スポーツ

ラグビーが国民的人気スポーツの時代があった~早明戦今昔物語

日本でもラグビーが国民熱狂の人気のスポーツだった時代があった

2019年 日本で開催したラグビーワールドカップの盛り上がりはすごいものがありました。

そして“にわかファン”と自嘲しながらも、日本人の多くがラグビーというスポーツのすばらしさを知ったのではないでしょうか。

しかし、ラグビーは昭和の時代から、日本人に熱狂的に愛されていたスポーツだったのです。

その時代はもちろん、オールブラックスとか、英国4協会とか、そんなことはだれも知りません、単に国内の人気スポーツとして、多くの人々が熱狂していたのでした。

そんな時代のレジェンドはいくつかあります。松尾雄二率いる新日鉄釜石とか、伏見工業泣き虫先生とか、平尾誠二がみた夢とか。。

そんな中で、その原点を作った大学ラグビー関東対抗戦の早稲田対明治、、いわゆる“ラグビー早明戦”について調べてみました。

2013年、オリンピック開催に伴い旧国立競技場最後の早明戦、両校の校歌、6万6千の大観衆を見てください。ワールドカップ開催など一般にはあまり知られていない頃なんですよ。

ラグビー初期の歴史

ラグビーが国民的人気スポーツの時代があった~早明戦今昔物語

※エドワード・ブラムウェル・クラーク(Edward Bramwell Clarke)

1899年、横浜のエドワード・クラーク教授により、はじめてラグビーが慶應義塾大学の学生に紹介されました。

1901年、慶應義塾大学は「Yokohama Foreigners」と対戦し35対5で敗れたましたが、特筆すべきはすでにこの頃からラグビーにおける人種の壁がはずされていたことです。

クラーク教授はこの試合でプレーし、慶応の学生がトライを決めた後に、コンバージョンを成功させたのです。

1926年には日本ラグビーフットボール協会 が創立しました。その時、昭和天皇の弟であり熱心なスポーツマンであった秩父宮雍仁親王が、日本におけるラグビーの振興に多大な尽力をつくされました。

そして、北青山二丁目にある東京ラグビー競技場は“秩父宮ラグビー場”と改称されたのでした。ラグビーユニフォーム姿の雍仁親王の像は今も競技場を見守っています。

ラグビー早明戦

ラグビーが国民的人気スポーツの時代があった~早明戦今昔物語

※ラグビー早明戦 wikiより

ラグビー早明戦は1970 年代から1980年代に、早稲田の大西鉄之祐と明治の北島忠治の相対する戦術や、劇的なトライで終わった名試合、そして実力人気ともにトップクラスであったスター選手の存在により、毎年6万人もの観客が集まるほどの人気を博していました。

1923年12月24日に早大戸塚グラウンドで初戦が行われ、1941年はなんと真珠湾攻撃の前日に開催されました。

試合は戦前は明治神宮外苑競技場、戦後は秩父宮ラグビー場を経て、観客数が増えて秩父宮では収容しきれなくなったため、1973年から2013年は国立霞ヶ丘陸上競技場で開催しました。

なお1982年には収容人数を超える66,999人を動員したそうです。

長く大学ラグビー界の頂点を競った両校。数え切れないほどの名選手たちが早明戦の舞台で活躍しました。

1962年の早明戦は早稲田木本建治・明治北島治彦(北島忠治監督の子)とも主将・SOで激戦を演じました。

1970年代には明治笹田学松尾雄治に対し早稲田藤原優石塚武生

1980年代前半には早稲田本城和彦・吉野俊郎と明治藤田剛・河瀬泰治

80年代後半から90年代初頭にかけては早稲田に清宮克幸・堀越正巳・今泉清・郷田正・増保輝則、明治には大西一平・太田治・永友洋司・吉田義人・元木由記雄らが活躍しました。

早明戦、名勝負の奇跡

1981 大学選手権決勝 スター本城

第18回全国大学ラグビー選手権決勝 早明戦前半。スター本城和彦は巧みなステップワークで相手ディフェンスをかいくぐりトライ。

フォワードの平均体重が10㎏も軽い早稲田の圧倒的不利に明治伝統のゴール前 スクラムトライの猛攻。大観衆の国立競技場が沸き立ちました。

1987 関東大学対抗戦 雪の早明戦

雪の早明戦 1987年の関東大学対抗戦、早大-明大。伝説の名勝負として語り継がれている一戦です。

早大が10-7とリードして迎えた終盤、明大が早大をゴール前にくぎ付けにする猛攻。反則を得ても、PGでは同点にしかならないことからトライを狙い続けます。これに対し、早大は鉄壁の防御で逃げ切り、5年ぶりの対抗戦優勝を果たしました。

早大のSH堀越正己、WTB今泉清、明大のWTB吉田義人と、後に日本代表でもプレーすることになる「スーパー1年生」が注目を集めた一戦でもありました。

1990 関東大学対抗戦 劇的な両校優勝

序盤はSH永友洋司のトライやPGで明治が優勢で、後半37分まで24-12とリードしていました。

しかし、残りは4分ほどから、早稲田に奇跡のドラマが始まりました。

後半38分、早稲田はキャプテンSH堀越正巳からWTB郷田へとパス、2人のタックルをかわし、中央にトライ。24-18に追い上げます。

そしてロスタイム突入、ラストプレーに入った直後、早稲田は一度モールを形成してから左に展開。パスをつないで、最後は左にライン参加していたFB今泉清へ、そのまま斜め左へ減速することなく最後のタックルをかわすと、80m独走で、左中間のインゴールへ飛び込んみました。

