アメリカ発の倉庫型大型スーパーマーケット「コストコ」。
行ったことはなくても、名前を知らない人はほとんどいませんよね。2017年9月1日には、静岡県浜松市に「コストコ浜松倉庫店」がオープンしました。国内の店舗数はこれで26店舗になります。
圧倒されるほどに高く積まれた大量の商品。巨大な倉庫型の店内。見ているだけでワクワクしますが、それを体験するには「年会費」を払わなければいけません。しかも、4,400円(税抜き)!
この価格を考えると「コストコでのお買い物って本当にオトクなの?」って考えてしまいます。
桁違いのパッケージ!
コストコの一番の特徴は、商品の大きさです。人気のパン「ディナーロール」も、ひとつは子供のグーくらいの大きさですが、それが36個も入っています。これで498円(税込み)というのは確かに安いと思います。1個あたりの単価は約14円ですからね。
その他にも、コストコを代表するトイレットペーパーやペーパータオルも1パックの単位が日本とは違います。吸水性と耐久性が抜群ということで人気のペーパータオルも、12ロール、960シートという大きさ!洗剤も大容量パックで、これだけで車の中が埋まってしまいそうです(笑)
食品だって大きさが桁違いです。コストコの大きさを象徴する「ティラミス」も1パックが1500g!お肉もグラムじゃなくて、キロ単位のものがズラリと揃っていて、それも人気です。
利益は1割!?
コストコが日本に上陸したのは1999年です。
当時はネットショッピングも一般的ではありませんでしたが、今ではAmazonなどでカンタンに大量の商品が自宅まで届きます。しかも、Amazonのプライム会員なら「Amazonパントリー」を利用することで、日用品から食品まで1箱にまとめて購入できるので便利になりました。
そんな時代に、わざわざ店舗まで行って、たくさんのお買い物をする。しかも、コストコは全国で26店舗しかありません。それなのに、週末はどこも賑わっています。そこまでの人気があるのは、単に「オトク」という言葉ではまとめられないですよね。
※広島倉庫店
でも「オトク」と「割安」は違います。確かに、仕入れの原価と販売価格の割合で言えば、コストコの商品は圧倒的に割安だと言えます。
2015年のアメリカのコストコの決算によると、売り上げに対して、原価は98%という驚きの数字になっています。つまり、儲けは11%。
確かに「まとめ買い=オトク」というのは分かりますが、パッケージの大きさを考えたら本当にオトクと言えるのでしょうか?
本当にオトクですか?
私が疑問に思ったのは「そんなに買って使い切れるの?」ということです。食品は食べ切れなければ消費期限がありますし、日用品も置く場所に困ります。それに、あまりに大きい単位だと、パッとオトクかどうかの計算も難しいですよね。
先ほど書いたようにコストコの商品が割安なのは間違いありませんが、使い切れないほどの量を買っても「安かった」と思えるほどの価格差があるのでしょうか?近所のスーパーなどで売っているお肉はグラム単位ですが、それがキロ単位になれば簡単に比較できません。冷凍して保存することもできますが、それでは冷凍庫が埋まってしまいます。それだったら、多少高くても近所で適量を買うほうが、よほど負担がないように思えるわけです。
これは個人の違いかもしれませんが「せっかく来たんだから、たくさん買っちゃおう!」という人もいるでしょう。周りの雰囲気に押されて、ついつい大量買いをしてしまうとか。
そう考えると、必ずしも「オトク」とは言えなくなってきます。
アメリカとの生活の違い
そもそも、コストコのような大型店がアメリカで人気になったのは、日本との生活の違いがあります。
まずアメリカは何もかもが大きくて広い!
家も大きければ冷蔵庫も大きいし、土地も広い。だから、郊外に住むと買い物も大変です。毎日少しずつ買い物をすることなんて出来ません。週に一回、家族でコストコなどの大型店でまとめ買いするのが当たり前なんですね。特に、共働きの家庭も多いので、その方が効率的です。もちろん、冷蔵庫も大きいから保存もバッチリ!
おまけにパーティー好きですから、休日には友達を呼んでバーベキューをしたり、大量に消費する機会も多くあります。
それはいかにもアメリカらしい光景です。
コストコはスーパーじゃない!
その「アメリカさしさ」、つまり、「非日常的な空間」こそが日本でのコストコの人気につながっているんです。ハッキリ言ってしまえば「イベント感覚」ですね。
だって、そうでなければガソリン代や高速代まで使ってコストコに行く必要性がありません。アメリカの日常を感じさせる圧倒的な物量に驚き、色々な商品を見て回る楽しさ。日本のスーパーでは味わえない感覚です。
それに加えてコストコの商品が割安なのは確かですから、会員となったお客は安心して買い物が出来ます。金額的な損得ではなく「あそこに行けば楽しめる!」って分かっているから人気なんです。考えてみてください。コレってテーマパークと一緒じゃありませんか?
しかも、コストコは年会費を高く設定することで利益を出して、その分を低価格に反映しているので、どちらにとってもメリットがあるわけです。
まとめ
調べてみて、コストコの魅力が「オトク」という一言では表せないことがよくわかりました。年会費は「パスポート」、お買い物が「アトラクション」だと思えば、その人気にも納得です。アメリカの空気を感じられる「非日常空間」、それがコストコの人気でした。
コストコHP → http://www.costco.co.jp/
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