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中央競馬での歴代三冠馬を一覧にしてみた

「三冠」は3歳クラシックレースだけ

中央競馬で「三冠」といえば皐月賞・日本ダービー・菊花賞のことをさし、この3つのレース全てに勝利した馬を三冠馬と呼ぶ。牝馬は桜花賞・オークス、1996年(平成8年)以降は秋華賞の3つのレース全てに勝利すると三冠牝馬と呼ばれる。

1984年(昭和59年)にグレード制が導入されるまで、クラシックレースの「三冠」に八大競走(秋華賞を除くクラシックレースと、春秋の天皇賞、有馬記念)を加えて「五冠」(シンザン)「七冠」(シンボリルドルフ)などといわれてきた。

【三冠馬一覧】

《セントライト 1941年(昭和16年)》

※1941年5月18日東京競馬場

東京・田中和一郎厩舎 小西喜蔵騎手
父・ダイオライト 母・フリッパンシー 母の父・フラムボヤント
代表産駒:オーライト(天皇賞春)、オーエンス(天皇賞秋)、セントオー(菊花賞)
通算成績:12戦9勝
競馬の殿堂:1984年(昭和59年)選出 「黒鹿毛の勇者」

日本で初めての三冠馬。デビュー2戦目で皐月賞に勝利、三冠に輝いた次の帝室御賞典の前に引退した。
1947年(昭和22年)に偉業を讃えて「セントライト記念」が創設された。

《シンザン 1964年(昭和39年)》

※谷川牧場で繋養される最晩年のシンザン wiki(c)Hahifuheho

京都・武田文吾厩舎 栗田勝騎手
父・ヒンドスタン 母・ハヤノボリ 母の父・ハヤタケ
代表産駒:ミホシンザン(皐月賞、菊花賞)、ミナガワマンナ(菊花賞)
通算成績:19戦15勝
競馬の殿堂:1984年(昭和59年)選出 「最強の戦士」

武田文吾調教師がその末脚を「鉈の切れ味」と評した。
これ以降、日本の競馬界は「シンザンを越えろ」が合い言葉になった。

《ミスターシービー 1983年(昭和58年)》

※菊花賞出走時(1983年11月13日)

美浦・松山康久厩舎 吉永正人騎手
父・トウショウボーイ 母・シービークイン 母の父・トピオ
代表産駒:シャコーグレイド、メイショウビトリア(ステイヤーズS)、ヤマニングローバル(目黒記念)
通算成績:15戦8勝
競馬の殿堂:1986年(昭和61年)選出 「奇跡の豪脚」

父のトウショウボーイは「天馬」と称されたので、ミスターシービーは「天馬2世」と称された。
最後方から父譲りのスピードで鮮やかに差しきって勝利した。

《シンボリルドルフ 1984年(昭和59年)》

※第30回ジャパンカップでのパドック展示。 2010年11月28日撮影 wiki(c)Cake6 (talk) 

美浦・野平祐二厩舎 岡部幸雄騎手
父・パーソロン 母・スイートルナ 母の父・スピードシンボリ
代表産駒:トウカイテイオー(皐月賞、ダービー)、アイルトンシンボリ(ステイヤーズS)、キョウワホウセキ(サンスポ4歳牝馬特別)
通算成績:16戦13勝
競馬の殿堂:1987年(昭和62年)選出 「七冠馬」

史上初の無敗の三冠馬。
冷静沈着、威厳のある佇まい、完璧な強さで「皇帝」と称された。

《ナリタブライアン 1994年(平成6年)》

※第44回阪神大賞典 wiki(c)Goki 

栗東・大久保正陽厩舎 南井克巳騎手
父・ブライアンズタイム 母・パシフィカス 母の父・ノーザンダンサー
代表産駒:ブライアンズレター、マイネヴィータ、ダイタクフラッグ
通算成績:21戦12勝
競馬の殿堂:1997年(平成9年)選出 「シャドーロールの三冠馬」

シャドーロールの怪物」と呼ばれた。
首を低く流れるようなフォームで走り、他馬を力でねじ伏せて圧勝した。

三冠競走での着差の最大記録を持つ(皐月賞3馬身1/2、ダービー5馬身、菊花賞7馬身)(2020年10月現在)

《ディープインパクト 2005年(平成17年)》

※三冠馬 ディープインパクト wiki(c)Goki (talk)

栗東・池江泰郎厩舎 武 豊騎手
父・サンデーサイレンス 母・ウインドインハーヘア 母の父・アルザオ
代表産駒:ジェンティルドンナ(牝馬三冠・ジャパンC)、サトノダイヤモンド(有馬記念)、ショウナンパンドラ(ジャパンC)
通算成績:14戦12勝
競馬の殿堂:2008年(平成20年)選出

