不思議

中国で多く実践されている2つの風水

生活に必要な最小限の物で暮らす人々を表す『ミニマリスト』という言葉が話題となり、断捨離や片付けへのノウハウが注目されている。

同時に物で溢れた部屋の環境を整えることは、生活の運気を上げることにも繋がるといわれている。

これは、長い間クローゼットの中に眠っている衣類や使用する機会が減った日用雑貨を手放し、快適な生活空間を創ることで、心の余裕と前向きな気持ちが生まれやすくなるという心理的な仕組みである。

中国で多く実践されている2つの風水

断捨離や片付けを行う際に、風水を意識した部屋の模様替えを取り入れることも快適な暮らしを送る上では効果的なことだ。

特に風水の専門的な知識は必要なく、家具の配置や色を意識するだけでも自身のモチベーションを維持する切っ掛けにもなる。

風水と聞くとスピリチュアルなイメージが強いが、実際は誰もが簡単に実践できる『幸運を自分で掴むための行動力を高める意識付け』と考えるのが適当である。

自ら実践することで運が開ける中国発祥の風水学

古代中国で誕生した学問のひとつである風水は、自然の恵みや色合いを利用してより良い環境を整えるために、住居や墓地の設計等のアイディアに活かされてきた。

今でも中華圏の国々では寺院や墓地、大手企業の会社を建設する際は、風水の知識を取り入れている。

一般家庭においても風水はとても身近なものとして考えられており、引っ越し前の間取りの下見では必ず風水学の知識を参考にする人が多い。

自分のいる環境が運を左右する』という風水の考えは、『自然と一体化することで運が開ける』『気の力を十分に利用して幸運を呼び寄せる』といった人々の意識付けに結び付いている。

運気が高まる時期を待つだけではなく、身の回りの環境を自分で整えて幸運を自分で迎えに行く行動が風水の特徴であり、占いとは異なる部分である。

中国で多く実践されている2つの風水

中国では一般的に、住居や仕事面を重点に鑑定する『陽宅風水(ようたくふうすい)』と、墓地の建設や埋葬する場所を鑑定する『陰宅風水(いんたくふうすい)』の2つに分けて考えられており、風水師は様々な業界からの鑑定依頼が絶えない。

日本では聞き慣れない『陰宅風水』は、血族主義の強い中国ならではの先祖や亡くなった家族を敬う気持ちと、その気持ちを持ち続けることで自分の今後の運勢にも良い影響を与え、その幸運は子孫にまで受け継がれるといった風水である。

そこには「家族が死を迎えた後も、安心して休めることができる静かな場所を提供してあげたい」という人々の強い希望も含まれている。ちなみに日本では、個人が決めた場所に自由に埋葬することができないため、『陰宅風水』を活用されることは少ない。

中国で多く実践されている2つの風水

『陽宅風水』は我々がイメージしている住宅における一般的な風水に近い。

中国では住宅の建設前に『陽宅風水』を行う習慣が盛んである。住み始めた瞬間から良い運気を招き入れ、その場所で暮らす住人や働く人々と建物との相性を必ず良好なものにできるという確証を得たいからである。

家が完成した後、または既存住宅を購入した際も方角に適した家具の配置や風通し、色を意識して更に運気の強い部屋創りに努める。

悪い気を浄化させるといわれる『観葉植物』や商売繁栄の象徴である『招き猫』の置物などは誰もが知る開運アイテムだ。

日本で間違いやすい風水の捉え方とは?

日本で広く知られ用いられている風水の多くは、中国から伝わった『陽宅風水』に生年月日から導き出される基本的な性格と干支、吉凶を指す方角を組み合わせた『九星気学(きゅうせいきがく)』を加えたものである。

そのため風水と占いは同じものだと認識している人も少なくなく、部屋のあらゆる所に開運アイテムだけを並べ始める傾向が強い。

自分が落ち着ける空間ではなく風水に従っただけのこだわりのない部屋を創っても、生活の中で変化を感じることがなければ意味のないものとなってしまうであろう。

風水とは開運アイテムの効果に執着するものではなく、これから生活していく自分のモチベーションを上げるための意識付けに過ぎない。たくさんの開運アイテムや運気に効果のある色を取り入れたとしても、自分が住みやすい、落ち着ける居場所であると感じられなければ意味がないのである。

変わりゆく風水の価値観と求められる対応力

中国で多く実践されている2つの風水

近年、時代の変化や人々の物の捉え方に合わせて、風水の理念を少しずつ変えていく必要があるという見解も増えてきている。

例えば、気の流れは部屋の空気の入れ替えを良くすることで改善されるとあるが、家族全員が仕事や学校で家にいない時間帯も多く、防犯上の理由から常に窓を開けておくことは難しいのが現状だ。ならば窓を開けることだけが正解とするのではなく、空気清浄機や扇風機といった家電用品を利用しながら部屋の空気の流れを変えることに努めていこうといった、時代に合わせた風水の価値観や対応力の変化が今後は重要とされてきている。

現代の人々の生活を支えている生活用品や人間の生活習慣が変わりゆく中で、古代から伝わる風水の教えをそのまま活用するには限界があるが、現代の人々の生活に風水の知識を合わせていくことで、無理なく日常の中に風水を取り入れることは可能である。

そして、風水の原点である『人の運は環境で決まる』という教えを今すぐ実践し自分の運を鍛え上げるためには「物を溜めない、身の回りの整理整頓、適度な掃除」で創り上げる快適な生活空間の維持から始めることがいちばんの近道といえる。

 

アバター

草の実堂編集部

投稿者の記事一覧

草の実学習塾、滝田吉一先生の弟子

✅ 草の実堂の記事がデジタルボイスで聴けるようになりました!(随時更新中)

Audible で聴く
Youtube で聴く
Spotify で聴く
Amazon music で聴く

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事

  1. 『かごめかごめ』の不可思議な歌詞について考察
  2. 「思い込み 」について調べてみた【ミスディレクション】
  3. かごめかごめの歌詞の違いについて調べてみた
  4. 石北峠の通称「バケトン」について調べてみた
  5. とても怖い?! ゆびきりげんまんの由来
  6. イルミナティが世界を動かす!恐るべき計画とは?!
  7. 【現代版ノアの箱舟】中性子星が地球に接近したら人類はどうする?
  8. 【恋愛が上手くいく!】恋愛おまじない 3選

カテゴリー

新着記事

おすすめ記事

【三国志 資治通鑑】 曹操の驚異的な才能はいかにして現れたのか?

曹操とは曹操(字:孟徳)とは、中国後漢末期から三国時代にかけて活躍した軍事・政治の天才で…

祟り神について調べてみた【平将門、菅原道真、崇徳天皇】

「祟り神」と聞いて、どんな印象を受けるだろうか。名前の意味からイメージするのであれば、“祟りをなす怖…

気の毒すぎる…豊臣秀吉の逆ギレで流罪にされた戦国時代の美女・於安

豊臣秀吉(とよとみ ひでよし)と言えば、戦国時代きっての女好きとして知られ、若い頃、女漁りのひどさに…

【私財を投じて100人以上の孤児を救った主婦】 石綿貞代と「愛児の家」

太平洋戦争で親や家を失った戦争孤児は、約12万人。彼らの保護は公的な施設だけでは手に負えず、…

武士に憧れた公家・近衛信尹の苦悩【秀吉が関白を奪う原因を作り公家から袋叩きにされ心を病む】

近衛信尹とは近衛 信尹(このえ のぶただ)は、公家でありながら武士に憧れ、豊臣秀吉の朝鮮出兵…

アーカイブ

PAGE TOP