6万人の大観衆の国立競技場に歓喜の怒号と悲鳴が飛び交う中。コンバージョンが決まり、24-24の同点になった瞬間にノーサイド! 両校の選手の表情があまりにも対照的。。対抗戦は両校優勝として記録(記憶!)に残る結果となりました。

1991 大学選手権決勝 吉田執念のトライ

対抗戦で 早稲田が終了間際の5分あまりで、12点差を埋める(24対24)奇跡を演じた、年明けの大学選手権決勝、両校はふたたび相交えることとなります。

この試合では、後半まで早稲田にリードされていたが、残り15分で、明治・吉田義人が歴史に残る40m独走の逆転トライを決め、意地をみせたことで観衆を熱狂させました。

1995 関東大学対抗戦 早稲田対明治

ロスタイムでの山本肇の逆転トライ、“国立競技場がゆれてます”

2001 関東大学対抗戦 早稲田対明治

終了前5分間のギリギリの攻防、こんなドラマチックな最後も素晴らしい。

2008 関東大学対抗戦 早稲田対明治

最期の最後でコンバージョンキックがポストに当たってしまうといる劇的なノーサイド。

2012 関東大学対抗戦 早稲田対明治

早稲田大32 vs 33明治大 明治ロスタイムでのラストワンプレーで逆転!史上初の3校同時優勝!

2018 関東大学対抗戦 早稲田対明治

近年の関東大学対抗戦は帝京・明治・慶應義塾・早稲田・筑波・日本体育・青山学院・成蹊の8校で争われる。対抗戦7連覇、大学選手権9連覇中の絶対王者・帝京でしたが、18-19の大学選手権において、対天理大との激闘制し22年ぶりの通算13回目の優勝をはたし、今後 新しい変化のきざしが見えてきました。

ラグビーを見に行こう

今回のワールドカップはすばらしい大会でした。ラグビーというスポーツの面白さ、楽しさを多くの人が感じたのではないでしょうか。

ただ、これで終わりではないのでしょうか、“日本人は熱しやすく冷めやすい”ですからね(笑)。

ラグビーは昔から、日本人の心をとらえていたのです。

競技場に行きましょう。 トップリーグ、大学の対抗戦、リーグ戦、花園の高校選手権など、機会はいくらでもあります。

死闘! 帝京大学 vs NEC ラグビー日本選手権2015

帝京のスクラムハーフは流選手、バックスに松田選手もいました。

激闘 帝京vs 東芝 2015ラグビー 日本選手権

東芝のNO.8はリーチマイケル、帝京は流、松田出場。

ラグビー ヤマハ キャノン 五郎丸

五郎丸さん。。

2016ラグビー日本選手権 サントリー vs 帝京大学

サントリーはフロントローに稲垣さん、堀江さんがいます。リザーブ?に田中さん。

関連記事:
ラグビーの歴史と「2019年ワールドカップ日本代表全選手」

 

アバター

S_nobo

投稿者の記事一覧

学園祭、祭り、グルメ情報、スポーツなどの動画をYoutubeにアップしています。最近の趣味は、ワイドショーとマンガ、ファミレスのハッピータイム研究(笑)

✅ 草の実堂の記事がデジタルボイスで聴けるようになりました!(随時更新中)

Audible で聴く
Youtube で聴く
Spotify で聴く
Amazon music で聴く

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事

  1. 中央競馬の三冠レースについて調べてみた
  2. チャンピオンズカップの歴史を調べてみた「連覇は2頭だけ カネヒキ…
  3. 有馬記念の歴史について調べてみた【有馬頼寧の4つの功績】
  4. 【ブライトン初黒星】 ブライトンの戦術の弱点を分かりやすく解説
  5. ソ連に行くはずが…?数奇な運命を辿り南極への道を作った船「宗谷」…
  6. 安田記念の歴史について調べてみた
  7. エリザベス女王杯の歴史を調べてみた「二度あることは サンドピアリ…
  8. 今シーズンのブライトンの戦力分析 ~前編 「マンCが三笘を熱望 …

カテゴリー

新着記事

おすすめ記事

フィジー共和国の真の姿と、幻の島「タバルア島」

日本では『フィジー』との愛称で有名なイギリス連邦加盟国の「フィジー共和国」。南太平洋に浮かぶ…

「奈良にうまいものなし」は大きな間違いだった! 美味いものだらけの食材を紹介

「奈良にうまいものなし」は大間違い明治から昭和にかけて活躍した文豪・志賀直哉。白樺派の代…

第二次大戦の2つのフランス【ヴィシーフランスと自由フランス】

フランスの降伏ポーランド侵攻で始まった第二次世界大戦。フランスとイギリスは西部戦線でドイ…

パンダは天武天皇の時代から中国から日本に贈られていた 【パンダ外交】

パンダはなぜ可愛い?日本で昔から大人気のパンダ。 その可愛らしい仕草は子供から大人まで魅…

今考えたい「LGBTに同性婚が必要な理由」

近年話題として挙がっている、同性婚。LGBT当事者や支援者、そして特定の政党が合法化を希望し…

アーカイブ

PAGE TOP