三國志

【三国志の豪傑】 張飛は目を開けたまま寝ていた? 「肝臓が悪い人に多い」

張飛

張飛は目を開けたまま寝ていた?

※清代の書物に描かれた張飛

言わずと知れた三国志の豪傑 張飛

人間味のあるその性格と、人間離れした力や戦闘能力で多くの人を魅了している。
三国志演技の中で張飛はなんと夜眠る時、凄まじく大きな鼾(いびき)をかいたという。(※あくまで三国志演技は創作物であるが

張飛の妻も耐えられないほどの大きさであった。そしてなんと目を開けて眠るという記述がある。
しかも目を全開に開いて眠っていたという。

正常な人間であれば、目を閉じて寝るのが普通である。
まれに半目を開けていたりする人はいるが、全く目を閉じずに眠るなどということがありえるのであろうか。

目の疾患

人は眼球が瞼よりも大きすぎると、目を閉じる事ができないという。
つまり瞼が眼球を覆う事ができないのだ。

その理由の一つにホルモン異常の病気「バセドー病」がある。
目が少しづつ前に飛び出てくるため、瞼で覆いきれないという現象が起こるのである。

目を閉じずに寝る」というのは実際に一つの病気として存在する。
夜行性兎眼という睡眠障害の一種である。
睡眠中に目を閉じないと、目が乾いたり、光によって目が覚めるなど、しっかり睡眠が取れないなどの弊害がある。

実際に病気として存在しているのだから、張飛の話もまんざら作り話ではないかもしれない。

そして、目を開けたまま眠る症状の原因として「肝臓の疾患」というのがある。

肝臓に問題があると、目に症状が出てしまうという。

これが張飛においては当てはまるかもしれない。

酒豪張飛

張飛は酒好きで有名である。「張飛酒」という名前の酒が販売されているほどである。

張飛は毎日酔うまで酒を飲んでいたという。
そのせいで肝臓を痛めていたことは十分に考えられる。

張飛は酒好きの上に酒癖も悪かった。

劉備関羽に何度も戒められたというが、なかなかその癖は治す事ができなかった。

張飛は目を開けたまま寝ていた?

イメージ画像 : 張飛酒

彼の死も、酒が引き金になったといっても過言ではない。

関羽の死後、復讐のために兵を挙げることにした張飛は、3日以内に70万の大軍の白衣を作るよう依頼した。
当然そんな無茶な要求が実現できるわけもなく、依頼された2人の男は納期を伸ばしてもらえるように伝えた。

ところが張飛は酔っていたことも手伝って、彼らを50回佃で打ち「できないなら、殺す!」と激昂した。
その狂気を見た2人の男は殺される前に殺してしまおうと、張飛が大いびきかいて眠っているところへ行った。

2人は目を疑った。明らかに大いびきをかいて眠っているのに目は開いたままなのだ。男たちは怯えたに違いない。

だが、よく観察してみるとぐっすり眠っている。そこで2人は張飛を殺した。

酒の飲み過ぎは、今も昔も変わらず災いの元である。

 

草の実堂編集部

投稿者の記事一覧

草の実学習塾、滝田吉一先生の弟子。
編集、校正、ライティングでは古代中国史専門。『史記』『戦国策』『正史三国志』『漢書』『資治通鑑』など古代中国の史料をもとに史実に沿った記事を執筆。

✅ 草の実堂の記事がデジタルボイスで聴けるようになりました!(随時更新中)

Youtube で聴く
Spotify で聴く
Amazon music で聴く
Audible で聴く

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事

  1. 張遼の異常な武力と合肥の戦い【正史の方が活躍していた】
  2. 三国志の名門「袁家」はなぜ滅亡したのか?【袁紹の死と後継者問題】…
  3. 魏の歴史【曹操、曹丕、司馬懿】三国時代一の強国
  4. 『三国志』蜀を滅ぼした男・鄧艾 ~なぜ“英雄”は殺されたのか?
  5. 「ボケ老人のフリして政敵を粛清」 司馬懿による血塗られたクーデタ…
  6. 【三国志】諸葛亮の涙「なぜ馬謖は処刑されなければならなかったのか…
  7. 玉璽とは ~【皇帝の証とされる超レアアイテム】
  8. 高順とは ~「呂布の危機を救った陥陣営と呼ばれた猛将 」

カテゴリー

新着記事

おすすめ記事

北の関ヶ原 『慶長出羽合戦(長谷堂城の戦い)』 わかりやすく解説

関ヶ原の戦いは、戦国時代において最も有名な戦いであろう。しかし、この関ヶ原の戦いの陰…

【家康に仕えたイギリス人】ウィリアム・アダムス(三浦按針)

豊臣秀吉の没後、天下の実権を握った徳川家康は、キリスト教を禁止し、海外との貿易も限定するようになった…

【神道】けがれた心身をリフレッシュ!禊(みそぎ)って何?具体的なやり方を紹介

「アイツはまだ禊(みそぎ)が済んでいない」何か不祥事をやらかした著名人が暫く姿を消して、再び…

近年注目されている自然農とは? オーガニック農法の種類と歴史

食の安全に対する意識が高まっていることから、効率重視の従来農法だけでなく、より自然に寄り添ったオーガ…

奈良公園の観光を影で支えていたのは「働きものの糞虫(フンチュウ)」だった

奈良市内の観光の中心地といえば、何といっても鹿が群れ遊ぶ奈良公園と、その周辺に点在する世界遺…

アーカイブ

人気記事(日間)

人気記事(週間)

人気記事(月間)

人気記事(全期間)

PAGE TOP