走っているというよりも飛んでいる感じ」と主戦騎手の武 豊が評した。
2019年(令和元年)まで8年連続でリーディングサイアーに輝く。

《オルフェーヴル 2011年(平成23年)》

※オルフェーヴル 2011年有馬記念表彰式にて wiki(c)Cake6 (talk) 

栗東・池江泰寿厩舎 池添謙一騎手
父・ステイゴールド 母・オリエンタルアート 母の父・メジロマックイーン
代表産駒:ラッキーライラック(エリザベス女王杯)、エポカドーロ(皐月賞)
通算成績:21戦12勝
競馬の殿堂:2015年(平成27年)選出

父、母、母の父(メジロマックイーン)の全てが内国産馬の三冠馬は史上初。
やんちゃな暴れん坊で、彼より魅力的な馬は二度と出ないといわれた。

《コントレイル 2020年(令和2年)》

コントレイル wiki(c)OKfarm

栗東・矢作芳人厩舎 福永祐一騎手
父・ディープインパクト 母・ロードクロサイト 母の父・アンブライドルズソング
成績: 7戦7勝(現役)
デビューから無傷の7戦7勝。無敗の三冠馬はシンボルルドルフ、父のディープインパクトに次ぐ3頭目。
父子2代で無敗の三冠馬は史上初。
三冠競走での着差の最小記録を持つ(皐月賞1/2馬身、ダービー3馬身、菊花賞クビ差)(2020年10月現在)

三冠牝馬一覧

《メジロラモーヌ 1986年(昭和61年)》

中央競馬での歴代三冠馬

※1987年2月7日、東京競馬場にて引退式 wiki(c)Tokyo rose 1943

美浦・奥平作太郎厩舎 河内 洋騎手
父・モガミ 母・メジロヒリュウ 母の父・ネヴァービート
代表産駒:メジログリーン、メジロラスタバン、メジロテンオー
通算成績:12戦9勝
競馬の殿堂:1987年(昭和62年)選出 「牝馬三冠」

4歳(当時)牝馬のレース体系が整備されてから初めての三冠牝馬。
トライアルレースにも全勝しているので「完全三冠」といわれた。

《スティルインラブ 2003年(平成15年)》

中央競馬での歴代三冠馬

※2003年4月13日 阪神競馬場 wiki(c)TRJN 

栗東・松元省一厩舎 幸 英明騎手
父・サンデーサイレンス 母・ブラダマンテ 母の父・ロベルト
産駒:ジューダ
通算成績:16戦5勝

三冠めが秋華賞に変更されてから初めての三冠牝馬。
気性は穏やかだが、落鉄しながらオークスに勝った根性娘。
初年度産駒のジューダを出産後、腸重積のため死亡。

《アパパネ 2010年(平成22年)》

中央競馬での歴代三冠馬

※アパパネ wiki(c)Cake6 (talk)

美浦・国枝 栄厩舎 蛯名正義騎手
父・キングカメハメハ 母・ソルティビッド 母の父・Salt Lake
産駒:モクレレ、ジナンボー、ラインベック
通算成績:19戦7勝

二冠めのオークスはサンテミリオンと1着同着だった。
他を力尽くでねじ伏せる勝ち方をするのだが、童顔で可憐な馬である。

《ジェンティルドンナ 2012年(平成24年)》

中央競馬での歴代三冠馬

※2014/12/28 有馬記念 ジェンティルドンナ wiki(c)Nadaraikon

栗東・石坂 正厩舎 岩田康誠騎手、川田将雅騎手(オークスのみ)
父・ディープインパクト 母・ドナブリーニ 母の父・Bertolini
産駒:モアナアネラ
通算成績:19戦10勝
競馬の殿堂:2016年(平成28年)選出

日本競馬史上初の親子で三冠馬となる。
後から強烈な末脚を生かしてゴール手前で交わす勝ち方が多かった。
好敵手ヴィルシーナは三冠とも2着であった。

《アーモンドアイ 2018年(平成30年)》

中央競馬での歴代三冠馬

※三冠牝馬 アーモンドアイ 第160回天皇賞(秋)ゴール前 wiki(c)フランケル

美浦・国枝 栄厩舎 C.ルメール騎手
父・ロードカナロア 母・フサイチパンドラ 母の父・サンデーサイレンス
成績:11戦8勝(現役)

同じ厩舎の先輩三冠牝馬アパパネと同じく、鮮やかに追い込みを決めて勝つ馬だが、名前の通り目がかわいい。
国際競走馬格付け委員会から歴代の日本牝馬で最高の評価を得ている。

《デアリングタクト 2020年(令和2年)》

栗東・杉山晴紀厩舎 松山弘平騎手
父・エピファネイア 母・デアリングバード 母の父・キングカメハメハ
成績: 5戦5勝(現役)
日本競馬史上初の無敗の牝馬三冠を達成する。
トライアルレースには出走せず外厩制度を利用してGⅠレースに直行した。

 

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