不可思議な歌詞について考察

はじめに

かごめかごめ
かごのなかのとりは
いついつでやる
よあけのばんに
つるとかめがすべった
うしろのしょうめんだあれ

前回は『かごめかごめ』の歌詞に焦点をあて、地域によって異なっている歌詞やその内容についてご紹介しました。→こちら

今回は多くの地域で使われている上記の歌詞の言い回しに注目し、『かごめかごめ』の不可思議な歌詞について調べてみました。

そもそも「かごめかごめ」とは

この遊び歌の題名でもある「かごめかごめ」という言葉からして、諸説あるのを皆さんご存知でしょうか?

各説により、それぞれで意味が異なっています。
まずはそれらについて、ご紹介していきます。

『かごめかごめ』の不可思議な歌詞について考察
籠に関係するとされる説

「かごめ」の「かご」に「籠」の字をあてるというものがあります。
この場合、「籠目」や「籠女」と後ろの「め」の部分の漢字によって更に分岐します。

籠目」であれば、「竹で編まれている籠の編み目を表している」という説や、籠目の形から「“六角形”や“六芒星”を表している」という説があります。

籠女」であれば、“籠を抱いているように見える女性”という事で「妊婦を表している」という説や、“籠の中に囚われている女性”という事で「遊女を表している」という説などがあります。

神に関係するとされる説

「かごめ」に「神具女」や「神宮女」の漢字をあてるとされる説もあります。両方とも「かぐめ」と読み、そこから転じて「かごめ」となったとされているものです。

この場合は、「祈祷などを行う“巫女”や“斎宮”を表している」とされています。

声かけをしているとされる説

『かごめかごめ』遊びをする際の「かけ声」とされているものもあります。

こちらは「鬼を“囲め囲め”と皆に呼びかけている」というものと、「鬼に対して“屈め屈め”と言っている」というものがあり、それが変化して「かごめかごめ」なったとされています。

ありえない刻「よあけのばん」

『かごめかごめ』の中には、不思議な歌詞や言い回し等が幾つか見られますが、こちらもその1つとなります。

」とは“日が暮れてから後の時間”や“夜の時間帯”の事を言います。

もしこれが「晩の夜明け」であればまだそれほど変ではないのですが、「夜明けの晩」というのは、表現としてはとても“おかしなもの”となります。

「夜明け」である時点でそれはもう「晩」ではないという事になりますので、「不思議で、よく解らない歌詞である」となるのです。

なんだか考えれば考えるほど、頭がこんがらがってきそうですよね。

不吉さを匂わせる「つるとかめがすべった」

鶴は千年、亀は万年」と言われます。

鶴と亀は長寿の象徴であり、お祝いやおめでたい席でもよく見られる縁起物でもあります。

鶴は“つがい”の仲がとても良く、一生連れ添うとされています。そこから、「仲が良い象徴」ともされています。

また、共鳴する鶴の鳴き声が遠くまで届く事から“天に届く”“天上界に通ずる”鳥とされ、そこからも縁起が良いとされています。

亀は、中国では『仙人』が住むとされ、不老長寿の地としても信じられていた“蓬莱山”からの『お使い』とされています。そこから長寿に加え、「知恵を象徴する動物」とされています。

インドやギリシャでは、甲羅の硬さから“世界を支えている”とされる伝説もあり、そこから亀は「不動の象徴」であるとされています。

そんな「長寿」「仲の良さ」「知恵」「世界を支えている」等の象徴とされる鶴と亀が“滑った”と歌っている『かごめかごめ』の歌詞は、不吉さを感じさせるものとなっています。

不可解な表現「うしろのしょうめん」

“鶴と亀が滑った”後に続く「後ろの正面だあれ?」という歌詞も、実は不思議な言い回しです。

単純に「真後ろにいる人は誰?」と尋ねているんじゃないの、と思われるかもしれませんが、「面」とは「おもて」の事であり、「前」の意味になるのです。

ですから「正面」とは「まっすぐ前」を意味しているので、「“後ろ”の正面」という言い方は、言葉としてはとても『奇妙なもの』となります。

歌詞を「(真)後ろにいるのはだあれ?」ではなく「後ろの正面だあれ?」としている処に、『かごめかごめ』の不思議さや奇妙さ、そして何ともいえない軽い混乱を招く要素があると言えます。

最後に

今回は、『かごめかごめ』の歌詞の中でも、特に不思議な箇所について調べてみました。いかがでしたでしょうか?

子供の頃、私自身も近所の子達と何度となく遊んでいた『かごめかごめ』。

考えれば考える程、奥深い歌詞であるようにも、別の何かを意図しているようにも、何か暗い部分を含んでいるようにも、思えてきますよね。

現在ではあまり子供達が鬼を囲み、『かごめかごめ』を歌いながら遊んでいる姿も見られなくなってしまいました。

けれどもそんな『かごめかごめ』を口ずさみながら、自分なりにその歌詞を解釈してみるのもまた、面白いのではないでしょうか?

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