古代ローマ人は中世以前の有史において、最も発展した文明を築いたことで有名である。
古代ローマは時代によって違いがあり、紀元前509年〜紀元前27年は共和制国家、紀元前27年〜307年を帝政ローマ、307年からは東西に分裂後に東ローマ帝国(ビザンツ帝国)となっている。
彼らは電気が生まれるはるか以前の紀元前に下水道と上水道を整備し、水洗トイレや公衆浴場などの施設を作り、施設の中には食堂やトレーニングルームまであったという。
2000年近く前に素晴らしい文明を築いたローマ人だが、現代の我々からするとビックリするような習慣もあったようだ。
古代ローマでは「尿」で衣服を洗っていた
古代ローマ人の服といえば、トガやチュニックなどが有名であるが、彼らは衣類を「尿」を使って洗濯していたという。
現代人からすると信じられない感覚だが、実は尿には洗剤として活用できるアンモニアなどの科学物質が多く含まれている。
尿を発酵させることで、バクテリアの働きにより現在の洗剤のような効果が生まれ、油汚れには抜群の効果があったという。
ポンペイ遺跡からは一世紀頃の「石鹸工場」が発見されており石鹸は存在していたようだが、尿の方がはるかに洗浄効果が高かったようで長く使われていたようである。
ちなみにイギリスでは19世紀まで「尿」は毛織物の洗剤として使われている。
尿の回収方法
それでは古代ローマ人はどのようにして「尿」を集めていたのだろうか?
当時のローマの家庭や仕事場、お店などには小さな鉢が置いてあり、人々は鉢の中に尿をしていたという。
鉢が一杯になると大きな容器に移し替えて通りに置く。そして専門の業者が週に一度この容器を回収し、今で言うコインランドリーのような洗濯場に運んでいったという。
つまり「尿」を集めて洗剤を作る専門の業者が存在していたのである。
洗濯方法としては桶の中に尿と衣類を入れて、素足で踏みつけて洗っていたとされている。
ちなみに「ポルトガル人の尿」は大変人気で高価だったという。
「尿」には他にも様々な効果があったようで、なんと歯磨き粉やマウスウォッシュ、歯のホワイトニングにも使われていたことがわかっている。
現代において再び「尿」を再利用する習慣が復活することは考えられないが、「尿」には様々な効果があるということは知っておいて損はないかもしれない。
この記事へのコメントはありません。